音盤狂日録


このほど、当「斉諧生音盤志」は公開3周年を迎えました。
先日の100,000アクセス到達同様、ひとえに皆様日頃の御愛顧の賜であります。
十万件記念兼三周年記念企画を準備中でございますが、
まだまだ本業多忙を極め、今暫くの御猶予をお願い申し上げます。
併せて、幾久しく御愛顧を頂戴できますよう、
恐々謹言、乞い願い上げ奉ります。  <m(_ _)m>
平成12年8月8日
斉諧生   

8月31日(木): 

 Parnassus RecordsからLPが届いた。

ユッシ・ヤラス(指揮)ベルリンRIAS響、シベリウス;交響曲第5番(米Remington、LP)
日本ではほとんど知られていないが、ヤラス(1908年生〜87年没)はシベリウスの女婿、シベリウス・アカデミーの教授やフィンランド国立歌劇場の指揮者を長く務めた。
残されている録音は、管見した範囲ではシベリウスに限られている。1970年代にハンガリー国立管を指揮したLP4枚分の管弦楽曲集は、ある程度CD化された(DECCA)。
斉諧生が彼のシベリウスに注目したのは、米Varese SarabandeからLPで出た交響曲第1番で、冒頭の陰鬱なクラリネット独奏から耳を奪う名演であった。オーケストラはベルリン放送響、録音は1954年1月(モノラル)。
この第5番は、それに先だって録音されたもののようで、オーケストラの名称も前身のRIAS響で表記され、マルCは1953年で表示されている。
彼のシベリウス録音がまだ残っていたとは知らず、カタログで見つけて喜んでオーダーしたもの。

 ネット上の知人から御教示いただいた、アンゲルブレシュトのマーラー録音の情報を、ディスコグラフィに追加。


8月29日(火): 

 Orfeoのザルツブルク音楽祭ライヴ・シリーズをはじめ、見逃せない新譜が多数並んでいた。

シャンドール・ヴェーグ(指揮)カメラータ・アカデミカ、ハイドン;交響曲第39・60番ほか(Orfeo)
ヴェーグ老師の指揮盤は聴き逃せないので購入。
収録曲と録音年月日は、
交響曲第39番(1986年8月19日、フェルゼンライトシューレ)
協奏交響曲(1993年7月25日、モーツァルテウム)
交響曲第60番「うかつ者」(1995年7月23日、モーツァルテウム)
 
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)ウィーン・フィルほか、ベートーヴェン;交響曲第9番「合唱」(Orfeo)
久しぶりに買ったフルトヴェングラーは、1951年8月31日ザルツブルク音楽祭でのライヴ録音。
「バイロイトの第九」の後で大病の前だから時期的にも悪くないし、ウィーン・フィルならばバイロイト祝祭管より技術的には安定していよう。
音質が多少不安だったが、既に買った人によれば悪くないとのことで、購入に踏み切った。
ちょっと聴いてみたが、全強奏では音が歪むものの、ソロは奇麗に入っているしバランスも良好。
 
シャンドール・ヴェーグ(指揮)カメラータ・アカデミカ、バッハ;管弦楽組曲(全曲)(Orfeo)
ヴェーグ老師のバッハ! なんと貴重な遺産!! もちろん買うしかない。
録音は3年にわたっており、第1番(1984年8月20日)と第2番(1983年8月1日)がモーツァルテウム、第3番(1983年8月3日)と第4番(1985年8月19日)がフェルゼンライトシューレでの収録。
なお、第2番の独奏フルートはパミーナ・ブルム、第3番のトランペットはラインホルト・フリートリッヒ(名手!)、クラウス・シューヴェルクベルンハルト・レンビンという名前がクレジットされている。
最後の人の原綴は"Länbin"だが、あるいは"Läubin"の誤りで、ロイビン三兄弟の次兄だろうか。
 
エサ・ペッカ・サロネン(指揮)ロスアンジェルス・フィル、バッハ;管弦楽編曲集(Sony Classical)
先だってのレブエルタスといい、最近のサロネンの録音レパートリーの展開には驚かされるが、今度はバッハの編曲集である。まあ記念年の企画なのだろうが…。
収録されているのは
トッカータとフーガニ短調BWV565(編曲;ストコフスキー)
幻想曲とフーガハ短調BWV537(編曲;エルガー)
6声のリチェルカーレ「音楽の捧げ物」BWV1079より(編曲;ウェーベルン)
前奏曲とフーガ「聖アン」BWV552(編曲;シェーンベルク)
管弦楽組曲第2・3番より(編曲;マーラー)
ともかく、この俊英の音感覚を楽しませてもらおうと購入。
 
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)ヨェーテボリ響、シベリウス;交響詩「エン・サガ」・「タピオラ」ほか(DGG)
ヤルヴィ父とヨェーテボリ響のシベリウスは、BISの交響曲全集以来、聴き逃せない。
第2集まで出て、しばらく途絶えていたDGGでのシベリウス管弦楽曲集の続編がようやくリリースされたので購入。
初期と晩年を代表する標記2曲のほか、交響詩「春の歌」劇音楽「クオレマ」から4曲(「悲しきワルツ」を含む)交響詩「吟遊詩人」を収録。
 
岩崎淑(P)ほか、「ミュージック・イン・スタイル I」(Victor)
ピアニスト岩崎淑が主宰する「ミュージック・イン・スタイル」は、室内楽曲のコンサート・シリーズ(1976年〜)。1981年から毎年、日本人作曲家に新作を委嘱している。
これは、1981〜1988年の委嘱作品の初演の録音を集成したアルバム。
1982年にミクローシュ・ペレーニが参加し、藤田正典;ミクロモーション〜ピアノ・トリオのためのを演奏している(ヴァイオリンは清水高師、1982年12月1日都市センターホール)。
ペレーニの全録音蒐集の一環として購入。発売は昨年4月だったが、そろそろ入手しておかないと先行き危ういかも…と客注した。

8月27日(日): 

