音盤狂日録


3月31日(木)

 

リチャード・ヒコックス(指揮) ノーザン・シンフォニア ほか
ワーグナー;ジークフリート牧歌 & R・シュトラウス;二重協 ほか(CHANDOS)
「音楽で描いた『美女と野獣』」、R・シュトラウスのClとFgのための二重協は愛惜佳曲書に掲げた偏愛の作品の一つ。
eBayを見ていたら、未架蔵のヒコックス盤が出品されていたので落札したもの。
独奏者はロバート・プレイン(Cl)、スティーヴン・リー(Fg)と記されているのみなので、おそらくはオーケストラのメンバーと思われる。
標記2曲以外の収録曲は凝ったもの。
ワーグナーではハンス・ヴェルナー・ヘンツェが室内管用に編曲したヴェーゼンドンク・リーダー(M-S独唱;ヤルド・ヴァン・ネス)。
更にそのうち「夢」についてはワーグナー自身が書いたVnソロと室内管のための版を世界初録音。
またR・シュトラウスの「アリアドネとナクソス」の序曲と舞踊音楽をフィルアップしている。
1994年4月、イギリス・ニューキャッスルのゴスフォースでの録音。
ルネ・レイボヴィッツ(指揮) スコラ・ディ・アルツィニャーノ管 ほか
ドニゼッティ;歌劇「リータ」(伊FONIT、LP)
十二音音楽の使徒レイボヴィッツには「よろず屋」的な顔もあり、実に様々なレパートリーを指揮している。
これもその一つで、ドニゼッティのマイナーな一幕物喜劇オペラの録音。
(作品についてはミン吉さんのオペラ御殿を参照されたい。)
LPは架蔵していたのだが、eBayでオリジナルに近そうな盤が出品されていたので落札してみた。
現品が届いてみると、盤も分厚く、歪み感の少ない伸びやかな音質で、買換の価値があったと喜んでいる。
なお、ジャケットに "Copyright 1956 " の表記があるので、録音時期もその頃までさかのぼるものと思われる。

3月28日(月)

 

新田ユリ(指揮) 日立フィル ほか
シベリウス;交響曲第3番 ほか(日立フィル自主製作)
 
新田ユリ(指揮) 日立フィル
シベリウス;交響曲第5番 ほか(日立フィル自主製作)
新田さんはフィンランドに留学してヴァンスカ & ラハティ響に学び、シベリウスはじめ北欧音楽に造詣の深い指揮者。現在も日本シベリウス協会の理事、アイノラ響の正指揮者を務めておられる。
彼女のシベリウスを聴きたいと念願しているのだが関西では指揮の機会が少なく残念に思っていたところ、Web上の知人から、アマチュアの団体を指揮したシベリウス録音が存在する、と教えていただいた。
オーケストラは「京浜地区の日立製作所および関連会社の社員、家族、知人を中心にして作られたオーケストラ」で、演奏会の記録をCD(CD-Rではない)として頒布しておられる。
詳細は、トップページ右下のリンク「弊団へのお問い合わせ」のメールフォームで問い合わせられたし。ただし、担当者の本業の合間に御対応いただいているので、レスポンスや出荷(?)のタイミングについては御海容を。
第3番は2003年7月27日、東京芸術劇場大ホールでのライヴ録音。
カプリングはカスキ;前奏曲 変ト長調サン・サーンス;交響曲第3番「オルガン付き」(Org独奏松居直美)。
ブックレットの解説も、カスキとシベリウスについては新田さんが執筆しておられる。
第5番は1999年12月26日、すみだトリフォニーホールでのライヴ録音で、モーツァルト;歌劇「フィガロの結婚」序曲ドビュッシー;交響詩「海」シベリウス;アンダンテ・フェスティーヴォをカプリングしている。
ヤーノシュ・ローラ(Vn & 指揮) フランツ・リスト室内管
ロッシーニ;弦楽ソナタ集(TELDEC)
水際だった弦楽合奏の響きを聴かせてくれる、リスト室内管。
このところ蒐集に努めているのだが、けっこう録音が多い(苦笑)。
店頭では見かけなくなったTELDEC盤で未架蔵のロッシーニが某オークションに出品されていたので落札したもの。
全6曲中、第1・4・5・6番を収めている。
録音データは記載されていないが、マルPは1984年。
ヴァーノン・ハンドリー(指揮) ロンドン・フィル
ディーリアス;「河の上の夏の夜」・「春初めての郭公を聴いて」 ほか(CHANDOS)
標記2曲は愛惜佳曲書にも掲げた鍾愛の作品、当盤もとうに架蔵しているつもりだったが迂闊なことに勘違い、某オークションに出品されているのを見て気づき、慌てて落札したもの。
カプリングはディーリアスで「夏の夕べ」、「歌と踊り」RVW序曲「はちすずめ」、音楽へのセレナード
1983年11月、トゥーティングのオール・セインツ教会での録音。
エミール・テルマーニ(Vn) エギスト・タンゴ(指揮) デンマーク王立管 ほか
ニルセン;Vn協・Cl協 ほか(DUTTON)
音盤屋でニルセンの音盤を捜していたところ、目的のものは見つからなかったのだが、この盤を発見した。
テルマーニはハンガリー生れ、ヴァイオリンをフバイに学び、長じてコペンハーゲンに移住し、ニルセンの娘と結婚した。
したがってニルセン作品の演奏・録音が多いのだが、このVn協の音源(1947年6月、SP録音)は未架蔵なので、ぜひ聴いてみたいと購入。
カプリングのCl協はルイ・カユーザック(Cl) ヨン・フランセン(指揮)による(1947年11月)。
更に交響詩;「サガの夢」(エギスト・タンゴ(指揮))をフィルアップ。

3月26日(土)

 

エサ・ペッカ・サロネン(指揮) ロサンジェルス・フィル ほか
ヒンデミット;交響曲「画家マティス」 ほか(Sony Classical)
偏愛の曲の一つ、「画家マティス」の新盤、しかもサロネンとロス・フィル!
既にAnja-Linna六国峠などでレビューも掲載されており、至極名演とのことである。
もう買わざるべからず、聴かざるべからず、なのであるが、残念なことに流通事情でタワーレコードの一部店舗にしか入荷していないという。
(いつもながら在庫の薄い)京都店にはなかったので、梅田まで出かけて購入。
ウェーバーの主題による交響的変容「四つの気質」(P独奏はエマニュエル・アックス)をカプリングしている。
録音は少し古く1999年6月と2000年1月(「マティス」のみ)、ロサンジェルスにて。
アーロン・ロザンド(Vn) ジェイムズ・ジャッド(指揮) フロリダ・フィル
ウォルトン;Vn協 ほか(HMF)
アメリカの実力派Vn奏者ロザンドの音盤はなるべく聴きたいと思っているところ、未架蔵のウォルトンがeBayに出ていたので落札したもの。
1991年10月、マイアミのガスマン舞台芸術センターでの録音。
カプリングはウォルトンの管弦楽曲で、組曲「ヘンリー五世」映画音楽「スピットファイア」より前奏曲とフーガカプリッチオ・ブルレスコ
ザラ・ネルソヴァ(Vc) ほか
「DECCA録音集成 1950〜56年」(DECCA)
『レコード芸術』の今年2月号で中村孝義氏が「本誌執筆者によるプライヴェート・ベスト5」に選び同時に「海外盤試聴記」で詳説しておられる5枚組。曰く、
練り絹のような柔らかい肌触りと適度の艶を帯びた、品格の高い美しい音色。見事にバランスの取れた美しい造形と、その中に込められたベートーヴェンならではの覇気と確信に満ちた堂々たる表現。
これは聴いてみたいと思っていたのだが、意外に店頭から姿を消しており、困っていた。
ようやく再入荷したのだろうか、今日、上記梅田の店舗で発見したので購入。
主な収録曲は、
ドヴォルザーク;Vc協(ヨーゼフ・クリップス(指揮) ロンドン響、1951年11月)
ラロ;Vc協
サン・サーンス;Vc協第1番(以上エイドリアン・ボールト(指揮) ロンドン・フィル、1953年11月)
バーバー;Vc協(作曲者(指揮) 新響、1950年12月)
ブロッホ;シェロモ(エルネスト・アンセルメ(指揮) ロンドン・フィル、1955年3月)
ベートーヴェン;Vcソナタ第1〜5番
ラフマニノフ;Vcソナタ(以上アルトゥール・バルサム(P)、1956年5月)
コダーイ;無伴奏Vcソナタ(1955年4月)
レーガー;無伴奏Vc組曲第2番(1955年4月)
といったところ。
中村氏推奨のベートーヴェン、大好きなラフマニノフも楽しみだが、作曲者が指揮したバーバー作品にも大いに興味を惹かれている。
アレクサンドル・ヴァウリン(P)
ステーンハンマル;Pソナタ ト短調 ほか(CLASSICO)
モスクワ生まれで現在はデンマークに住んで活動しているヴァウリンによる北欧ピアノ曲集の第2巻。
第1巻にはステーンハンマルの3つの幻想曲が収録されていたが、第2巻では彼のピアノ作品の中でもこのところ好きになっているト短調ソナタを入れてくれたので、たいへんに嬉しい。
またカプリングが、グリーグ;組曲「ホルベアの時代から」シベリウス;「キュリッキ」ほか1曲。これは堪えられない組み合わせだ。
2004年4月、コペンハーゲンのバッハ・レコーディング・スタジオでの録音。
ノルディックサウンド広島から届けていただいたもの。
デンマーク王立歌劇場管・合唱団 ほか
「輝ける時 1959〜1984年」(CLASSICO)
CD2枚組のライヴ音源集にイーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)によるハイドン;オラトリオ「天地創造」(抜粋)が含まれているのでノルディックサウンド広島にオーダーしていたもの。
マルケヴィッチの演奏は1965年12月5日の収録で、アグネス・ギーベル(Sop)、リチャード・ルイス(Ten)、オットー・エーデルマン(Bs)が協演している。
ただし録音状態は芳しくない。
そのほか、アルヴィド・ヤンソンス(指揮)によるワーグナー;「ローエングリン」シューベルト;ミサ曲ト長調イェルジー・セムコフ(指揮)によるムソルグスキー;「ボリス・ゴドゥノフ」ヴェルディ;4つの聖歌ストラヴィンスキー;詩篇交響曲が含まれているのも嬉しい(いずれも一部分なのは残念だが)。
なおアルバム・タイトルは "Stjernestunder" 、直訳すれば「星の時間」(ツヴァイクの著作を思い出す)だが、意を汲んで標記のように邦訳してみた。

