音盤狂日録


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3月31日(水): 今日のフォルカーの部屋に、日曜日のかぶとやま響演奏会でのストランスキーについて、コメントが掲載されていた。
 それによれば、

冒頭のファンファーレの最後のB♭の音が当たらないという"事故"があって、さすがの彼を以ってしてもそれが多少尾をひいたのか、以後も「らしくない」ミスが散発的に発生したりもしたから、演奏の"精度"という部分では、今一つという結果になってしまった。
(中略)
「本番の結果がすべて」であるプロ奏者の彼と、本番しか聴けなかった一般のお客様には失礼であることを承知で、敢えて言わせていただければ、ステリハの演奏はもっと素晴らしかった。これはほぼ「完璧」な演奏で、あれほど見事なホルン演奏を私は聴いたことがない。音の伸びも技のキレもほんとに素晴らしくて、客席で聴いてて鳥肌が立ったほど。
とのこと。同様の所見は工藤さんからも頂戴しており、本番の演奏は本来の彼とは違った出来だったようだ。
 日曜の当「音盤狂日録」で
ウィンナ・ホルンでは多少のひっくり返りはやむを得ないところだ。
などと書き付けたのは、見当違いもいいところだったわけである。失礼をお詫びしておきたい。m(_ _)m
 

 本年度最後のお買い物。

ポール・パレー(指揮)デトロイト響、シューマン;交響曲全集(Mercury)
パレーのドイツ音楽の復刻を待望してきたが、ようやくシューマンが出た。
第4番はもともとモノラル録音(1953年12月)だし、その次に古い第2番(1955年12月)はオリジナル・テープが使えなかったとのこと、必ずしも満足行くような復刻状態ではないらしい。
「マンフレッド序曲」を収録、オリジナルでは第1番とカプリングだったもの。
パレー&デトロイト響のステレオ録音、あとはベートーヴェン;交響曲第1・2番を早く出してほしいものだ。
 
ベンジャミン・ブリテン(指揮)ロンドン響ほか、マーラー;交響曲第4番ほか(BBC LEGENDS)
BBC LEGENDSの第2弾で未発だったブリテンのものが店頭に並んでいた。ブリテンは指揮者としても優れており、自作はもちろん、バッハ;ブランデンブルグ協モーツァルト;交響曲第25・29番などが名演として記憶される。
マーラーの4番はバルビローリの録音もこのシリーズから出たばかりだが、これは1961年7月6日のライヴ録音。
ブリテンの音楽は多面的だが、後期の室内楽などを考えると、マーラーの音楽に通底するところがあるような気がしないでもない。どのような指揮をしているのか、興味津々である。
ソプラノ独唱はジョーン・カーライルという人。
アンナ・レイノルズ(M-S)による『さすらう若人の歌』(1972年6月19日録音)、エリー・アメリンク(Sop)による『子供の魔法の角笛』からの2曲(1969年6月22日録音)をカプリング、これらはイギリス室内管が演奏。
交響曲はモノラル、歌曲はステレオ録音。
 
ベンジャミン・ブリテン(指揮)イギリス室内管ほか、チャイコフスキー;弦楽セレナード・組曲第4番ほか(BBC LEGENDS)
ブリテンの弦楽合奏指揮というと、自作「シンプル・シンフォニー」を含むイギリス音楽の名盤(DECCA)が思い出される。
セレナード(1968年6月16日録音)に同様の名演を期待したいところだ。
組曲第4番「モーツァルティアーナ」をカプリング。この曲、実はまだ聴いたことがない。(^^;
更に、盟友ロストロポーヴィッチをソロに立てた「ノクチュルヌ」op.19-4、念友ピーター・ピアースが歌う「伝説(楽園のキリスト)」op.54-5をフィルアップ。
セレナードとノクチュルヌはステレオ、組曲と伝説はモノラル録音。
 