 Compact Disc Connectionから荷物が届いた。

モートン・グールド(指揮)ロンドン響、ヒナステラ;バレエ組曲「エスタンシア」ほか(Citadel)
大好きなヒナステラ、彼の代表作「エスタンシア」のディスコグラフィのWebpageがある。→ここを押して
Webmasterからメールを頂戴し、拝見したところ、やはり知らなかった音源がずらっと並んでおり、凄いものである。
その中から興味を惹かれたディスクを2点オーダーした。
まずこれは作曲家・編曲の名手として知られるモートン・グールドの棒。
上記ページによれば、
「演奏はさすがグールド、ノリノリで盛り上げてくれます。この曲の定番中の定番と言える名演です。特にIV曲目のトランペットがすっごいかっこいいです。」
とのこと、大いに期待。
なお、グールドの自作ラテン・アメリカ・シンフォニエッタほか7曲をカプリング。
 
エンリケ・ガルシア・アセンシオ(指揮)スペイン放送響、ヒナステラ;バレエ組曲「エスタンシア」ほか(rtve musica)
スペイン放送響の30周年記念CDシリーズの第2巻。アセンシオは第3代の音楽監督である(ちなみに初代がイーゴリ・マルケヴィッチ)。
上記ページによれば、
「全体的にリズム感が良くて、決めるべきところがバシッと決まっているのでとっても気持ちがいいです。
 でも単なるうまい演奏というのではなく、これに加えて見得を切ったような芝居がかった効果付けが要所要所になされていて、『おおっ、やってくれるじゃん』という感じで絶品。
とのこと、これまた大いに期待。
なお、
チャベス;交響曲第2番
R・ハルフテル;ヴァイオリン協奏曲
ヴィラ・ロボス;ショーロス第10番
をカプリング、なかでもヴィラ・ロボスは「すばらしい名演!」とのこと、これも楽しみ。
 
ジョルジ・パウク(Vn)ロジャー・ヴィニョールス(P) ブラームス;Vnソナタ第1〜3番(OTTAVO)
パウクはハンガリー出身、日本での知名度は低いが、実力歴々たる大ベテラン。フバイやシゲティの流れを汲む、現在では貴重な系譜に連なる人である。
その暖かい音色と誠実な音楽は夙に斉諧生の好むところ、彼のブラームスを発見したので欣喜雀躍、オーダーしたもの。
1990年7月12〜15日、ロッテルダムでの録音。パウクは1936年生まれだから54歳の録音ということになろう。
なお、ピアノのヴィニョールスにも注目したい。さる筋(笑)での情報では、目だたないが素晴らしく上手い人とのこと。
実は、ヴィニョールスのディスクを検索していて見つけたCD。
 
今井信子(Va)ロジャー・ヴィニョールス(P) シューベルト;アルペジオーネ・ソナタほか(CHANDOS)
これもヴィニョールスから捜した盤。
今井さんにはCHANDOSに録音していた時期があり、そのときのパートナーが彼だった。数枚のCDがあるが、その中から好きなアルペジオーネを選んでオーダーした。
1989年7月の録音、ベートーヴェン;ノットゥルノop.42をフィルアップ。

 昨日届いた音盤の情報を、ステーンハンマル 作品表とディスコグラフィに追加。


8月26日(土): 

 今日はステーンハンマルの豊作の日。
 まず、ドイツのオンライン・ショップMMZ(Mainzer Musikalienzentrum)で購入した楽譜が届いた。
 すなわち、

ステーンハンマル;ピアノのための幻想曲op.11(Wilhelm Hansen)
ステーンハンマル;5つのピアノ小品「晩夏の夜」op.33(Wilhelm Hansen)
ステーンハンマル;交響曲第2番op.34(Carl Gehrmans)
シマノフスキ;Vn協第2番op.61(Max Eschig)

 シマノフスキは案に相違してピアノ・リダクション版だったが(これはデータベースの不親切)、ステーンハンマルは指揮者用の総譜、これは嬉しい。(^^)
 Faxでオーダーしたのが6月21日、出荷は8月8日だったようだ。
 なお、このサイトについては、「楽しい連弾の部屋」で情報を得た。利用方法についても詳しく紹介されている。→ここを押して  
 また、更に通販業者からLPが届いた。Ars Antiquaと言うサイトで、今回初めて利用する。
 オーダーのメールにはAir Mailで…と書いたのに、船便で処理されたため、少し時間がかかったが、貴重なものがたくさん手に入ったので御機嫌である。(^^)

シクステン・エケルベルイ(指揮)ヨェーテボリ響、ステーンハンマル;交響曲第2番ほか(瑞Radiotjänst、SP)
ついにSPを買ってしまった!
いくぶん逡巡する気持ちがなかったわけではないのだが(笑)、ステーンハンマルは全録音蒐集が悲願、これを見逃すわけにはいかない。
SP6枚、11面に交響曲が、最終面には劇音楽「ロドレッシは歌う」から「エレジー」が収録されている。
おそらく、同曲の世界初録音だろう。入手したものは盤だけでアルバムがなく、データは記載されていなかったが、ヨェーテボリ響のディスコグラフィ(BIS LP301〜03付属)によれば、1947年12月17日録音とされている。
エケルベルイは未知の人、少しWWWで検索してみても、1901年生れ・1991年没の作曲家・指揮者であったことがわかった程度。→ここを押して
上記ディスコグラフィによれば、1945年にP協第2番の録音も行っており、これまた探求盤リスト入りである。
さて、問題は、どうやって音楽を聴くか。斉諧生宅には、SPの再生装置がないのである。(爆)
 
シンデルQ、ステーンハンマル;弦楽四重奏曲第2番ほか(瑞Sveriges Radio、LP)
音源の存在は知っていたが、特殊なレーベルゆえ、入手はほとんど諦めていたもの。随喜の涙である。
リードホルム;弦楽のための音楽をカプリング。1967年10月29日の録音。
 
シンデルQ、ステーンハンマル;弦楽四重奏曲第5番ほか(瑞Sveriges Radio、LP)
これまた音源の存在は知っていたが、特殊なレーベルゆえ、入手は絶望視していたもの。
しかもスウェーデンの至宝エーリク・エーリクソン(指揮)スウェーデン放送合唱団による3つの無伴奏合唱曲をカプリング! これは未知の音源、狂喜乱舞である。
さらにヒルダ・ヴァルデランド(P) 「晩夏の夜」が収められている。これはCD化済み。
 