3月25日(金)

 

ゾルタン・コチシュ アンドラーシュ・シフ(P) アルバート・サイモン(指揮)リスト音楽院管
バッハ;P協集(HUNGAROTON)
コチシュとシフのバッハ、ただし1970年代中頃デビュー間もない時期の録音。
収録曲はコチシュ独奏でホ短調 BWV1057ニ短調 BWV1062、両者協演でハ短調 BWV1060ハ長調 BWV1061
某オークションにて落札したもの。

3月24日(木)

 

22日付けのYahoo! 新着情報に、金澤亜希子さんというピアニストの公式Webpageが掲載された。
「プロフィール、コンサート情報、ハンガリーへの留学日記等。」という説明文に興味を惹かれ訪問してみたところ、もしやと期待したとおり(!)、プロフィール欄に
室内楽をペレーニ・ミクローシュ氏に師事。
と記されている。
そして、リスト音楽院・留学日記には、ペレーニ師のレッスンやコンサートの感想が綴られている。
それによると、レッスンは2003年10月〜2004年6月の間、前後22回に及び、
伴奏にも妥協を許されないご指導で、レガートで歌うところをできるまで弾かされたりしました。
先生と一緒に弾く時、少しでもタイミングが合わなかったり、先生の納得される音楽でないと何回でもやり直されます。
 しかも、怒るわけでも何か言うわけでもなく、無言でこだわりを追求されています。
等と、ペレーニ師らしい様子が窺えるが、中でも印象的だったのは、
レッスン後、春の明るい日差しの入る部屋で、先生が穏やかにお話しして下さったことが印象的でした。
 ブダペストの山やブダペストの外、センテンドレとかを歩くと、地面からの放熱でエネルギーを得られて、音楽へのパワーも湧いて来るというようなお話でした。
という記述。
別なところで金澤さんは「ペレーニ先生は仙人みたいなので」と書いておられるが、自然から音楽のエネルギーを吸収するというあたり、まさしく「仙人」といえよう。
彼ならば、霞を食って生きている、と言われても不思議ではないような気がする。
もっともブダペシュトの日本料理屋に詳しいという報告もあるのだが(笑)。
ウート・ウーギ(Vn) クルト・ザンデルリンク(指揮) ロンドン響
チャイコフスキー;Vn協・瞑想曲(伊RCA、LP)
ザンデルリンクのあまり知られていない録音、しかもソリストが美音家ウーギということで、ぜひ聴きたいと某オークションで落札したもの。
すっかり忘れていたが、国内盤LPも出ており(1981年4月発売)、『レコード芸術』ではウーギの協奏曲録音は初めてと説明が付いている。
1980年6月、ロンドン・トゥーティングのオール・セインツ教会での録音。ただし当LPは1986年頃のデジタル・リマスター盤。
CDでは出たことがないように思うが、どうだったろうか。

3月22日(火)

 