スヴィアトスラフ・リヒテル(P)ベンジャミン・ブリテン(指揮)イギリス室内管ほか、モーツァルト;P協第27番ほか(BBC LEGENDS)
ブリテンのモーツァルトというと、カーゾンとの第20・27番の超名盤が忘れられない。リヒテルとの組合せでも名演奏を期待したいところ。1965年6月16日のライヴ録音。
エリー・アメリンクが歌う「エクスルターテ・ユビラーテ」(1969年6月22日録音)、ブリテンがピアノを弾き、イギリス室内管の首席連中が付き合ったP四重奏曲第1番(1971年9月26日録音)をカプリング。
これはすべてステレオ録音。
 
アルフレート・ブレンデル(P)サイモン・ラトル(指揮)ウィーン・フィル、ベートーヴェン;P協全集(Philips)
この春随一の話題盤(?)、ブレンデル3回目の全集。
レヴァイン&シカゴ響との全集は、CD初期に出て、録音の良さはもちろん、第1番の痛快な演奏が大いに賞讃されたものだ。
録音年月は、第1・4番が1997年12月、第5番が1998年2月、第2・3番が1998年12月。
特にWeb的には第2・3番が重要。フォルカー氏が、そのリハーサルから本番までを親しく見聞され、「'98聖地巡礼日記」としてレポートされているのである。
ジャケット等にはライヴ収録かどうか明記されていないが、フォルカー氏のレポートによれば本番の出来は格別であったとか。
 
イツァーク・パールマン(Vn)ローレンス・フォスター(指揮)ジュリアード管、ヴィオッティ;Vn協第22番ほか(EMI)
"Concertos from my Childhood"と題された1枚、ド・ベリオ;「バレエの情景」くらいは名前だけ知っているが、残りの3曲は作曲者名すら聞いたこともない。
ヴィオッティはヴァイオリン・ファン以外には知られていないが、ちょっと哀愁味を帯びた旋律美に溢れる名曲だ。ずっと集めているが、美音家中の美音家、パールマンが弾いてくれたとあらば、ぜひ聴いてみたいもの。
バックはパールマンが学んだジュリアード音楽院の学生オーケストラ。指揮はEMIでのデビュー盤(パガニーニ)で付き合っていたフォスターとの再会という「懐かし」企画。
う〜ん、いよいよパールマンも焼きがまわって、「学生協奏曲」しか弾けなくなったのか…次はマ○○キーあたりがチェロの曲で…などというのは下司の勘繰りか。(^^;;;

3月30日(火): 前に不調の旨を書いていたCDプレイヤーを、ついに修理に出した。
 梱包・発送が面倒なので、ずっと怠っていたのだが、暖かくなると症状が消えたりするので、根治するなら今のうちと、ついに一大決心して、メーカーに電話し、DIYショップで梱包材を買い、宅配便業者に電話して、取りに来てもらった。

 普通は販売店に持ち込むのだろうが、ひとつには斉諧生は車に乗らないので運ぶのに苦労するのと、なによりCDプレイヤーが無い期間をできる限り短縮するため。
 これまでの経験からすると、販売店を通したら月単位の時間がかかるが、メーカーの窓口と直接やり取りすると、たいてい1週間以内に上がってくる。
 今回は大阪まで送るので、もう少しかかるかもしれないが…

 それにしても、返ってくるまでの間、未聴のCDがどんどん溜まっていくんだろうな…。(嘆息)


3月28日(日): 

 西宮市を本拠に活動するアマチュア・オーケストラかぶとやま交響楽団第21回定期演奏会@神戸新聞・松方ホールを聴く。
 このオーケストラには中古音盤堂奥座敷同人、工藤さんが参加しておられ、この演奏会ではコンサートマスターを勤められる。
 前から工藤さんの演奏をぜひ聴いてみたかったのだが、なかなか都合が合わなかったところ、ようやく実現することができた。
 また、今日はウィーン・フィルの第1ホルン奏者、ラルス・ミヒャエル・ストランスキーR・シュトラウス;第1協奏曲の独奏を吹いた上に、ブラームス;第4交響曲を指揮するという、とんでもない企画。なんという楽しみ。
 (客演が実現した経緯については、かぶとやま響のHPに詳しい→ここを押して)
 その上! ネット的超有名人、佐々木@フォルカーの部屋さんがホルン・パートに賛助出演されるということで、いっそう興味が高まる。