ヘルゲ・ブリリオート(Ten)リリアン・カールソン(P) ラングストレム;「エーリク王の歌」ほか(瑞EMI、LP)
これもステーンハンマル全録音蒐集プロジェクトの一環。。
LP2枚組に標記ラングストレムの他、ショーグレンシューマンシューベルトと、
ステーンハンマル;ヴェルナー・フォン・ヘイデンスタムによる4つの詩op.37の全曲、
5つの歌(遺作)から、第1曲「メロディ」・第2曲「銀河の下に」
を歌っている。
 
アルト・ノラス(Vc)シルヴィア・ケルセンバウム(P) ショパン;Vcソナタほか(仏EMI、LP)
思いがけず、ノラス師匠の未知の音源を発見、即オーダーしたもの。
LP2枚組で、同じ作曲家のPソナタ第1〜3番ほかを3面に、最終面に標記の曲を収めている。
1977年6〜7月、パリでの録音。
これのみ国内の業者から購入。

8月25日(金): 

 終業後、大阪遠征を敢行。目標は、阪神百貨店での中古レコード・CDセール。その後、タワーレコードで新譜を購入。

マリス・ヤンソンス(指揮)オスロ・フィル、ブラームス;交響曲第4番ほか(SIMAX)
このコンビのブラームスは、前に第2・3番が出ており、特にオーケストラの感じきった演奏が印象深かった。
新録音の第4番が出ているというので早速購入。1999年1月14・15日、オスロ・コンサートホールでのライヴ録音。
盟友ヨアヒム序曲「ヘンリー4世」をフィルアップ。
 
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)ディミトリ・ミトロプーロス(指揮)ウィーン・フィル、ベートーヴェン;交響曲第2番&ブラームス;Vn協(Orfeo)
かつてミトロプーロスの名は、ニューヨーク・フィルの後任バーンスタインの陰に隠れて目だたなかったが、近年、このレーベルをはじめとしてライヴ録音が次々と発掘され、再評価が進みつつある。
彼はウィーン・フィルから格別に敬愛され、ニコライ記念メダルを授与されたほど。
彼らの共演はぜひ聴いてみたく、購入。両曲とも1958年8月26日のライヴ録音。
なお、ベートーヴェン;交響曲第2番については、次のエピソードが有名。(オットー・シュトラッサー『栄光のウィーン・フィル』音楽之友社より)
「(ミトロプーロスは)第2楽章の弦楽器のテーマを「ルバート」で弾くよう命じた。私たちがそれに反対したところ、彼は言ってのけた。
『オーケストラマンは元来娼婦でなくてはならない。他の人が金銭でその人に要求することをしなくてはいけないのだ。』」
 
ロベール・カサドシュス(P)ディミトリ・ミトロプーロス&カール・シューリヒト(指揮)ウィーン・フィル、モーツァルト;P協第24・27番(Orfeo)
シューリヒトが振るK.595! これを聴かずして…!! 
K.491は1956年8月19日、K.595は1961年8月23日のライヴ録音。
 
塩川悠子(Vn)マリア・ジョアオ・ピリス(P)シューベルト;幻想曲&プロコフィエフ;Vnソナタ第1番(日グラモフォン、LP)
最近、夫君アンドラーシュ・シフとシューベルトを録音した塩川さんのデビュー間もない頃の録音を発見、吃驚して購入。
1970年4月、ベルリンのイエス・キリスト教会で録音。日本での製作ではないところが注目される。
しかもピアノがピリスとは! ライナーノートによると、この時期、ずっとデュオを組んでいたらしい。
 
エミール・テルマーニ(Vn)ヴィクトー・ショアラー(P) ニルセン;Vnソナタ第1・2番(丁ODEON、LP)
テルマーニは作曲家の女婿、それかあらぬかニルセンに名演を聴かせることで知られている。
かねて存在は知っていたが入手難をかこっていたVnソナタ集を発見、安くはなかったが貴重盤ゆえ購入。
 
岩崎洸(Vc)スタファン・フェーヤ(P) グリーグ;Vcソナタ&ラフマニノフ;Vcソナタ(日東芝EMI、LP)
日本人演奏家による、この2曲の演奏(組み合わせ)は珍しい。興味を惹かれて購入。
ピアノがステーンハンマル作品の録音もあるフェーヤなので、なおさら興味津々。
録音は1975年10月23〜26日(石橋メモリアル・ホール)だから、ジャケットの岩崎氏の若いこと…!
なお、ピアニストの名前はLPでは「シェーヤ」と表記されている。
 
ロニー・ロゴフ(Vn) バッハ;無伴奏Vnパルティータ第1・2番ほか(日CBSソニー、LP)
このLPが新譜として発売されたことは記憶にある(1981年3月発売)。
帯の宣伝文句は「シゲティの再来、チェリビダッケの秘蔵子、幻の大ヴァイオリニスト」というもの。
チェリビダッケは、ロゴフを最初の来日(1977年10月、読売日響)に帯同してベルク;Vn協を演奏しており、またライナーノートによれば、「楽譜の背後にある意味を読みとって、それに息吹きをふきこめる極めて稀れな一人」という讃辞を呈している。
そのわりに、その後ちっとも名前を聞かないし録音も見かけないのだが、一体どんなヴァイオリニストだったのか、興味を起こして購入したもの。
シュトックハウゼン;ゾディアック(十二星座)より前半の6曲をカプリング。
LP2枚組の1枚目にバッハ;第1番とシュトックハウゼン、2枚目にバッハ;第2番、しかもシャコンヌで片面を埋めるという贅沢な作りである。
1980年9月、入間市民会館での録音。

8月21日(月): 

 

大野和士(指揮)バーデン州立歌劇場管、R・シュトラウス;ツァラトゥストラはかく語りきほか(ANTES)
注目の指揮者、大野和士の新譜が並んでいたので購入。斉諧生はまだ実演を聴いたことがないが、首都圏在住の知人には彼を高く評価する人が多い。
これは1998年12月1・2日、カールスルーエでのライヴ録音で、リーム;「マルシアス」をカプリング。
「マルシアス Marsyas」は、小アジア・シリアでは水中に棲む悪魔、ギリシャ神話ではサテュロスとなり縦笛の名手とされる。
ここでは独奏トランペット(名手ラインホルト・フリートリッヒが吹いている)が、それをあらわすという。