朝日新聞アスパラクラブというWebsiteに、堀米ゆず子さんと児玉桃さんのインタビューが掲載されている。
読むためには会員登録しなければいけないが(無料、ただし個人情報必要)、特に堀米さんの発言には注目せざるべからず。
シャーンドル・ヴェーグから学んだというモーツァルト観を披瀝しておられるのだ。
以下、引用。
ひとつの曲の中に、たとえば雑踏の中にまぎれこんでいきたいと思うときの心境と、まぎれこんでいてもやっぱり一人だなぁ、とぽつんとした感じとか、そういうのがさりげなく混在している。深淵(しんえん)をのぞき込むような暗さが現れたと思ったら、そのあとこっちを向いてアハハって笑っている。一つの曲の中でそういうシーンを行ったり来たりするんです。
 しかもモーツァルトは心情の移り変わりがぱっと変わる。コロッと変われないとダサイんです。だからモーツァルトをベタッと弾いちゃったり、思い入れを入れ過ぎちゃだめなんです。
 シャンドルベークというザルツブルクで教えていたハンガリー人の名教師がいて、私はこういうことを全部彼から学んだんです。
 彼はモーツァルトには三つの要素がある、と言っていて、一つはカンタービレ…歌うように、もう一つはグラツィオーゾ…本当に優しく優雅な、そして三つ目はリゾリュート…決然と。アパッショナータでもなければ、エスプレッシーヴォでもない。
 だからどうやって弾いたらいいか、迷ったときにはその三つのどれかをあてはめる。
「シャンドルベーク」の表記は、ちょっと情けないが(-_-;、モーツァルトに数々の名演を遺したヴェーグ老師の作曲家観として、ぜひぜひ記録しておきたい。
更に堀米さんは「モーツァルトのステージは命がけ」と語るのだが、そのあたりは朝日新聞アスパラクラブのWebpageでお読みください。
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮) スウェーデン放送響
ショスタコーヴィッチ;交響曲第7番(daphne)
はやしさんのスヴェトラーノフのページ
とにかくこの曲が持つ強大で強力な音響世界を極限までに膨張させて表現
と絶讃され、工藤さん
全体に重厚なテンポをとりつつも、引き締まったリズムで弛緩するところがない。(略)終楽章コーダは圧巻。最終和音の引き延ばしに興奮しない者がいるのだろうか!
と評価しておられる、スウェーデン放送響とのライヴ録音(1993年9月10〜11日、ストックホルム、ベールヴァルド・ホール)。
もともとVANGUARDレーベル(オランダ)で出ていたのが廃盤となり、某オークションあたりでは出ると数万円の値を付けていたのを何度も目撃した。
1,000円くらいで売っていたこともあるらしいのだが、斉諧生も買い損ねたくちで、長年指をくわえてオークションを眺めていたもの。
今回、スウェーデンのdaphneレーベルから再発されるという情報が"at the end of the day"からもたらされ、待ちかまえていたところ、掲示板スヴェトラーノフ普及促進委員会Swedish Music Shopで取扱いが始まったとの速報を得た。
直ちにオーダー、約1週間で到着したもの。
イヴァン・フィッシャー(指揮) ブダペシュト祝祭管
R・シュトラウス;交響詩集(HUNGAROTON)
イヴァン・フィッシャーとブダペシュト祝祭管は、ぜひドイツ音楽でも聴きたい、とは以前から力説しているところだが、某オークションにR・シュトラウスが現れたので落札したもの。
「ドン・ファン」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」「死と変容」の3曲を収録している。
「ティル」は1987年、他の2曲は1988年、それぞれリスト音楽院大ホールでのライヴ録音。
ヴラディーミル・スピヴァコフ(Vn) アレクサンドル・クニャーゼフ(Vc) ユーリ・テミルカーノフ(指揮) ロイヤル・フィル
ブラームス;Vn協・二重協(BMG)
最近急速に存在感を高めているチェリスト、クニャーゼフの録音を某オークションで発見し、落札したもの。
そういえば国内盤も出ていたはずだが、ヴァイオリニストばかり印象に残っており、彼が協演していたとは知らなかった。
そもそも本人の公式Webpageのディスコグラフィにも掲載されていない。「自分の」アルバムではない、ということだろうか。
1992年2月(二重協)・6月(Vn協)にイギリスのハートフォードシャー、ワトフォード・タウンホールで録音されたもの。エンジニアは名手トニー・フォークナーが務めている。
なお、Vn協でのカデンツァはヨアヒムを使用。
アウドゥン・カイセル(P) カシュテン・アネルセン(指揮) ベルゲン・フィル
グリーグ;P協 ほか(Troldhaugen)
未知のピアニストの録音だが、作曲家ゆかりのベルゲン・フィルの演奏であり、独奏者も当地の人というので、共感溢れる音楽が聴けるのではないかと落札してみた。
カイセルは1946年ベルゲン生れ、同地の音楽院からウィーンやパリ(イヴォンヌ・ルフェーブル)、スイス(ゲザ・アンダ)に学び、オスロのノルウェー音楽院の教授を経て、ベルゲン近郊にあるトロールハウゲンのグリーグ記念館の芸術監督を務めているとのこと。
当盤は、おそらく記念館の製作したものと思われる。1985年3月、ベルゲンで録音された。
オーケストラのみによる「ソルヴェイグの歌」「朝」「過ぎ去りし春」等をカプリング。
コリン・カー(Vc)
バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(GM Recordings)
当盤を何で知ったのか、もう忘れてしまうくらい前のこと、レーベルの公式Webpageからオーダーしていた。
何の反応もなく、しばらく気にしていたのだが問い合わせの英作文も面倒で放置し、そのうち忘却してしまった。
先日、突然メールがやってきて、「前にオーダーしてもらったときは品切れで納品できなかったが、再プレスしたので、まだ御入用であれば再度オーダーされたし」という。
ではではと頼んでおいたところ、10日ほどで届いたもの。
独奏者の経歴については、あまり詳しい記事がないが、アメリカで室内楽を中心に活動し、現在はボストンのニューイングランド音楽院で教職にあるという。
1994年9月、同音楽院のジョーダン・ホールにおけるライヴ録音。
トビアス・リングボリ(Vn) アンデシュ・シールストレム(P)
シェーグレン;Vn作品全集 vol.2(CAPRICE)
上記スヴェトラーノフ盤と同時にSwedish Music Shopにオーダーしたもの。
ステーンハンマルの作曲の師、シェーグレンの音楽は優れて美しい抒情味に特長がある。
全3巻の発売が予定されているVn作品全集の第2巻(第1巻は架蔵済み)で、Vnソナタ第2番と歌曲からの編作15曲を収める。
第2番のソナタはトール・アウリンに献呈された曲で、そのアウリンがVn用に編んだ歌曲を収録したという企画のようだ。
1994年6月(ソナタ)及び2001年3・9月、スウェーデン放送第3スタジオでの録音。
なお、第3巻もリリースされているのだが、それはまた後日に。
ウーラ・カールソン(Vc) イングリッド・リンドグレン(P)
シェーグレン;Vcソナタ ほか(Bluebell)
これもSwedish Music Shopから。
シェーグレンのチェロ・ソナタは録音が少なく、ぜひ聴いておきたいとオーダーしたもの。
チェリストは1952年生れ、スウェーデン放送響の首席奏者。
カプリングは、すべてピアノ曲で、「スウェーデン国王の歌」による7つの変奏曲主題と変奏など。
1999年5月(Vcソナタ)、2002年3月(変奏曲)、1999年8月、ストックホルムでの録音。
ヴィレム・ファン・オッテルロー(指揮) コンセルトヘボウ管
フランク;交響曲・交響詩「アイオリスの人々」(蘭Philips、LP)
このところ蒐集している指揮者、オッテルローの代表盤の一つとされるフランクが、eBayに出品されていたので落札したもの。
ジャケットにはデータの記載がないが、1964年録音とのこと、もちろんステレオ盤である。
イレーナ・ヴェレッド(P) カジミシュ・コルト(指揮) ロンドン響
チャイコフスキー;P協第1番 ほか(英DECCA、LP)
これも蒐集中の指揮者、コルトの未架蔵盤がeBayに出品されていたので落札したもの。
1970年代半ばの録音で、当時DECCAが取り組んでいた"PHASE 4"テクニックによる。
フィルアップはピアノ・ソロでストラヴィンスキー;「ペトルーシュカ」の三楽章

3月21日(祝)

 

ピエール・モントゥー(指揮) コンセルトヘボウ管
ベートーヴェン;交響曲第8番 ほか(Radio Netherlands Music)
「放送用ライヴ録音集成 vol.3 1960〜1970」から、もっとも聴いてみたかったモントゥーのライヴを取り出す。
ベートーヴェンの8番は、ウィーン・フィルとのスタジオ録音盤(DECCA)があったが、それとはずいぶん違う趣。
DECCA盤の演奏は柔らかい音楽に終始している傾向があるが、こちらは、すべてのパートを鳴らし切る豪快な演奏。
第1楽章展開部後半の追い込みなど、手に汗握る凄まじさ、第4楽章コーダ、279・281小節で打ち込まれる低弦のアクセントの熾烈さ!
後者の372小節以下で減速して大見得を切るところも、DECCA盤とは極まり方が全然違う。
 
更にブラームス;悲劇的序曲は気迫みなぎる壮絶な音楽、ワーグナー;「ブリュンヒルデの自己犠牲」ニルソンの声に圧倒される。
とても90歳近い指揮者の音楽とは思えない(モントゥーは1875年生れ、これらは1962〜63年の録音)。
こういうライヴを聴くと、この時期にこのオーケストラでPhilipsがベートーヴェンやブラームスの交響曲全集を正規に録音してくれていたら…と惜しまずにはいられない。
レイフ・セーゲルスタム(指揮) ヘルシンキ・フィル ほか
シベリウス;交響曲第4番・交響詩「フィンランディア」(Ondine)
これだけ美しい響きのする第4番の音盤も珍しいだろう。
もう第1楽章冒頭の低弦のffの美しい和音を聴いただけで、それが予見できる。
全曲を一貫して弦合奏の音色は渋く温かい。これだけ金属臭のない弦の録音は稀有ではないか。
ベリルンドとの全集では弱点だったObなど管楽器も、奏者が入れ替わったのだろう、ひとつひとつが珠玉のように美しい。
全曲の頂点となる第3楽章は、鬱蒼と寂しい北欧の森に足を踏み入れ、迷路に分け入る感がある。
後期シベリウスの幽玄美への導きとして、多くの人に聴いていただきたい録音である。
ただ、脳裡に焼き付いているケーゲルの壮絶な演奏などと比較すると、厳しさに欠ける面がある。
第1楽章冒頭の有名なチェロのソロは音色が甘めで(これを好む人もいるだろうが)、少々物足りない。
諧謔味を帯びて始まる第2楽章の空気を一変させる(筈の)ObとClの不吉な叫びも、柔らかさを拭い切れていない。
全曲のあちこちで奏される弱音器付きのHrnも、音量が常に抑制され、意味深さを失ってしまった。
 