今日の曲目は
ベートーヴェン;序曲「レオノーレ」第3番
R・シュトラウス;ホルン協奏曲第1番
ブラームス;交響曲第4番
というもの。
 
「レオノーレ」は、団内指揮者が演奏、この人、なんと左手に指揮棒を持つ。
プロではパーヴォ・ベルグルンドが有名だが、もう一人、ペルッティ・ペッカネンというやはりフィンランドの指揮者を見たことがある。
ホルン・セクションが全員がウィンナ・タイプを使用、これは世界でもウィーン・フィルかぶ響だけと言う(かぶ響発表資料による)。なお、フォルカー氏が2番に座っている。
一方、ファゴットは2人ともフランス式バッソンを使用。
その上、弦楽器の配置が、Vn対向、Vc・Cbが左手に来るムラヴィンスキー・スタイル(クレンペラー・スタイル、かな?)。
こういう拘りはアマチュアの特権だろう。
演奏は実に見事なもので、上手いこと上手いこと!
木管のソロなど玄人はだし、弦も人数こそ少ないが(8-7-4-5-4)合奏力はかなりのものと見た。
指揮者の音楽も熱いもので、終結あたりでは広上淳一を思い出させる指揮振りであった。
 
さて2曲目にストランスキー氏が登場。もちろんウィンナ・ホルンを抱えている。
彼はDGGに同曲を録音しており(指揮はアンドレ・プレヴィン)、斉諧生はこれをベスト盤と考えている。
実演とあって、CDのような鮮烈な音や完璧さは求められないものの、
ホルンの音は斜め後ろに出て行くし(第1Vnの第1プルトが直撃されたはず)、ウィンナ・ホルンでは多少のひっくり返りはやむを得ないところだ。
勢いのいい音楽と、ウィンナ独特の甘美な音色が十二分に楽しめた。
松方ホールは、なかなか良い響きがする。2階のバルコニー席だったが、音的には全く不満はなく、優れたものであった。
 
メインのブラームス;交響曲第4番は、もちろんストランスキー氏が指揮。
彼は指揮台を使わなかった。指揮棒はもちろん右手(^^;
また、フォルカー氏は「1アシ」を勤めておられた。
第1楽章は、やや速めのテンポ、冒頭の音もあまり引き延ばさない。
全体にイン・テンポ、指揮振りも淡々と拍子を振る趣。
とはいえ、全曲を通じて音楽は極めて充実したもの、ぎっしり内容が詰まっている感じだ。
その印象をもたらしたのは、管楽器が元気に鳴っていたことだと思われる。ブラームスは、その方が立体的・色彩的で面白いのではないか。
ただし、ホルン・セクションは残念ながら今一つ(^^;。ウィンナの魅力の一端は察知できたが…。
 
アンコールは無く、代わりに(?)楽屋へ押し掛けた。
第1目標は、もちろん(!)フォルカー氏。同行メンバーはもちろん、ほかにもフォルカーの部屋の愛読者がおられ、サインや握手を求める人が相次いだ。
もちろん、ストランスキー氏にもお目にかかったことは言うまでもない。
(このあたりの模様は→ここを押して)

 演奏会の前にタワーレコード@梅田、演奏会後に新星堂@神戸オーガスタプラザで買い物。
特に新星堂では50%引きのコーナーがあり、なかなか興味深いものが並んでいた。

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)ザールブリュッケン放送響、ブルックナー;交響曲第3番(ARTE NOVA)
この1月に客演したN響での7番の名演で広く知られるようになったスクロヴァチェフスキのブルックナー、ARTE NOVAも、いよいよ全集を意識し始めたのか、第3番がリリースされた。
斉諧生的には、スクロヴァチェフスキはずっと注目の指揮者、ディスクを見れば買う人なので、すぐさま購入。
スクロヴァチェフスキには旧録音がある。ワルシャワ国立フィルを指揮したLPで、1981年2月の録音である。実を言うと、あまり印象に残っていない。
今回のは1996年10月の録音、名演を期待したい。
 