8月19日(土): 

 

クリスチャン・テツラフ(Vn)リボル・ペシェク(指揮)フィルハーモニア管、ヤナーチェク;Vn協ほか(Virgin)
御贔屓のヴァイオリニスト、テツラフの未架蔵盤を中古音盤屋で発見したので購入。これはずっと気がついていなかった音源。
曲も珍しく、ヤナーチェク晩年の未完の作品が1988年に補作・完成されたもの。たしかスークの録音もあったはず。
音楽的な連関が指摘されている同時期の作品で、遺作となったオペラ「死者の家から」序曲も収録されている。
有名なシンフォニエッタ組曲「タラス・ブーリバ」をカプリング。
 
シュトロスQ、オズワルト・ウール(Vc) シューベルト;弦楽五重奏曲&レーガー;弦楽四重奏曲第5番(sound-star-ton)
ウィルヘルム・シュトロス(1907〜1966)は、ブッシュらと並んで、ヨアヒム直系の、ドイツの伝統的ヴァイオリン奏法を身につけた奏者。知る人ぞ知る名人・名教授で、塩川悠子さんも弟子の一人だそうだ。
実は斉諧生もつい先日まで知らなかったのだが、WWW上でその名前を教えられ、さる愛好家の方が個人的に輸入されたCD2枚組を頒けていただいた次第。
シューベルトは1964年6月の放送用録音(ステレオ)で、1976年に没後10年を記念してLPに、ついで1995年にCDに復刻されたもの。
レーガーも放送用録音(モノラル)で、1965年5月3日の収録。
特にシューベルトが
「作曲家への深い共感が、演奏の形として理想的に結実している」
「一切の虚飾を排除した、しかし決して表現力や説得力を失うことのない、奇跡的な名演」
とのこと、好きな曲であり、大いに期待したい。
 
ザ・フィッシャー・デュオ、ドビュッシー;Vcソナタ&プーランク;Vcソナタほか(Northeastern)
中古音盤屋でナディア・ブーランジェ;3つの小品を収めたCDを発見したので吃驚して購入。この曲を店頭で見たのは初めて。
フィッシャー・デュオはノーマン・フィッシャー(Vc)とジャンヌ・フィッシャー(P)の2人で、現在、アメリカ・オハイオのオバーリン音楽院で教職にあるとのこと。
その他、
オーリック;イマジネーII(1969年)
ラヴェル;ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ(ノーマン・フィッシャー編)
メシアン;イエスの永遠性に寄せる讃歌
を収める。
 
ミハイル・カザケヴィッチ(P) シューベルト;Pソナタ第21番ほか(Conifer)
 
リスト・ラウリアーラ(P) シューベルト;Pソナタ第21番ほか(ALBA)
今日立ち寄った中古音盤屋には、なぜかD.960のソナタの異演盤がずらりと並んでいる。全部を買うわけにもいかず(苦笑)、ピアノ音楽に詳しい知人からアドバイスしてもらった2枚を購入。
 
カザケヴィッチはロシア出身、1991年、32歳のときドルトムントの国際シューベルト・コンクールで初めて西側に姿を現し、たちどころにオーケストラとの共演やConiferレーベルとの契約をかち取ったという。
シューベルト;Pソナタ第13番D.664をカプリング。
 
ラウリアーラは1949年生まれ、フィンランド・ヘルシンキのシベリウス・アカデミーの出身。
シューベルト;3つの小品D.946をカプリング。

8月17日(木): 

 

ジョン・バルビローリ(指揮)ハレ管、シベリウス;交響曲第1・2・5・7番ほか(DUTTON)
バルビローリのシベリウス録音のうち、HMVのモノラル音源・PYEのステレオ音源を集成した2枚組。内容は、
交響曲第1番(PYE、1957年12月30〜31日)
交響曲第2番(HMV、1952年12月18〜19日)
交響曲第5番(PYE、1957年5月28日)
交響曲第7番(HMV、1949年3月3・5日)
「トゥオネラの白鳥」(HMV、1955年1月12日)
というもの。
一部は既にCD化されたことがあるが、「オリジナルマスターからのデジタル・リマスター」と銘打つ、定評あるDUTTONの復刻技術に期待して購入。
第2番と「トゥオネラの白鳥」は、かつて国内盤でも発売され(東芝EMI)、『レコード芸術』誌で宇野功芳師が絶讃した。
部分的に聴き比べてみたところ、ほの暗い感じはあるが、DUTTON盤が上回る。
しかも2枚組でバジェット1枚分の値段とあってはお買い得この上ない。
 
ジュリアードQ、バーナード・グリーンハウス(Vc) シューベルト;弦楽五重奏曲(CBS)
大好きなシューベルトの五重奏の未架蔵盤が、ワゴンセールで出ていた。
もちろん前から知っていたCDだが、アメリカの団体のシューベルトというので少し食指が動きかね、手を出さずにきたもの。
ジュリアードQについては、先だってバルトークを聴いて大いに感心したこともあって、購入に踏み切った。
もっともバルトークは1963年、こちらは1986年録音で、メンバーもロバート・マン(第1Vn)以外はすっかり入れ替わっているのだが。

8月15日(火): 1日だけ盆の休みを取らせてもらった。

 最近買ったブルックナー;交響曲第8番の聴き比べ。
 そういえば、この曲を中古音盤堂奥座敷で取り上げて聴き比べていたのも、去年の夏だった。
 その際、ブルックナーの名演奏の条件を次の6点にまとめたので、再掲する。