カプリングのうち「フィンランディア」も、素晴らしい美演。「フィンランディア讃歌」を歌う男声合唱も、胸の熱くなる響きだ。
惜しむらくは、讃歌を最初に歌い出す清冽な木管合奏が、その合唱の陰に隠れてしまったこと。
今井信子(Va)
テレマン;12の幻想曲(EPSON)
↓に書いたように、試聴した瞬間に心打たれた演奏だが、全曲を聴き通して感嘆三嘆した次第。
金管楽器のように輝かしい高音から木質感の強い低音まで多彩な音色が実によく伸びて、音程も心地よく、音を聴くだけでも堪能させられる。
過去数多の名盤を生んだスイスのホールでの優秀録音も与って功多し。
テレマンというと「ハンブルクの潮の満ち干」だとか「食卓の音楽」とか、とかく描写音楽、娯楽音楽と軽く見られがちなのだが、ヴィオラの渋い音色が音楽に重みを与えて、あたかもバッハやヘンデルの未知の曲集を聴く思いがする。
例えばCDでは2曲目に入っている第8番冒頭の、王者の風格のある優雅で美しい旋律はヘンデルに肩を並べよう。
あるいは3曲目の第2番、重音の響きが美しいアンダンテは、バッハの「G線上のアリア」の塁を摩するものだ。
ゆっくりしたテンポの陰翳深い音楽や舞曲のリズムは、バッハの両無伴奏曲集を髣髴とさせる。
全12曲、いずれも傑作と呼びたくなるが、とりわけ第7番(CD5曲目)は聴きごたえがあった。
慰藉のラルゴ、上機嫌なヴィヴァーチェ、孤絶の足取りのサラバンド、そして短いが気の利いたプレスト。
今井さんの演奏も、切れの良いリズム、エッジの利いたフレージング、ヴィオラという楽器の発音の重さを微塵も感じさせないスピード感溢れる弓捌き。
弦楽を愛する人には残らず耳にしていただきたい、名曲名演名録音といえよう。

3月19日(土)

 

エリザベート・レイトン(Vn) ジェイムズ・リズニー(P)
ビョルンソン;Pソナタ・Vnのためのロマンス第1・2番(OLYMPIA)
今日届いた1枚を早速聴く。
作風は極めてロマンティック。非常に聴き易い。
また、主題労作などはあまり見られず、ピアノ・ソナタ ニ短調も、ソナタというよりも3曲からなる幻想小曲集といった趣(演奏時間も全体で14分強)。
楽想も素朴だが、どこか「味がある」。
第2楽章アンダンテ・カンタービレなど、音符の数がずいぶん少なく、ポツポツとした音楽なのだが、抑制された歌と微妙な和声が簡浄の美を描く。
普通の意味で良く書けているのは(たぶん)第1楽章で、ピアニストがライナーノートに書いているように、グリーグかショパンの響きを思わせる。
とはいえ彼らよりも表情は更にシャイで、そこが何とも愛すべき音楽になっているのだが、その分、現代のコンサートホールや音楽市場からは遠くなっているのだろう。
 
2曲のロマンスは作品番号が6と14と離れており、おそらくセットになることを意識して書かれたものとは違うのだろうと思われる。
そのためか、かえって非常に似通っており、どちらも
(1) ロマンティックな主題提示
(2) リズミックな中間部
(3) 主題再帰と終結
という構成をとる。
両曲とも(2)の部分がなかなか面白く、第2番などちょっとタンゴか何かが入った感じのリズムが格好いい。
管弦楽版もあるそうで(CHANDOSからCDが出ていたらしい)、どういうオーケストレーションになっているのか、興味あり。

 

エリザベート・レイトン(Vn) ジェイムズ・リズニー(P) ほか
ビョルンソン;Pソナタ・Vnのためのロマンス第1・2番 ほか(OLYMPIA)
アウルニ・ビョルンソンはアイスランドの作曲家(1905年生、1995年没)。
先日、このページを読まれた方からメールを頂戴した際、この作曲家について「北欧的な澄みきった感じやメランコリックな雰囲気なのですが、またどこか独自の味のある音楽」と御紹介いただいた。
ピアニストの公式WebpageでPソナタの第1楽章を試聴したところ佳い感じだったので、あちこち捜してみて、Amazon Marketplaceでオーダー、1週間ほどで届いたもの。
標記2曲のほか、歌曲17曲を収めている。歌唱はグンナー・グドビョルンソン(Ten)。
1996年6月、イースト・ウッドヘイ(イギリス・ハンプシャー)の聖マーティン教会での録音。
作曲家について、ブックレットの解説を以下に抄録する。
1905年北極圏近くの農家に生まれたビョルンソンは幼時から音楽の才能を発揮、ほとんど独学で音楽を学んで、17歳の頃には国中の合唱団を指揮して廻っていたという。
その後首都レイキャビクへ出て本格的な音楽教育を受け、アイスランド響の創設に当たってはフルート奏者として参加した。
ところが当時(1930年頃か)のアイスランド響では給料が出せなかったため、彼は教職のほか、レイキャビクのダンスホールのバンドでピアノを弾いて生計を立てていたという。
その頃から作曲を始め、管弦楽曲や室内楽はもちろん、軍楽隊の行進曲や、タンゴやフォックストロットといったダンスホールの音楽まで、あらゆる分野の作品を書いた。
1940年代にマンチェスターの王立音楽院に留学、第二次世界大戦後にはアイスランドを代表する作曲家として知られるようになった。
ところが、完成すればアイスランド初のオペラとなる作品を書いていた1952年、不運にも暴力事件に巻き込まれ、脳に障害が遺ってしまった。
読み書きを学び直すという苦労を強いられたにもかかわらず、ピアノの演奏や作曲のしかたは忘れていなかったという。
事件後は作風も変化し、遅いテンポと簡素な管弦楽法のものが多くなったが、木管合奏のための「民謡風の主題による変奏曲」は、1970年にデンマーク放送が行った北欧作曲コンクールで一位を獲得した。
晩年は、妻ヘルガの献身的な介護を受けながら、オルガニストとして教会や病院で演奏していたとのことである。
 
リズニーがビョルンソンの音楽に出会ったのには一つの偶然があった。
リズニーの妻の生徒の中にアイスランド出身の若いヴァイオリニストがおり、レイキャビクで開かれた彼のリサイタルでピアノ伴奏を引き受けたところ、リハーサルを聴きに来たヴァイオリニストの祖父が、ビョルンソンその人だったという。
当時80歳代半ばであったが気品ある立派な男ぶりであったとか。

3月16日(水)

 

オンドレイ・レナルト(指揮) 新星日響
マーラー;交響曲第1番 ほか(JOD)
レナルトと今は亡き新星日響とのマーラーは、第3・10番第9番(いずれも自主製作?)を架蔵しているが、市販された当盤は買い漏らしていた。
最初は曲も第1番だし(今はあまり評価していない音楽なのである)、まあよいか…と思っていたのだが、オーケストラもレーベルも消滅したとなると、「やはり入手しておかねば悔いを残す」と考えるようになった(苦笑)。
機会を窺っていたところ、某オークションに安価で出品されたのを見つけたので、落札したもの。
スメタナ;歌劇「売られた花嫁」序曲ドヴォルザーク;スラヴ舞曲第10番をフィルアップしている。
1990年6月9日、ライプツィヒ・新ゲヴァントハウスでのライヴ録音。創立20周年記念で挙行したヨーロッパ演奏旅行の記録である。
小林研一郎(指揮) 名古屋フィル ほか
マーラー;交響曲第3番(CROWN)
名古屋フィルがライヴ盤を出す、しかもコバケンのマーラー、それも最も好きな第3番というのでアリアCDさんにオーダーしていたもの。
彼のこの曲は、昔、京都市交響楽団でも超名演のステージに接したことがある。
当盤は2002年10月2日、愛知県芸術劇場でのライヴで、オーケストラのニュース・ページによれば、指揮者が「マーラーが降りてきた」と口にした、至高の名演だったそうな。いやが上にも期待が高まる。
また、ポスト・ホルンにチェコ・フィルのミロスラフ・ケイマルを特に招いたとのこと。
早く聴いてみたいものだ。
名古屋フィルの実演はまだ聴いたことがないのだが、上記公式Webpageを見ていると、来季には
ジャン・フルネ(指揮)
ドビュッシー(コンスタン編);「ペレアスとメリザンド」による交響曲
ショーソン;交響曲(12月14日)
 