ジャン・クロード・カサドシュス(指揮)国立リル管ほか、マーラー;交響曲第2番ほか(FORLANE)
これは50%引きのコーナーで発掘したもの。FORLANEのCDはなかなか見なくなったし、店頭にあっても高いので、これは嬉しい。
フランスの指揮者のマーラーは比較的珍しいが、カサドシュスには、HMFに4番があったし、FORLANEからは5番等も出ていたはずだ。
斉諧生には苦手なマーラーだが、JCCのなら一度聴いてみたいと購入。
合唱はシュトゥットガルト・オラトリオ合唱団、独唱はテレサ・ツィリス・ガラ(Sop)エヴァ・ポドレス(A)。
ホセ・ファン・ダム(Br)による『魔法の角笛』からの2曲(「起床喇叭」「少年鼓手」)をフィルアップ。
 
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)イェーテボリ響、シベリウス;劇音楽「スカラムーシュ」(BIS)
これも50%引き。
新譜のときには見送った盤だが、やはりBISから出たシベリウスは、すべて買い揃えたくなった。
こういうバーゲン・プライスや中古で、少しづつ買い溜めてゆきたい。
 
ヘルマン・クレバース(Vn&指揮)アムステルダム室内管ほか、バッハ;Vn協集ほか(Sony)
これも50%引き。
クレバースはコンセルトヘボウの名コンサートマスター、最近の日本では天満敦子の先生としても知られているようだ。
録音は1960年代のものらしい。彼のヴァイオリンは、けっこう聴き応えがあるので、見落とすことはできない。
バッハ;2つのヴァイオリンのための協奏曲
バッハ:Vn協第1番
ヴィヴァルディ;2つのヴァイオリンのための協奏曲op.3-8
ロカテッリ;コンチェルト・グロッソop.1-6
ロカテッリ;イントロデュッティオーネop.4-5
ヴェラチーニ;ラルゴ
を収録。第2ヴァイオリンはテオ・オロフ
オランダSonyが出した盤で、こういうメジャー・レーベルのローカル・リリースを店頭で見かけるのは珍しい。
 
パメラ・フランク(Vn)クロード・フランク(P)ベートーヴェン;Vnソナタ全集(Music Masters)
パメラ・フランクは、1967年ニューヨーク生まれ、R・ゼルキン主宰のマールボロ音楽祭の常連として名を知っており、先だってはDECCAからドヴォルザーク;Vn協奏曲ブラームス;Vnソナタ全集が出たところだ。
今回、父親(シュナーベルに師事した実力派であり、ベートーヴェンのソナタ全集も録音しているらしい)と共演したベートーヴェンの全集が出たので、実力を確かめようと購入。
録音は1992年と1995年にまたがっている。
 
ルーシー・ファン・ダール(Vn)バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ第1集・第2集(NAXOS)
18世紀オーケストラのコンサートミストレス、ファン・ダールがバッハを録音した。
いったい何組目になるのかもう判らないが(^^;、バッハの無伴奏とあらば買わずにはいられない。
果たして古楽器派による決定盤となるかどうか、興味津々。
 
イヴリー・ギトリス(Vn)ほか、C.H.バーンスタイン作品集(Arcobaleno)
これまた50%引き。
ギトリスは好きなヴァイオリニストなので、新譜の時から買いたかったのだが、2枚組で結構高価だったので諦めていた。
それがレギュラー1枚半くらいの正札だった上に半額になるとあらば、見逃すわけにはいかない。
作曲者はロサンジェルス生まれ、ピアノの神童として知られたが身体上の故障でキャリアを諦め実業界に入ったが、音楽への思い断ちがたく作曲家になった、とライナーノートにある。
ギトリスは無伴奏Vnのための2曲(合計約32分)を演奏、その他、無伴奏Vc曲や弦楽四重奏曲などを収録している。
 