1. 合奏体としての音程がよいこと(和音がきれいなこと)。
 
2. オーケストラの響きを殺さないこと。特に金管やティンパニを抑えないこと。
 
3. テンポの緩急を心得ていること。「緩」は「緩めるところでは緩めること」をいい、「急」は「決して急がないこと」を意味する。
 
. ちょっとした対位法や装飾句、強弱の指定を大事に演奏すること。
 
. リズムが重くなく、音楽の流れが停滞しないこと。
 
. ブルックナーへの思い入れがあること。

 以下、この条件に照らしながら。掲載は録音年順。

ロリン・マゼール(指揮)ベルリン・フィル、ブルックナー;交響曲第8番(EMI)
1989年6月、ベルリン・フィルハーモニーでの録音。ノヴァーク版。
もちろん、さすがベルリン・フィルで、上記の条件は満たしている。管楽器のソロは抜群に巧く、金管群の吹奏やティンパニの強打の威力は猛烈フィナーレ冒頭(16小節)など、ドンナーの雷(いかずち)の如し。
ただ、どこか響きが浅く、カロリーがない。ずっしり詰まった感じがしないのである。指揮者のバランスの問題か、あるいは音が遠いというEMIの録音の問題か。
全曲を一貫して、この違和感があり、どうにも気持ちが乗り切れなかった。
一方、は悪くない。マゼールのブルックナーというと、アッチェランドし放題という印象が生じるかもしれないが、それは全くない。
も、まあまあ。スケルツォのトリオ終結で5番ホルンを強調するのは面白いのを通り越しているかもしれないが。
は、やや疑問。やや重さ・もたれ感があった。
最大の問題は、
ちょっとしたラレンタンドなど、「それ」らしい要素もないわけではないのだが、何か形だけのような…。どうにも共感しきれなかった。
もっとも具体的に指摘できる場面は少ないのだが、例えばスケルツォ主部のクライマックス、ティンパニがリズムを叩く上で金管がfffで吹き上げる部分(49小節〜、183小節)。
本来なら思わず快哉を叫びたくなる部分だが、直前2小節の下降音型に、だらっとしたデクレッシェンドがかかり、何とも力が抜ける。まったく緊張感がないのである。
ブルックナーよりもベルリン・フィルを鑑賞すべきCDかもしれない。
 
ピエール・ブーレーズ(指揮)ウィーン・フィル、ブルックナー;交響曲第8番(DGG)
1996年9月、聖フロリアン修道院でのライヴ録音。ハース版。
天下のシカゴ響でも、ブーレーズにかかるとアンサンブルや音程の不具合が「垢擦り」のごとくボロボロ出てくる…という話を読んだのは、たしかクラシック招き猫への投稿だったか。
ここでも同じような「垢擦り」が行われたのだろう、については実に素晴らしい達成。最近のマーラー録音からある程度想像はしていたが、やはり見事なものである。
そのマーラーで聴かせた「スコアの透かし彫り」技法(笑)、もちろん音楽の書き方が違うからあれほどの効果はあげないにせよ、ブルックナーでも有効に作用し、上記の条件を満たしてくれる。一般のブルックナー指揮者とは違ったアプローチであろうが、結果オーライ。
も、なかなかよろしい。スケルツォフィナーレでは、ちょっと流れすぎて音楽が軽くなったような感もある。特に前者に野人的な迫力が欠けているのはマイナス。
フィナーレでは、むしろ感興の高まりを聴きとるべきかもしれない。「ライヴで興奮するブーレーズ」というのは、ちょっとイメージ狂ってしまうが。(笑)
条件の中で一番あてはまりそうにないのはだが、アダージョを聴いていると、OKを出したくなる。これは名演だ。
冒頭、コントラバスをアクセントにした弦合奏の響きが美しいこと!
続くヴァイオリンの旋律はG線で演奏するように指定されているが、音程が非常に良いために、きわめて美しく響く。これは後の方でも同様で、まったく小気味よい。
感涙ものだったのは67小節以下のワーグナー・チューバのソロ。もちろん奏者の腕もあろうが、ここでテンポをグッと落として感動的な美しさを演出したのは指揮者の力だ。
このブーレーズらしからぬ(とは勝手な偏見か)情感あふれるテンポの伸縮は随所に見られる。最も素晴らしいのは、177小節から184小節に向けて、どんどん遅くなって行くところ。しっとりと濡れた、ウェットな情趣だ。
248小節で大きくリタルダンドしてタメを作り、シンバルが鳴る楽章のクライマックスを広々と雄大に構築するのも素晴らしい。
終結も、ヴァイオリンの音程の良さ・ゆったりしたテンポが効果的で、誠に美しい。
この楽章に関しては、ことによると、いまCDで聴くことができる最も美しい演奏ではないか。
曲全体を通じて、ウィーン・フィルの美しさは言うまでもなく、なかんずくオーボエの絶佳は特筆したい。
なお、ウィーン・フィルと言えばVolkerの部屋だが、このCDについては1999年10月29日の項にコメントがある。→ここを押して
 
マルティン・ジークハルト(指揮)リンツ・ブルックナー管、ブルックナー;交響曲第8番(DENON)
2000年2月、リンツ・ブルックナーハウスでの録音。ノヴァーク版。
比較しては申し訳ないくらいだが、やはりベルリン・フィル、ウィーン・フィルより力量はずいぶん落ちるようだ。フォルテの響きなど、けっこう雑然としている。条件は65点程度…というとちょっと辛いか。
その他は、悪くはないのだが、特筆したいものもない。
の指揮者の「思い入れ度」には、多少、疑問が残る。ちょっとソフト・フォーカスな感じを受けるからだ。
ブルックナー特有の「場面転換」というか、雰囲気が激変するはずのところで、むしろ、前後に一貫性を持たせようとしているような印象がある。リズムの切れや、フォルテの強度に、多少、なよっとしたところがあるのもマイナス。
また、アダージョ終結の浄福感がイマイチだったり、フィナーレ冒頭の弦の刻みが飛ばし気味だったりティンパニが冴えなかったりするのも、指揮者のブルックナー適性を疑う材料になる。
かねて買っている指揮者だけに残念。もう少し様子を見たい。

8月14日(月): 

 

ロリン・マゼール(指揮)ベルリン・フィル、ブルックナー;交響曲第8番(EMI)
 