ヴラディーミル・フェドセーエフ(指揮)
チャイコフスキー;組曲「胡桃割人形」(フェドセーエフ版)(1月27日)
 
といった演奏者・曲目が掲げられている。
東京よりは行きやすいので、考えてみても…と悪魔の囁き(苦笑)。
ガリー・ベルティーニ(指揮) 東京都響 ほか
マーラー;大地の歌(fontec)
中古音盤店に立ち寄ると、ベルティーニ & 都響のマーラー・チクルスのうち未架蔵の「大地〜」が棚にあったので、これ幸いと購入。
2003年11月29日、横浜みなとみらいホールでのライヴ録音。独唱はスーザン・プラッツ(M-S)、ヨルマ・シルヴァスティ(Ten)。
このシリーズで架蔵しているのは第4番・第6番、未架蔵は第7番・第8番
…と、今日の記事はここまでマーラー三連発なのだが、これはもしかしたら、帰りに立ち寄った音盤屋で、マーラーをこよなく愛する知人と久しぶりに出会った縁が引き寄せたのかもしれない(笑)。
(附記)
18日(金)になって、そのベルティーニの訃報が伝えられたので驚いた。
テル・アヴィヴで亡くなったというので、一瞬、自爆テロの巻き添えに遭ったのかという考えが頭をよぎったが、77歳だったというから、病没であろう。
 
晩年に音楽監督を務めた都響との実演を聴く機会を得なかったのは誠に残念。
唯一接したステージは、昭和63(1988)年4月、ケルン放送響を率いて大阪国際フェスティバルに来演したときのこと、曲目はマーラー;交響曲第9番であった。
たいへん期待して出かけたのだが、残念ながら、演奏の内容はあまり印象に残っていない。ごくごく真っ当に音楽が鳴っていた、普通の演奏だったという程度。
その3年前に同じホールで聴いたバーンスタイン(指揮) イスラエル・フィルの同曲の印象が強烈すぎたのか、まだまだ斉諧生が未熟だったのか…。
確かフェスティバルの開幕日で、フォーマルに装ったVIPが大勢いたとかファンファーレや両国国歌の奏楽があったとか、些末なことの記憶のみ鮮明である。
嗚呼、情けなや。
 
キャリアの長い人だが、録音には恵まれていないように思う。
ケルン放送響とのマーラー;交響曲全集が唯一まとまったものではなかろうか。
全曲の中には日本でのライヴも含まれていて我々には親しみ深く、もちろん演奏内容も熾烈な情熱と静謐感が両立した素晴らしいもの。
しかしながら、日本とドイツ以外ではろくに販売されていなかったようで、輸入盤では滅多に見かけない。先年、仏EMIが第1〜5番のみを廉価セットで発売したが、後半は遂に出なかった。
同じEMIにテンシュテットの全集があったせいなのだろうか…?
この機会に(と言うのも少し変だが)、全集の再発と、都響とのマーラー・シリーズの残る曲目のリリース、そしてマーラー以外にもレパートリーが広かった彼の遺産が公表されることを、強く希望したい。
イツァーク・パールマン(Vn & 指揮) レイ・スティル(Ob) イスラエル・フィル
バッハ;Vn協集(EMI)
このところとんと評判を耳にしなくなったパールマンだが、斉諧生がクラシック音楽を聴き始めた1980年代初めには、ヴァイオリン界の横綱だった。
(当時、クレーメルは変人、ムターは少女にすぎなかった。ズーカーマンが並び称せられていたが貫禄不足は否めず、せいぜい大関程度。)
ところがDGGに移籍したのが良くなかったのか(このレーベルはヴァイオリニストのブラックホールではないか)、モーツァルトの協奏曲集・ソナタ集がさんざんな評価を被るなど、一挙にクレーメルとの地位が逆転。その後TELDECでバレンボイムとの協演盤を出したりしていたが、どれもすぐに消えてしまった。。。
当盤はパールマンが輝いていた時期の終わり頃、1982年のデジタル録音。初発時に国内盤LPを購入した記憶があるが、CDは買いそびれていたところ、先日某オークションに出品されたのを見かけて落札したもの。
Vn協 ニ短調 BWV1052aVn協 ト短調 BWV1056aVn & Ob協 BWV1060と、Cem協からの復元作品3曲を収録している。
なお、Ob奏者はシカゴ響の名物男。
ライナー・ホーネック(Vn & 指揮) 名古屋フィル
ブラームス;Vn協 & ウィンナ・ワルツ集(CROWN)
上記小林研一郎のマーラー同様、アリアCDさんにオーダーしていた名古屋フィルのライヴ盤。
ホーネックはウィーン・フィルのコンサートマスターの一人。
平成14(2002)年のウィーン旅行で聴いたベートーヴェン;交響曲第2番ではコンサートマスター席に座っており、第2楽章でのノスタルジックな歌い回しには感涙にむせんだものである(後半の第5番ではキュッヒルに交替)。
CDでは小林研一郎とのドヴォルザーク;協奏曲(CANYON)等があったが、今回、Vn協の大物ブラームスが出るというので楽しみにしていたもの。
2002年12月4日、愛知県芸術劇場でのライヴ録音で、指揮は尾高忠明
後半のウィンナ・ワルツ集は彼の指揮で、ワルツ「ウィーン気質」ピチカート・ポルカなど9曲が演奏されている。
こちらは2004年1月16日、しらかわホールでのライヴ録音。
アーロン・ロザンド(Vn) カシュテン・アネルセン(指揮) ベルゲン・フィル ほか
エッゲ;Vn協 ほか(VAI)
アメリカの実力派Vn奏者ロザンドが1970〜80年代にノルウェー放送に残したライヴ録音集(CD2枚組)。
彼の演奏は聴き逃せないとアリアCDさんにオーダーしていたもの。
標記のうちエッゲは1975年、ベルゲン音楽祭での演奏。
エッゲ以外はスヴェレ・ブルルンド(Sverre Brulund)の指揮によるノルウェー放送響との協演で、
ラロ;スペイン交響曲(1980年)
シンディング;組曲(1975年)
シベリウス;ユモレスク op.87-1(1977年)
チャイコフスキー;憂鬱なセレナード(1978年)
サン・サーンス;ハバネラ & 序奏とロンド・カプリチオーソ
サラサーテ;ツィゴイネルワイゼン
を収録している。
今井信子(Va)
テレマン;12の幻想曲(EPSON)
この曲集を最初に聴いたのは誰の演奏だったか…、グリュミオー(Vn)かホリガー(Ob)か、はたまた有田正広(Fl)であったろうか。
ヴァイオリンによる録音に関してはT.S.さんの素晴らしいWebpageがあるが、ヴィオラでの全曲演奏は初めてではないかと思う。
今井さんの音盤はなるべく入手するようにしているところだが、国内盤フルプライスだからどうしようか迷っていたところ、今日立ち寄った音盤店の試聴機で一聴、直ちに購入せざるべからずと決心した。
はたして『レコード芸術』4月号で皆川達夫先生が熱烈な讃辞を寄せておられる。
分厚い和声感と強靱なポリフォニーの構成感とを内に秘め、今井さんの弓のひとつひとつの動きにつれて、ひとつひとつの音が生命を受けて鮮やかに蘇り、音楽の喜びと感動とともに息づき、歌い、ざわめき、流れ、躍動し、踊り、跳躍してゆく。
皆川さんがこういう熱っぽい月評を書くのは珍しい。
2003年11月、ラ・ショー・ド・フォン(スイス)での録音。
 
(附記)
とんでもない誤りを書いてしまった。
テレマンの「12の幻想曲」は、ヴァイオリンのものとフルートのものと、題名は同じですが、全く別な曲集です。
どちらも好きな音楽なのですが…(激汗)。

3月14日(月)

アンゲルブレシュト;日時計(LYRA)
 
アンゲルブレシュト;森の精(LYRA)
ふと思い立って青山ハープのWebsiteで楽譜を検索してみると、アンゲルブレシュトによるフルートとハープ(又はピアノ)のための作品が見つかったのでオーダーしたもの。
ここと村松フルートは、通常の楽譜店・音盤店にないものがみつかるので、重宝している。
ヴァイオリンやチェロでも、こういう店があると助かるのだが。。。
(とはいえ、もし見つかったら破滅的にオーダーしてしまうかもしれない、という危険を感じるのも事実。)