トルルス・メルク(Vc)アイオナ・ブラウン(指揮)ノルウェー室内管、ハイドン;Vc協第1・2番(Virgin)
先日気に入ったメルクのCDを探したら、Virginから出ているものが全部見つかったので、まとめ買い。
まずハイドンは1991年の録音、原盤はSimaxだったところ、メルクのVirgin移籍に伴って移行したらしい。
マリナーのアカデミー室内管出身の女性指揮者、ブラウンがノルウェー室内管を振っている。
 
トルルス・メルク(Vc)マリス・ヤンソンス(指揮)オスロ・フィル、ドヴォルザーク;Vc協&チャイコフスキー;ロココ変奏曲(Virgin)
言うまでもないチェリストの表看板、名演を期待したい。
今やベルリン・フィルの後継者にノミネートされるようになったヤンソンスだが、この録音は1992年、ようやく認められ始めた頃か。オーケストラにも注目だ。
 
トルルス・メルク(Vc)ユハニ・ラーゲルスペッツ(P)ブラームス;Vcソナタ第1・2番ほか(Virgin)
1988年だからメルクの録音でも初期のもの、これも原盤はSimax。
ブラームスの歌曲を自らアレンジしたもの7曲をフィルアップしている。これはマイスキーの先取りか。
 
トルルス・メルク(Vc)ジャン・イヴ・ティボーデ(P)ラフマニノフ;Vcソナタ&ミヤスコフスキー;Vcソナタ第1番ほか(Virgin)
1994年の録音、共演者のティボーデは、我々には第1回の東京国際ピアノ・コンクールで優勝したことで馴染みがある。もっともブックレット掲載の経歴では触れられていないが…。
ラフマニノフ;ヴォカリーズ・2つの小品op.2をフィルアップ。
 
トルルス・メルク(Vc)ジャン・イヴ・ティボーデ(P)グリーグ;Vcソナタ&シベリウス;マリンコニアほか(Virgin)
1993年の録音、ラフマニノフやグリーグといった、やや録音の少ない、しかし聴き応えのあるあたりを攻めているのは戦略としても上乗だろう。
斉諧生的にはシベリウス;マリンコニアが一番嬉しい。1901年、シベリウスでも比較的初期の作だが、舘野泉氏によると本国フィンランドでも
「何か変な曲だ、頭のおかしな人間が書いたような曲で、だから取り上げる価値はないという扱いをされている。」
とのこと。氏は
「人生の苦労もなめつくした男の曲」
と言うのだが。
グリーグ;間奏曲シベリウス;2つの小品op.77・4つの小品op.78をフィルアップ。
 
ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)アラン・プラーネス(P)ベートーヴェン;Vcソナタ第3番&カサド;無伴奏Vc組曲ほか(INA)
INAのライヴ録音シリーズは面白いものが多く、見れば買いたくなる。
シュタルケルとプラーネスの共演ではベートーヴェンのほかプロコフィエフ;Vcソナタを収録、これらとカサドが1983年11月18日のスタジオ・ライヴ録音。
更に1978年4月1日、マドレーヌ劇場ライヴ録音のヒンデミット;無伴奏Vcソナタをカプリング。
録音年は最近だが、モノラルとの表示である。やや解せないが、どちらかというと2つの無伴奏曲がお目当てなので、まあ構わない。
 
ウラディミール・オフチニコフ(P)マキシム・ショスタコーヴィッチ(指揮)フィルハーモニア管、ショスタコーヴィッチ;P協奏曲第1番ほか(Collins)
50%引き。
とにかく集めている曲なので購入、安いので、なお有り難い。
トランペット独奏はジョン・ウォレス
ムソルグスキー;「展覧会の絵」(ピアノ版)をカプリング。
 
オッリ・ムストネン(P)ベートーヴェン;ディアベリ変奏曲ほか(BMG)
これは新譜。
ムストネンのベートーヴェンは、DECCAから出ていた変奏曲集も面白いことこの上ない演奏だったので、これにも期待。
例によって(?)作品番号のない珍曲5つをフィルアップ。
もっとも告白すると、斉諧生は、まだディアベリ変奏曲という曲を聴いたことがない。プリュデルマシェ盤(LYRINX)も早く聴かないといけないのだが。
 