クリストフ・フォン・ドホナーニ(指揮)クリーヴランド管、ブルックナー;交響曲第3・8番(DECCA)
ブルックナー;第8の落ち穂拾い。
この作曲家に関しては、長年、宇野功芳師のお薦めばかり聴いてきて、それ以外には見向きもしなかった。この2点もその憂き目を見てきたもの。
もしかしたら斉諧生のツボにはまる演奏かもしれないし、「あれはブルックナーじゃない」と言うにしても現物を聴かねばと、最近ようやく反省して(きわめて当然のことだが…(苦笑))、中古格安盤を見つけたので買ってみた。
マゼールは1枚物の廉価盤が出ているが、これは初発売時の2枚組。
 
イーゴリ・オイストラフ(Vn)ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指揮)ロンドン響、ブラームス;Vn協&チャイコフスキー;Vn協(COLLINS)
あまり見かけない盤を中古屋で見つけたので、ついつい購入。
息子オイストラフは、あまりにも偉大な父の光のもとで、かえって過小評価された不運な人ではなかろうか。しばしば共演したのもマイナス・イメージを加速した感あり。
フリューベック・デ・ブルゴスも、スペイン出身というのが災いして、お国物だけの二流指揮者扱いされているような気がする。
虚心坦懐に彼らの実力を聴いてみたい。
 
イザベル・ファウスト(Vn)ジルケ・アーフェンハウス(P)シューマン;Vnソナタ全集(cpo)
HMFから出たバルトーク;無伴奏Vnソナタ他が良かったファウストの新譜が出たので購入。大好きなシューマンの第2ソナタが含まれているのでなおさら。
珍しいのは、1956年に出版されたものの顧みられなかった第3番が収録されていること。別に偽作の疑いがあるというわけではない。
1853年、シューマンとブラームスディートリヒは、Vnソナタを合作してヨアヒムに献呈した。いわゆるF.A.E.ソナタで、第1楽章はディートリヒ、第2楽章「インテルメッツォ」とフィナーレをシューマン、スケルツォをブラームスが分担した。
更にシューマンは第1楽章とスケルツォを自ら作曲、先の2つの楽章と合わせてヨアヒムに献じた。それが、この「第3番」である。
クララ・シューマンとヨアヒムが演奏したこともあったらしいが、作曲家の死後、Vn協など他の晩年の作品同様、出版を見合わせられることになった。
果たしてどのような曲であろうか、興味あり。
 
「ゲルハルト・タシュナーの芸術 第2巻」(TAHRA)
タシュナーは1922年ポーランド生れのヴァイオリニスト。
フバイとフーベルマンに学び、1941年、19歳でベルリン・フィルのコンサートマスターに招かれたことで有名。1950年以降はベルリン高等音楽院の教授を勤め、1976年に死去した。
前にTAHRAからギーゼキングと共演したフランクブラームス;第3番等を収めたものが出ていたが、第2巻は1953〜56年の放送用録音。
ベートーヴェン;Vnソナタ第3・5番、エディット・ファナルディ(P)(1955年9月7日)
ブラームス;Vnソナタ第1番、マルティン・クラウゼ(P)(1954年11月26日)
ドヴォルザーク;Vnソナチネ、エディット・ファナルディ(P)(1955年6月23日)
ラヴェル;Vnソナタ、エディット・ファナルディ(P)(1956年9月17日)
等を収録。
彼のCDは、前にEMIやArchiphonから協奏曲を中心にしたものがあり、ドイツ風のなかなか良い演奏だったので、今回も購入。
なお、ライナーノートの筆者はタシュナーに学んだヴァイオリニストで、彼を紹介するWebpageを公開している。→ここを押して

8月13日(日): 

 Compact Disc Connectionから荷物が届いた。

ヤーノシュ・フェレンチク(指揮)ハンガリー・フィルほか、ベートーヴェン;交響曲全集(Laser Light)
畏友かとちぇんこKlassischer Platzさんが熱心に紹介しておられるフェレンチクを聴き直したいと思ってきたところ、ベートーヴェン全集が安価(5枚組18ドル!)で提供されていたので、オーダー。
1994年に国内盤で発売されたことがあり(@1,000円)、その際には1978〜81年録音とされていた。
フェレンチクにはハンガリー国立響との全集(HUNGAROTON)もあり、録音データは異なるものの(上記ディスコグラフィでは1969〜76年とされている)、あるいは同一音源かもしれない。
 
アニー・フィッシャー(P)シューベルト;Pソナタ第21番&リスト;Pソナタ(HUNGAROTON)
ピアノ・ソナタは苦手な斉諧生だが、例外的に好きな曲が、この変ロ長調ソナタ。
ネット上の知人から、是非とお薦めをいただいたA・フィッシャー盤をオーダーしたもの。
録音は1968年(リストは1953年)、ミスタッチは多いものの、非常に素晴らしいとのこと、期待高し。
 
ゾルターン・ラーチ(Perc)ペーテル・エトヴェシュ(指揮)ブダペシュトUMZE室内アンサンブルほか、エトヴェシュ;詩篇第151番・「サイ」・「トライアングル」(BIS)
エトヴェシュはアンサンブル・アンテルコンタンポランアンサンブル・モデルンの指揮者として知られるが、その一方、作曲家でもある。
同じハンガリー出身のラーチを中心に据えての自作自演集である。
ラーチは、前にケージの打楽器作品集(HUNGAROTON)を聴いているアマディンダ・パーカッション・グループのメンバー。
で、何故にこれをオーダーしたかというと、マリンバ・フルート・チェロで演奏される「サイ Psy」に、ミクローシュ・ペレーニが参加しているからである。
彼の録音は断簡零墨まで集めるつもり、ここでも演奏時間は約8分(苦笑)。

8月11日(金): 

 

ブライデン・トムソン(指揮)ロンドン響、ヴォーン・ウィリアムズ;交響曲第8番ほか(CHANDOS)
今は亡きイギリスの名指揮者トムソンの遺産、RVW全集を「中古又はバーゲンで」揃えるプロジェクトが、ついに完成した。(^O^)
前回「海の交響曲」第9番を入手したのが一昨年11月だから2年近く前、着手時期は既に記憶にない。
グリーンスリーヴズ幻想曲二重弦楽合奏のためのパルティータほかをカプリング。
 