3月13日(日)

 

ペトル・ヴロンスキー(指揮) チェコ室内フィル
モーツァルト;セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(GZ)
先月9日に購入して以来、ずっと気になっていたヴロンスキーの「アイネ・クライネ」を、じっくり聴いてみる。
対照盤はシャーンドル・ヴェーグ(指揮) カメラータ・アカデミカ・ザルツブルクのスタジオ録音(1986年10月、CAPRICCIO)とライヴ録音(1990年7月、Philips)。
 
決定盤との令名高いヴェーグのスタジオ録音盤を聴き直すのは久しぶり。
第1楽章が比較的速め、テンポの動きが少なく、きっぱりしたアーティキュレーションで、かなり硬派・辛口の演奏という印象を受ける。残響を比較的多めに取り入れた録音とも相俟って、堂々たる響き、剛毅な音楽。
同じ指揮者・団体ながらライヴ盤ではテンポの振幅も少なくなく(第1楽章10小節や第2楽章12小節でのリタルダンドなど)、ややデッド・オンマイクの録音で演奏者が近く感じることもあり、インティメイトな音楽として受け止めたくなる。
 
ヴロンスキー盤は、どちらかというとヴェーグの91年盤寄りのスタイルか。
聴感上、編成はかなり小さいものと思われる。各パート2人か多くて4人程度ではないか。
そのため、音色の変化やヴィブラートのかかり具合まで、手に取るようで、演奏の繊細さを如実に聴くことができる。
例えば第1楽章では、54小節冒頭で第1Vnが弾く付点四分音符にかけられた深いヴィブラートや、127小節の音色の曇らせ方など、琴線のふるえに手で触れるような心地と言えようか。
中でも強い印象を受けたのは、第2楽章38小節以下のターン音型で、第1音をごく僅か長く弾く奏法。
指揮者の指示なのか楽員の音楽性なのかチェコに伝わる演奏伝統なのか、つまびらかにはしないが、これによって、ターンが単なる装飾音ではなく、音楽的感情の表出に高められたのである。
あまり知名度の高い演奏者たちではないが、実に素晴らしいモーツァルト。
ぜひ他の作品、例えばドヴォルザークの弦楽セレナードあたりを聴いてみたいもの。チェコのマイナーレーベルあたりに録音があればよいのだが。

音盤狂昔録平成17年2月分を追加。
 
この間入手したLP・CDの情報を
リリー・ブーランジェ・作品表とディスコグラフィ
ルクー・作品表とディスコグラフィ
パレー・ディスコグラフィ
イッセルシュテット・ディスコグラフィ
マルケヴィッチ・ディスコグラフィ
ガラグリ・ディスコグラフィ
宇野功芳・ディスコグラフィ
に掲載。

3月12日(土)

 

ポール・パレー(指揮) デトロイト響
フランク;交響曲(Haydn House)
 
ポール・パレー(指揮) デトロイト響
ワーグナー;序曲・前奏曲集 ほか(Haydn House)
 
ポール・パレー(指揮) フランス国立放送管
パレー;交響曲第1・2番 ほか(Haydn House)
いつもお世話になっているClassical CD Information  &  ReviewsHaydn Houseという、LPをCD-Rに覆刻しているWebsiteが紹介されていた。
カタログを見ると斉諧生のようなマイナー指向には垂涎の録音が並んでいるが、当面、パレーのモノラル録音等をオーダーしたもの(支払いは PayPal による)。
フランクやワーグナーにはステレオ録音もあり、それらはMercuryから正規にCD化されているが、旧録音は未覆刻。
特に畢生の名演(と信じる)ワーグナー;「タンホイザー」序曲は、モノラル盤しかないので、このCD-Rは極めて貴重ではないか。
また、フランス国立放送管とのものは、Carthageneというレーベルから出ていたLPの覆刻。
やや柔らかくなってしまっているが、聴き易い音質である。
 
正直申して著作権法上の問題は感じるが(Carthagene音源は50年経過していない)、ともかく御紹介する次第。
なお、CD-Rの盤面には "Private Transfer for Backup Only" と、若干白々しい文言が刷り込まれている。
斉諧生の場合は、すべてLPを架蔵しているので満更間違いではないのだが(苦笑)。
アレクサンダー・ギブソン(指揮) スコットランド・ナショナル管 ほか
メンデルスゾーン;交響曲第3番「スコットランド」・序曲「フィンガルの洞窟」 ほか(CFP)
ギブソンの未架蔵盤が某オークションに出品されていたので落札したもの。
1975年4月、グラスゴーのシティ・ホールでの録音。プロデューサーはジョン・ボイデン
ジェイムズ・ロックハート(指揮) ロンドン・フィルによる交響曲第4番「イタリア」をカプリングしている。
ウルフ・ヘルシャー(Vn) ハインリヒ・シフ(Vc) クリスティアン・ツァハリアス(P)
ブラームス;P三重奏曲第1番(EMI)
某オークションで見つけて驚愕した音盤。大慌てでどきどきしながら落札した。
最近蒐集を図っているツァハリアスの未知の音源だが、それ以前に、もともと好きなヴァイオリニストであるヘルシャーの録音として把握していて然るべきものなのに…(汗)。
1982年9月、スイス・セオンでのデジタル初期録音。
1曲だけで収録時間35分ほど、これでは器が勿体ない。適当なカプリング曲がないか何かで埋もれてしまったのではなかろうか。
クリスティアン・ツァハリアス(P)
モーツァルト;Pソナタ全集(EMI)
↑同様、某オークションで落札。
この全集は仏EMI製の廉価盤セットを店頭で購入したばかりだが、そちらは5枚組。
こちらはオリジナルの形で6枚組、独EMI製。
買い直したくなるのが音盤狂の病膏肓に入る所以。

3月11日(金)

 

コンセルトヘボウ管 ほか
「放送用ライヴ録音集成 vol.3 1960〜1970」(Radio Netherlands Music)
全6巻の発売が予告されているコンセルトヘボウ管のライヴ録音シリーズ、前回から1年余り空いて、第3巻が発売された。
今回もCD14枚組の大物、1曲を除いて1960年代の音源を収録している。
詳細とサンプルは公式Webpageを御参照いただくとして、斉諧生的に注目するのは次のようなもの。
 
ハンス・ロスバウト(指揮)
シューベルト;交響曲第4番「悲劇的」(1961年1月29日)
(斉諧生注、CDには1961年2月29日と表記されているが、この年は閏年ではない。Joan Evans のデータに従う。)
ベルク;3つの管弦楽組曲(1961年2月1日)
(斉諧生注、珍しいことにJoan Evans が記録していない音源である。)
ダラピッコラ;管弦楽のための変奏曲(1962年6月28日)
(斉諧生注、これもCDには1961年2月29日と表記されているが、Joan Evans のデータに従う。)
 
ピエール・モントゥー(指揮)
ベートーヴェン;交響曲第8番
ブラームス;悲劇的序曲(以上1962年5月14日)
ワーグナー;「ブリュンヒルデの自己犠牲」(1963年7月1日)
 
ジョージ・セル(指揮)
シベリウス;交響曲第2番(1964年11月26日)
 
ユージン・オーマンディ(指揮)
ヒンデミット;交響曲「画家マティス」(1967年11月12日)
 
キリル・コンドラシン(指揮)
ショスタコーヴィッチ;交響曲第6番(1968年12月20日)
(Philipsから同年1月21日のライヴが出ていた。)

3月10日(木)

 

ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮) フランス国立管
ブルックナー;交響曲第5番(naïve)
マタチッチのブルックナー、聴かざるべからず。
海賊盤では出ていたらしいが、当盤はINAの正規音源からの発売。
1979年5月21日、シャンゼリゼ劇場でのライヴ録音とのこと。
なお、パトリス・フォンタナローザがソロ・コンサートマスターを務めていた旨、特記されている。

3月9日(水)

パレー;ジャン・ラオールによる4つの詩(JOBERT)
先だってフランスの作曲家の楽譜等を扱っている、小さなWebshopを見つけた。
指揮者パレーの作曲の譜面が売られていたので、これは是非、手元に置きたいとオーダーしたもの。
フランスの詩人ジャン・ラオールによる「嵐の後で」「さよなら」「「舞踏会の後で」「死を欲する」の4曲(作曲;1921年)。
ラオールは現在の日本では(たぶん)あまり知られていない人だが、当時のフランスでは流行だったのか、デュパルクが付曲していたり、堀口大學(訳編)『月下の一群』にも収録されているという。
なお、4曲とも音としてはGROTTOの歌曲全集に収められている。