ピエール・ベルナック(Br)フランシス・プーランク(P)プーランク;エリュアールの詩による歌曲集ほか(Ades)
これも50%引き。
先日まで通勤電車で読んでいたアンリ・エル『フランシス・プーランク』(村田健司訳、春秋社)は、プーランクの創作の中では歌曲を最も高い位置に置いていた(逆に弦楽器の曲への評価は低い)。
その影響もあって、ベルナックとプーランクの共演が聴きたくなっていた。Adesからは、たしか、2枚出ていたはず。
そのうち1枚を掘り出したので購入。1958・60年の録音とある。
もっともブックレットには対訳はおろか、原詩すら掲載されていない。(^^;;;

3月27日(土): 

 ノルディックサウンド広島からCDが届いた。

アルヴェ・テレフセン(Vn)パーヴォ・ベルグルンド(指揮)ロイヤル・フィルほか、シベリウス;Vn協&ステンハンマル;2つのセンチメンタル・ロマンスほか(SIMAX)
待ちに待った1枚が到着!
北欧のオイストラフ」テレフセンのシベリウス!!
ステンハンマルの再録音!!!
聴くのが楽しみで楽しみでしようがない。
とりわけステンハンマルは、先だってセミー・スタールハンメルの録音も良かったが、ピアノ伴奏だった。
この演奏が本来の管弦楽版の決定盤になってくれるのではないか。そう期待している。
なお、ステンハンマルとフィルアップのヴァレン;Vn協の付けはオーレ・クリスティアン・ルード(指揮)トロンヘイム響
 
エルッキ・ラウティオ(Vc)エリ・クラス(指揮)シベリウス・アカデミー響、シューマン;Vc協&ドヴォルザーク;Vc協(ALBA)
アルト・ノラスと並ぶフィンランドの重鎮チェリスト、エルッキ・ラウティオ。1931年生まれ、長くシベリウス・アカデミーの教授を、1990〜93年の間には学長も勤めていた。
舘野泉との室内楽録音も多いが、大曲がなかったところ、ようやくALBAから出たのでオーダーしたもの。録音は1995年4月。
オーケストラもシベリウス・アカデミーを母体としたユース・オーケストラ。
指揮のエリ・クラスは録音当時(1995年)シベリウス・アカデミーの指揮科教授、現在はオランダ放送響やタンペレ・フィルの首席指揮者。
 
シベリウス・アカデミー四重奏団ほか、シベリウス;初期室内楽曲集(FINLANDIA)
アルト・ノラス師匠がチェロ・パートに入っているシベリウス・アカデミー四重奏団、シベリウス・アカデミーの教官連中で結成した団体である(その後のポストの異動はあるが)。
ノラス師匠のディスク蒐集、この四重奏団のCDも集めざるべからずで、オーダーしたもの。録音自体は10年ほど前のものだ。
弦楽四重奏曲変ホ長調(1885年)は架蔵済みの弦楽四重奏曲全集にも入っている音源だが、ピアノ五重奏曲(1890年)は初めてのもの。
五重奏曲でのピアノは、やはりアカデミーのピアノ科教授、エリック・タヴァッシェルナが弾いている。
ピアノ三重奏曲(1888年)のみ、ノラス師匠と関係のないタピオラ・トリオの演奏。
 
シベリウス・アカデミー四重奏団ほか、コッコネン;弦楽四重奏曲第1〜3番・ピアノ五重奏曲(BIS)
珍しくBISへの録音。ノラス師匠はコッコネンの作品の録音が多く、FINLANDIAにはVc協Vcソナタもあった。
ここでのピアノはノラス師匠の古いパートナー、タパニ・ヴァルスタ
なお、ブックレットには各自の使用楽器も書いてある。それによればノラス師匠の楽器は
Cello:G.Granchino 1699. Bow:A.Lamy,Paris
とある。もっとも、これも10年ほど前の録音だが。