遠山慶子(P)イェルク・エーヴァルト・デーラー(指揮)ウィーン・フィル楽員ほか、モーツァルト;P協第20・21番(CAMERATA)
遠山さんの高雅なモーツァルトは愛聴してきたところ、久々の新録音を購入。
第20番は、デーラー(指揮)のウィーン・フィル連中、第21番はアントニー・ヴィット(指揮)ポーランド国立放送響による。
特に前者ではヴォルフガング・シュルツ(Fl)、ラルス・ミヒャエル・ストランスキー(Hrn)、ハンス・ペーター・シュー(Trp)ら、Volkerの部屋でお馴染みの名前が並んでいる。
なお、ライナーノートは宇野功芳師が執筆、「久しぶりにすばらしいモーツァルトのコンチェルトを聴いた。」と讃辞を呈しておられる。
 
ピエール・モントゥー(指揮)ローマ歌劇場管ほか、グルック;歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」(全曲)(BMG)
白髭翁モントゥーが遺したオペラ全曲盤は3種しかないが、そのうちの1つ、グルックの世界初のステレオ録音(1957年)。
これまで抜粋の1枚物LPしか架蔵していなかったところ、予期せぬ"LIVING STEREO"シリーズでの全曲復刻、歓喜して購入。
オルフェオ;ライズ・スティーブンス
エウリディーチェ;リーラ・デラ・カーザ
アモール(愛の神);ロバータ・ピーターズ
という女声3人による歌唱。
上記抜粋盤で聴くかぎりステレオ初期の好録音ゆえ、音的にも期待したい。

8月9日(水): 

 一昨日届いた音盤の情報を、ステーンハンマル 作品表とディスコグラフィに追加。


8月8日(火): 

 

クリスチャン・テツラフ(Vn)ラルス・フォークト(P)ほか、「シュパヌンゲン」(EMI)
"Spannungen"はドイツ語で「電圧」の意、副題を「ハイムバッハ発電所での音楽」というアルバム。
この水力発電所の写真がブックレットに掲載されているが、水辺に建てられた美しいアール・ヌーヴォー様式のもので(1904年)、1998年から毎年6月に室内楽の音楽祭が開催されているとのこと。重厚な発電機をバックに演奏する姿も撮されている。
1999年の同音楽祭(6月8〜13日)から、音楽監督のラルス・フォークトを中心にした演奏をCD2枚組に収めたもの。
主な曲目と演奏者は
ドヴォルザーク;P五重奏曲
ラルス・フォークト(P)、クリスチャン・テツラフ(Vn)、キム・カシュカシアン(Va)、ボリス・ペルガメンシコフ(Vc)ほか
ストラヴィンスキー;組曲「兵士の物語」
クリスチャン・テツラフ(Vn)、マイケル・コリンズ(Cl)、ダグ・イェンセン(Fg)、ダニエル・ハーディング(指揮)ほか
シェーンベルク;浄められた夜(六重奏版)
クリスチャン・テツラフ(Vn)、イザベル・ファン・クーレン(Va)ほか
メシアン;世の終わりのための四重奏曲
マイケル・コリンズ(Cl)、イザベル・ファン・クーレン(Vn)、アルバン・ゲルハルト(Vc)、ラルス・フォークト(P)
主としてテツラフのヴァイオリンを目当てに購入したもの。

8月7日(月): 

 帰宅すると、Buywell.comからCDが届いていた。
 これはオーストラリアのサイトで、初めて利用するところ。
 近頃いつもそうなのだが、ユビュ王の食卓さんで知ったもの。この場を借りて感謝申し上げたい。

デイヴィッド・ペレイラ(Vc)バッハ;無伴奏Vc組曲(全曲)(Tall Poppies)
聞き慣れないレーベルだが、オーストラリア地元の会社のようだ。公式Webpageは→ここを押して
このレーベルで数多くのCDを作っているチェリストが目に付いたので、最近の録音(1999年)であるバッハをオーダーしてみた。
ブックレットのバイオに生年等は記されていないが、写真の感じからすると40歳代であろうか、シドニー音楽院とインディアナ大学で学び、オーストラリア室内管シドニー響の首席奏者を務め、現在は教職のかたわら演奏活動を行っているとのこと。
 
モニク・ブリュンネル(Sop)ほか、「メイド・イン・スウェーデン」(MOVE)
ステーンハンマル全録音蒐集プロジェクトの一環として購入。
「手回しオルガンの歌」op.38-4を歌っているのである。
ライナーノートによると、ブリュンネルはヨェーテボリ出身、十代でジャズ歌手として有名になった後、歌の勉強をし直して、ストックホルムやミュンヘンなどでオペレッタ中心に活動。
最近はシドニーのオペラハウスで「こうもり」アデーレ「コジ・ファン・トゥッテ」デスピーナを歌って活躍しているという。
アルバム・タイトルも英語では"Maid in Sweden"、持ち役に因んだ洒落だろう。
 
「先端の音楽」(BMG)
これは、ハズレ。
マルケヴィッチの作品が収録されている…というのでオーダーしたのだが、実際には、架蔵済みのマルケヴィッチ作品集(Largo)からの編集ものだった。
その他、BMG系列の音源からタヴナーグレツキグラスペルトなどを収録。

8月5日(土): 

 ノルディックサウンド広島からCDが届く。

ロナルド・ゾルマン(指揮)スウェーデン室内管、アリアーガ;交響曲ほか(Bluebell)
愛惜佳曲書掲載のアリアーガ作品の未架蔵盤をオーダーしたもの。
「3つの珍しい交響曲ニ長調」と題したCDで、標記のほか、アントニオ・サリエル(18世紀中葉、メキシコ)とヴォジーシェク(1791〜1825、ボヘミア→ウィーン)の作品を収める。
指揮者は1950年ベルギー・アントワープ生まれ、パリでイーゴリ・マルケヴィッチナディア・ブーランジェに学んだとか。
なお、サリエルはベラスコ盤(koch)で、ヴォジーシェクはマッケラス盤(hyperion)で、やはりアリアーガとカプリングされていた。
 