 

カール・フォン・ガラグリ(指揮) ティヴォリ響
ニルセン;交響曲第2番 & 小組曲(丁FONA、LP)
ガラグリのニルセン、国内盤や米盤LPは架蔵しているが、ようやくデンマーク盤が入手できた。
eBayにトルコ(!)から出品されており、送金等がずいぶん手間だったが、ガラグリのオリジナル盤のためにはと、敢えて落札したもの。
その甲斐あって、音質は非常に優れており、感涙にむせばざるべからず。
当盤にはデータの記載はないが、国内盤LPに従えば1966年の録音とのこと。
ディノラ・ヴァルシ(P) ヤン・クレンツ(指揮) モンテ・カルロ国立歌劇場管
ショパン;P協第1・2番(仏Philips、LP)
ディノラ・ヴァルシの名前は、日本の音盤界ではグリュミオールクー;Vnソナタ新盤のピアニストとして記憶されていると思われる。
これは少し不幸なことで、本来は1967年のクララ・ハスキル・コンクールの覇者であり、昨年の来日演奏会は、喧伝されることはなかったものの、心あるファンには大切な記憶となっている。
先日、eBayで彼女が独奏するショパンのコンチェルトを発見、これはぜひ聴いてみたいと落札したもの。
データの記載が何もなく(もしかしたらダブル・ジャケットの内側に挟まれていた用紙が脱落しているのかもしれません)、録音年月等は不明。
ただ、ジャケット表紙の彼女の名前の下に "GRAND PRIX CLARA HASKIL" と赤字で刷り込まれているので、コンクール優勝直後にレコーディングされた可能性が考えられよう。

3月8日(火)

 

ハーグ・レジデンティ管 ほか
「ハーグ・レジデンティ管の100年」(オーケストラ自主製作)
先だって、ふとレジデンティ管のWebshopを覗いたら、見慣れないCDが出ている。
標記タイトルのもと、
ブラームス;交響曲第2番
(指揮;ヤープ・ファン・ツヴェーデン、2004年2月1日)
チャイコフスキー;交響曲第3番
(指揮;エフゲニー・スヴェトラーノフ、1999年1月31日)
ショスタコーヴィッチ;交響曲第13番「バビ・ヤール」
(指揮;ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、1998年11月8日)
が収録されているという。
スヴェトラーノフならばと、早速はやしさん掲示板で報告したところ、新発見音源ということなので、オーダーしたもの。
18ユーロという値段からCD1枚に各抜粋が収められているのかと思ったら、これが3枚組。送料含めても3,000円強だったので、お買い得といえよう。
残念ながらブックレットはあまり充実した内容ではないが、CDのレーベル面は各指揮者・作曲者のカラー画像がプリントされている丁寧な造り。
マーク・ウィグルワース(指揮) BBC響 ほか
ブリテン;シンフォニア・ダ・レクイエム ほか(BBC music magazine)
蒐集している曲の一つ、ブリテン作品の未架蔵盤(BBC music magazine の附録CD)がeBayに出ていたので落札したもの。
1991年8月8日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。
チャイコフスキー;交響曲第6番「悲愴」
(アンドルー・デイヴィス(指揮) BBC響、1991年4月7日)
をカプリング。

3月7日(月)

『FINLANDIA 日本シベリウス協会20周年記念特別号』(日本シベリウス協会)
日本シベリウス協会に加入していることから、標記冊子が送付されてきた。
内容は同協会のWebpageにあるとおりだが、とにかく附録のCD-ROMに過去20年間の出版物すべてがpdfファイルで収録されているのが貴重。
現在の協会は舘野泉氏が会長だが、発足当初は渡邉暁雄氏が会長、大束省三氏が事務局長だったのだから凄い。
会報等への執筆陣も、大束氏のほか横溝亮一菅野浩和等、錚々たる顔ぶれ。
昨年、事務を委託していた日本学会事務センターが破綻するなど多難な運営を強いられる中、よくぞこれだけのものをお作りいただいたと感激している。
一般にも販売されており(売価1,700円)、上記Webpageをご参考の上、是非お申し込みを。

 

レイフ・セーゲルスタム(指揮) ヘルシンキ・フィル ほか
シベリウス;交響曲第4番 ほか(Ondine)
ずっと良い成果を上げている、Ondineレーベルへのセーゲルスタムのシベリウス。
再録音となる交響曲全集の完結盤がリリースされた旨、at the end of the dayでbahrさんが情報を掲載してくださり、さっそく公式Webpageにオーダーしたもの。
例によって6日ほどで到着。送料を含めて2,800円程度なので、Webで購入するメリット感強し。
交響詩「ポヒョラの娘」・「フィンランディア」をカプリング。後者は合唱入り。
交響曲と「フィンランディア」が2003年12月、「ポヒョラ〜」は2004年1月、ヘルシンキのフィンランディア・ホールで録音されたもの。
アルトゥール・ルービンシュタイン(P) アルフレッド・ウォーレンスタイン(指揮) ロサンジェルス・フィル ほか
シマノフスキ;交響曲第4番 ほか(BMG)
シマノフスキの代表作、交響曲第4番(協奏交響曲)を献呈されたのは、ほかならぬルービンシュタイン。
彼のこの曲唯一の録音で、もちろんCDでは架蔵しているが、先年 "The Rubinstein Collection"でリマスタリングされたので、ぜひよりよい音で聴きたいと思っていたもの。
1952年12月収録のモノラルなので限界もあるが、旧盤よりは音の解像度が上がっている。
リスト;P協第1番
(アンタル・ドラティ(指揮) ダラス響、1947年2月)
ファリャ;「スペインの庭の夜」
(エンリケ・ホルダ(指揮) サンフランシスコ響、1957年3月)
をカプリング。
某オークションにて落札。
といぼっくす
「あのころ・・・」(BMG)
CLASSICAでレコメンドを読んで以来、ずっと気になっていたアルバム。世代的には斉諧生より少し下の人々のノスタルジーなのかもしれないが…。
国内盤レギュラープライスに気後れしてずっと買いそびれていたのだが、某オークションに安価で出ていたので落札し、ようやく入手。
さっき飯尾さんの記事を検索して気づいたのだが、もう4年以上前のことだったのだ。我ながら辛気くさいというかしつこいというか…(汗)。
2000年8〜9月、山梨県のスタジオで録音されたもの。

3月6日(日)

 

ヴィレム・ファン・オッテルロー(指揮) ハーグ・レジデンティ管
ブルックナー;交響曲第4番(抜粋)(蘭Philips、LP)
このところ蒐集しているオッテルロー、ブルックナーがeBayに出品されていたので落札。
10インチ盤というので、2枚組が届くものと思っていたら、来たのは1枚、A面に第1楽章、B面に第4楽章の後半が入っているものだけ。
慌てて商品のページを見てみたら、ちゃんと書いてあった(汗)。
ディスコグラフィによれば1953年5月録音とのこと。ウィーン響との第7番もあるという。
ジェイムズ・トッコ(P) カジミシュ・コルト(指揮) 南西ドイツ放送響 ほか
ガーシュウィン;P協 ほか(独SWF、LP)
コルトのガーシュウィンに興味津々、eBayで落札してみたもの。
チャイコフスキー;幻想序曲「ロメオとジュリエット」をカプリングしている。
録音データ不詳。

3月5日(土)

 