 今日はいろいろと聴き比べ。

ピエール・フルニエ(Vc)ルドルフ・フィルクスニー(P)ブラームス;Vcソナタ第2番(独DGG、LP)
どうも斉諧生の耳はフルニエの音を受け付けない感じだ。何か、頼りないというか、捩れているような感じがする。特にこの録音の頃は少し衰えが来ていたのであろうか?
また、この曲は高音域を頻繁に使うように書かれているのだが、その音程が合わない。明確に音を外しているわけではないのだが、どうもピッタリこないのだ。個人差の問題かもしれないが。
第2楽章の表現など、なかなか熱烈な感じも受けるのだが、どうにも心に響かない。
フィルクスニーのピアノも、録音の問題か再生側の非力さか、痩せた響きで詰まらない。
そもそも、この曲、第1楽章の指定は"Allegro vivace"なのだが、どうにも「ヴィヴァーチェ」感がない。これはフルニエに限らないかも…と思い、手持ちのディスクの第1楽章を聴き比べてみた。
 
一番ぴったり来るのが、やはりアルト・ノラス(FINLANDIA)。音といい、音楽といい、斉諧生が思うとおりに鳴っていると感じられる。愛弟子長谷川陽子盤(VICTOR)も、ノラス師匠に似て、しかしより情熱的な演奏。これで音の抜けがもう少し良くなれば…。
フレッシュな音楽に瞠目したのがフォーグラー盤(Berlin Classics)。"vivace"を達成した速さの上に、端整で、しかも力のある音楽を奏でる。メカニカルな面でも上手だし、音も美しい。
イッサーリス盤(hyperion)は、英雄的なノラスやフォーグラーよりもインティメイトな音楽だ。ガット弦の響きに最初は「ちょっと弱いかな」という気がするが、慣れてくれば大丈夫だ。
シュタルケル盤(Mercury)は上手いし音程もバッチリだが、どうも器械体操みたいで素っ気ない。逆にデュ・プレ盤(EMI)は誠に雄弁、所々の綻びも気にならない。バレンボイムのピアノも同様。
トルトゥリエ旧盤(EMI)やビルスマ盤(Sony)は高音の音程が気になった。
 
アルヴェ・テレフセン(Vn)オーレ・クリスティアン・ルード(指揮)トロンヘイム響、ステンハンマル;2つのセンチメンタル・ロマンス(SIMAX)
旧盤(CAPRICE)は1971年録音、23年後の新録音である。
旧盤より速めのテンポに乗せて、細めの音で抒情を歌っていく。演奏時間は、旧盤=第1曲6'38・第2曲6'05に対し、新盤=第1曲5'36・第2曲5'47。
シビアに聴けばメカニカルな面で少し衰えを感じないでもないが、旧盤では細部に粗さも見られなくはなかったから、一長一短だ。
伴奏もまろやかな響きの新盤としみじみした情緒の旧盤(スティーグ・ヴェステルベリ指揮スウェーデン放送響)、それぞれに美しい。
どうにも甲乙つけがたい。困った。

 トップページの画像を春らしく、筍のスケッチに取り替える。
 上記のテレフセン盤のデータをステンハンマル「作品表とディスコグラフィ」に追加。


3月26日(金): 

 一時の本業超繁忙モードも終了、代わって物欲(強)モードに突入。(^^;

ヤシャ・ホーレンシュタイン(指揮)ロンドン響・BBC響、ブルックナー;交響曲第8・9番(BBC LEGENDS)
BBC LEGENDSの第2弾から数点が店頭に並んでいた。各店とも目玉商品扱い、@1,980円で購入。
ホーレンシュタインはマーラーとブルックナーを得意としたという。ドビュッシーとラヴェル同様、セットに語られることが多いけれども音楽は全然違うこの二人、両方を*良く*振る指揮者は皆無に近い。
さてホーレンシュタインは如何に? 第8番の正規発売は、あるいは初めてではないか。
8番は1970年9月10日、9番は同年12月2日のライヴ録音。オーケストラは前者がロンドン響、後者がBBC響。
ブックレットは、さほど凝ったつくりではないが、指揮者の写真に珍しいものが使われている。
 