トマス・イェンセン(指揮)デンマーク王立管ほか、「北欧名曲集」(DANACORD)
イェンセンは1898年コペンハーゲン生まれ、オーケストラのチェロ奏者だった若い頃、ニルセンやシベリウスが自作を指揮するのに参加していたとのこと。
ニルセン作品の指揮には定評があり、交響曲第5番のCD(Dutton又はDANACORD)は優れたものだ。
そのイェンセンがSPに録音した北欧作品が復刻されたので購入したもの。主な収録曲は
ニルセン;小組曲、序曲「ヘリオス」ほか
シベリウス;「フィンランディア」、「悲しきワルツ」ほか
ゲーゼ;序曲「オシアンの余韻」
スヴェンセン;ロマンス(Vn;カーロ・アナセン)
詳しくはノルディックサウンド広島のニューズレターNo.20を御参照ください。→ここを押して
 
カミラ・ウィックス(Vn)ヘルベルト・ブルムステット(指揮)オスロ・フィルほか、ブルスタード;Vn協第4番&ウォルトン;Vn協(SIMAX)
モノラル期にシクステン・エールリンクと録音したシベリウス;Vn協で有名なウィックスの放送録音がCD化されたのでオーダー。
ブルスタード(1895〜1978)はノルウェーの作曲家、もとオスロ・フィルでヴィオラ奏者を務めたこともあるとのこと。ウィックスは作曲家と近しく、ヴァイオリン曲の多くを初演し、この曲も作曲に当たっていろいろと相談に乗ったとか。
収録は1968年3月28日、ブルムステット(ブロムシュテット)は、初演(1963年)でも指揮していた(独奏は別な人)。
ウォルトンは1985年9月26日の収録、こちらの指揮はユーリ・シモノフ
 
ヤーコ&ペッカ・クーシスト(Vn)トリオ・トイケアット、「Sisu」(Emarcy)
クーシスト兄弟がジャズ録音に参加したCDがあるというのでオーダーしていたもの。
トリオ・トイケアットは、イーロ・ランタラ(P)、ラミ・エスケリネン(Drums)、エーリク・シーカサーリ(Bass)からなるグループ。
「カラテ」に始まり「スシ」に終わる全12曲のアルバム(別に日本とは関係なさそうだが)のうち、ソロで1曲ずつ、デュオで3曲を演奏している。
中でもペッカ・クーシストがソロで入っているのは、シベリウスの歌曲をアレンジしたものとか。
これも詳しくはノルディックサウンド広島のニューズレターNo.20を御参照ください。→ここを押して

8月1日(火): 

 

グィド・カンテルリ(指揮)NBC響、ハイドン;交響曲第93番&フランク;交響曲&ムソルグスキー;「展覧会の絵」&ヒンデミット;交響曲「画家マティス」(TESTAMENT)
TESTAMENTは、その初期にカンテルリとフィルハーモニア管の録音をリリースしていたが、今回はNBC響とのスタジオ録音。
この人で忘れられないのがモーツァルト;交響曲第29番(EMI)。だから今回はハイドン(1949年3月録音)に期待している。
またヒンデミット(1950年1月録音)は、見たら買うようにしている好きな曲。
もちろんムソルグスキー/ラヴェル(1951年1月・1952年2月録音)にも、オーケストラの名技と勢いのいい音楽を期待したいところ。
フランク(1954年4月、ステレオ録音)以外はRCAレーベルの音源である。
 
ミヒャエル・ギーレン(指揮)南西ドイツ放送響ほか、マーラー;交響曲第2番ほか(haenssler)
ギーレンの新録音、買わざるべからず。
曲が「復活」というのは少々好みから外れるが、この際、問題とするに足りない。1996年6月3〜7日の録音。
フィルアップのシェーンベルク;コル・ニドレ(1995年11月23日、ライヴ録音)も興味深い曲目。
なお、最近よく見かけるユリアーネ・バンゼ(Sop)がマーラーの独唱者に起用されている。
 
ケント・ナガノ(指揮)ベルリン・ドイツ響ほか、マーラー;交響曲第3番(TELDEC)
まだまだマーラーには馴染めていない斉諧生だが、この第3番は好きな曲で、新譜はついつい買ってしまう。
ライヴ録音と謳われているが、録音は1999年9月と11月にわたっている。ベルリン・フィルハーモニーでの収録。
 
ルドルフ・ゼルキン(P)アレクサンダー・シュナイダー(指揮)マールボロ音楽祭管ほか、ベートーヴェン;P協第4番ほか(Sony Classical)
カザルスゆかりのマールボロ音楽祭50周年記念盤(CD2枚組)を購入。
カザルスの演奏は含まれていないが、ゼルキンの第4協奏曲ならばさぞかし…と惹かれたもの。
ブックレット記載のデータによれば、その第4番は、1974年7月7日、カザルス追悼演奏会でのライヴ録音とのこと(死去は前年10月)。
その他、
ルドルフ・ゼルキン(P)ピーター・ゼルキン(指揮)マールボロ音楽祭管ほか、ベートーヴェン;合唱幻想曲(1981年8月9日)
ドヴォルザーク;弦楽五重奏曲第2番ト長調(1976年8月9日)
ヤナーチェク;管楽六重奏曲「青春」(1997年8月16日)
を収録。
ヤナーチェクの演奏者に、ポーラ・ロビソン(Fl)やラドヴァン・ヴラトコヴィッチ(Hrn)の名前が見える。
 
小澤征爾(指揮)サイトウ・キネン管ほか、バッハ;マタイ受難曲(Philips)
マタイは見たら買うことにしているのだが、小澤盤は割高感があって、ずっと買いそびれていた。
今日、ワゴンセールで50%offのものを見つけ、喜んで購入。待った甲斐があった。
1997年9月、松本市での録音。賛否含めていろいろと話題になった公演だったが、もう3年経ったとは!
独唱は、福音史家;ジョン・マーク・エインズリー、イエス;トーマス・クヴァストホフなど。

平成12年1月8日(土): バッハ;無伴奏Vc組曲聴き比べを掲載。

平成11年10月24日(日): ラハティ交響楽団シベリウス・チクルス特集を掲載。

平成11年8月28日(土): 「逸匠列伝」にカール・フォン・ガラグリを掲載。

平成11年5月9日(日): 「作曲世家」にリリー・ブーランジェを追加。

平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」にステーンハンマルを掲載。

平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。

平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。

平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。

平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。

平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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