カール・シューリヒト(指揮) シュトゥットガルト放送響
ハイドン;交響曲第95・100番 ほか(hänssler)
休日ながら本業関係で東京へ。用務先が多摩の奥の方だったので、帰りに音盤屋に立ち寄る時間がほとんど取れず、新宿駅そばの音盤店で慌ただしく買物。
金曜時点で京都の店には並んでいなかった、hänsslerのシューリヒト・エディション第3弾から。
もう2種あったが、それはおいおい地元で買うとして、一番聴きたいハイドンだけを購入。
交響曲第95番(1955年4月5日)
交響曲第100番(1958年4月8日)
Vc協第2番(独奏エンリコ・マイナルディ、1950年11月5日)
いずれも正規音源としては初出、音質は良好。
ヴィレム・ファン・オッテルロー(指揮) ハーグ・レジデンティ管
ビゼー;組曲「アルルの女」 & グリーグ;組曲「ペール・ギュント」(Philips)
このところ蒐集しているオッテルロー、"The Dutch Masters"シリーズのCDがまだ店頭にあったので購入。
録音は、ビゼーが1959年6月(ステレオ)、グリーグが1950年12月(モノラル)。
アテフ・ハリム(Vn) パスカル・ジロー(P)
ブラームス;Vnソナタ全集(Roving Spirits)
たしかビクターからリサイタル盤が出ていたが、聴いたことのないヴァイオリニスト。国内盤だが京都・大阪では見かけたことがないように思う。
帯に長谷川武久氏の「ブラームス自身が聴いたら、感動の涙を流すのではないか」との言葉が掲載されており、氏がそこまでいうからには聴く価値があろうと購入してみた。
ハリムはエジプト系のフランス人、シェリングの内弟子として4年間研鑽を積んだという。
2004年8月、フランスでの録音。レーベルの公式Webpageがあり、通販でも買えるようだ。
カイ・グルースティーン(Vn) カトリーヌ・オルドロヌー(P)
フランク;Vnソナタ & グリーグ;Vnソナタ第3番 ほか(AVIE)
『レコード芸術』昨年10月号の輸入盤情報に掲載されていたCDで、何よりジャケット・デザインに目を奪われた1枚。
白地にオブジェの鮮烈なシェイプが際だち、非常に気になっていた。
いずれ通販でと思いつつ買いそびれていたところ、今日の店頭にあり、実見するといよいよ心惹かれてレジへ持参したもの。
ソリストはカナダ生れ、カミラ・ヴィックスに師事し、ヨーロッパへ移って活動。現在はバルセロナに住み当地のリセウ歌劇場のオーケストラのコンサートマスターを務めているとのこと。
標記2曲以外にドヴォルザーク;ソナチネを収める。
2003年6月、スコットランドでの録音。
ジャケットのオブジェは、ユーゴスラヴィア出身のマルコ・クラトーヴィルというアーティストの作品で、フランクの録音に立ち会って想を得たものという。
カトリーン・ショルツ(Vn) ゲラルド・ファウトゥ(P)
「珠玉のヴァイオリン名曲集」(Victor)
なんとも下手なアルバム・タイトルだが、ブラームス;Vnソナタ全集と同時に発売されたショルツのデビュー盤。
マスネ;タイスの瞑想曲サラサーテ;「ツィゴイネルワイゼン」・「カルメン幻想曲」等、全8曲を収める。
1994年7月、プラハでのスタジオ録音。
先だってのベートーヴェン;Vn協の実演であらためて彼女のVnに感心、曲目的に惹かれるものがなかったので買わずにいた当盤も、某オークションで見つけたのを機に落札したもの。

3月4日(金)

 

ミシャ・マイスキー(Vc) マイケル・ティルソン・トーマス(指揮) ロンドン響
ショスタコーヴィッチ;Vc協第1・2番(DGG)
バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べ以来、マイスキーに対する斉諧生の評価は「ヨーヨー・マと並ぶ、世界二大チェリスト」という世評とは少し違うのだが、当盤を未架蔵のままにしていたとは、我ながら驚いた(汗)。
某オークションに出品されており、工藤さんの評
第1番;「マイスキー独特のなよなよとした歌い方がうまくハマっている。鋭い切味を期待する向きには薦められないが、一つの方向として十分価値を持っている。
と好意的なので、落札したもの。
1993年8月、ロンドン、アビー・ロード・スタジオでの録音。

3月3日(木)

そろそろと思っていたが、ちょっと気を付けるのを怠っているうちに、トップページのアクセスカウンターが70万件を超えていた。
日々の御愛読、心から感謝申し上げます。
まことに申し訳ないのですが、記念企画などは当分、手を着けられそうにありませんので、お許しください。
<(_ _)>

 

バリー・ワーズワース(指揮) ロイヤル・フィル
ベートーヴェン;交響曲第1・7番(TRING)
もう10年ほど前になるのだろうか、この "The Royal Philharmonic Collection" が大型輸入盤取扱店に並んだ時の衝撃は忘れられない。
高価稀少なものと思いこんでいた海外オーケストラの自主製作盤が、廉価大量に並んでいるのである。
斉諧生が記憶しているのは、新宿南口のHMV(高島屋タイムズスクエア)の店先だが、たしか京都の店では取り扱っておらず、東京出張の折りに買い込んだものであった。
その後は駅売りCDに身をやつしたりしているが(^^;、買い損ねていたものを某オークションにて発売時の形で入手することができた。
ワーズワースはArgoレーベルに素晴らしいRVWの管弦楽曲集があり、ずっと気になっている指揮者。
このシリーズには同じ作曲家の第4交響曲ほかの1枚もあった。
1994年7月の録音。
アレクサンダー・ギブソン(指揮) ロイヤル・フィル
ベルリオーズ;序曲集(TRING)
上記ベートーヴェン同様、某オークションで落札した "The Royal Philharmonic Collection" の1枚。
Web上にギブソンのファン・サイトがあり(今は無くなってしまったのだろうか)、そこで推薦されていたのが当盤。
この名匠の録音中、最も覇気精彩に富んだ演奏の一つという趣旨の評だったと記憶している。
ずっと捜していたので、ようやく入手でき、たいへん嬉しい。
「ベンヴェヌート・チェッリーニ」「宗教裁判官」「海賊」「ベアトリスとベネディクト」「ウェイヴァリー」「リア王」の6曲を収める。
1996年の録音。
ジェラール・プーレ(Vn) クリストフ・ヘンケル(Vc) エリーサベト・ヴェステンホルツ(P)
チャイコフスキー;P三重奏曲 ほか(CBS)
京都で開催されるフランス音楽アカデミーで、毎年のように名演を聴かせてくれるプーレの音盤は蒐集しているところ。
某オークションで、存在すら気づいていなかった「偉大な芸術家の思い出」ベートーヴェン;「カカドゥ変奏曲」をカプリングしたCDが出品されていたので、驚喜して落札。
1988年12月、西ドイツ(当時)で録音されたもの。
なお、今年のフランス音楽アカデミーには来日しないようで(Vnはレジス・パスキエ森悠子のみ)、残念。

3月2日(水)

 

ズビン・メータ(指揮) バイエルン国立管 ほか
マーラー;交響曲第3番(FARAO)
LP時代、メータのマーラーはロス・フィルとの当曲やウィーン・フィルとの「復活」が決定盤の一つに挙げられるのが常だった。
現在の手兵、バイエルン国立歌劇場のオーケストラとのライヴ録音が出たというので、好きな曲だけに気になっていたのだが、店頭価格が少し高く、手を出しかねていた。
偶々今日立ち寄った店ではレギュラー盤1枚分程度の安価だったので購入に踏み切ったもの。
2004年9月16日、ウィーン楽友協会大ホールでのライヴ録音。
長い楽章には細かくトラックが打ってあったり、ブックレットにはオーケストラのスナップ写真が多数掲載されていたり、丁寧な造りには好感が持てる。

平成16年8月15日(日): 「提琴列伝」に和波孝禧を掲載。
平成16年1月4日(日): 「作曲世家」にルクー・ディスコグラフィを追加。
平成15年8月24日(日): 倭匠列伝指揮者・宇野功芳を掲載。
平成15年8月24日(日): 50万件アクセスを記念して、ページデザインを全面改訂。
平成15年5月24日(日): 「逸匠列伝」にユッシ・ヤラスを掲載。
平成14年10月14日(祝): 「名匠列伝」にハンス・シュミット・イッセルシュテットを掲載。
平成14年5月25日(土):黄金週間中のウィーン旅行の顛末を「維納旅行記」として公開。
平成13年2月3日(土):ドメイン"www.seikaisei.com"を取得しサーバーを移転。「音盤狂日録」の過去ログを「音盤狂昔録」として公開。
平成12年9月10日(日):「提琴列伝」に、ミクローシュ・ペレーニを掲載。
平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。
平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。
平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。
平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。
平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。
平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。
平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。
平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。
平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。
平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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