ジョン・バルビローリ(指揮)BBC響ほか、マーラー;交響曲第4番ほか(BBC LEGENDS)
バルビローリのマーラーは定評のあるところ、愛着を持つファンも多いところだ。
スタジオ録音を遺さなかった第4番、1967年1月3日プラハ・スメタナホールでのライヴ録音。ソプラノはヒザー・ハーパー
フィルアップは同日の録音でベルリオーズ;序曲「海賊」
 
ジョン・バルビローリ(指揮)BBC響ほか、ブリテン;シンフォニア・ダ・レクイエムほか(BBC LEGENDS)
収録曲は
エルガー;「南国にて」(1970年5月20日、ハレ管、ステレオ)
ウォルトン;管弦楽のためのパルティータ(1969年8月8日、ハレ管、ステレオ)
ブリテン;シンフォニア・ダ・レクイエム(1967年8月8日、BBC響、モノラル)
ブリテン;青少年のための管弦楽入門(1967年5月3日、ハレ管、モノラル)
バルビローリのライヴはスタジオ録音以上に感情移入の強いものが多く、この中ではシンフォニア・ダ・レクイエムに期待が高まる。
 
オトマール・スウィトナー(指揮)ベルリン・シュターツカペレ、ワーグナー;前奏曲集・ジークフリート牧歌(PILZ)
「ローエングリン」から第1幕・第3幕の前奏曲、「タンホイザー」から序曲とバッカナーレ・第3幕の前奏曲を収録。
録音年代等不詳だが、「タンホイザー」でのテンションの高い凄絶な演奏若しくは「ジークフリート牧歌」での弦楽合奏の温もりといったあたりを期待したい。
"EAST GERMAN REVOLUTION"という理解不能な副題のついたシリーズの処分とおぼしいワゴン・セールで購入。
 
ウェイン・マーシャル(P)リチャード・ヒコックス(指揮)シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア、ガーシュウィン;ラプソディ・イン・ブルーほか(Virgin)
昼間、サロ様城を見ていたら、マーシャルに「ラプソディ〜」の旧録音があることを教えて貰った。新録音は弾き振りだが、こちらはヒコックスの棒。
重要なのはジャズ・バンド版によっていること。
初演はポール・ホワイトマン楽団というビッグ・バンドだったのだが、その後、グローフェが管弦楽編曲したものが一般に演奏されている。
初演版の録音は比較的珍しい(最近ではEMIのラトル盤が有名)。これは逃すべからずと探したところ、運良く見つかったので購入。
ブックレットによると、マーシャルの使用ピアノについて
Wayne Marshall plays the Fazioli grand piano by arrrangement with Cristofori London.
と特記してある。
なおカプリングは
バーバー;ノックスヴィル「1915年の夏」・弦楽のためのアダージョ
コープランド;「アパラチアの春」・「クワイエット・シティ」
と、ピアノは登場しない。
 
ナターリャ・シャホスカヤ(Vc)ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮)モスクワ放送響ほか、ショスタコーヴィッチ;Vc協第1番ほか(BBC Classics)
一昨日に引き続き、工藤さんのショスタコーヴィッチ聴き比べでの高点盤を買う。
高い技巧に支えられた全体を貫く緊張感が大変素晴らしい。」と☆5つの満点を獲得しており、ぜひ聴いてみたいと購入。
チェリストは日本では無名だが、ロストロポーヴィッチの愛弟子、これは1966年のプロムス・ライヴである。
カプリングはオイストラフ(Vn)Vn協第1番(1962年)だが、こちらは☆4つに留まる。彼の別な録音には4つ半・5つのものがあるのだが。
もう1曲、ピーター・ドノホー(P)P協第2番(1982年)もカプリング。こちらも☆4つ。
 
トルルス・メルク(Vc)パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)バーミンガム市響、プロコフィエフ;交響的協奏曲&ミヤスコフスキー;Vc協(Virgin)
一昨日買ったメルクのショスタコーヴィッチをちらっと聴いたところ、音が非常に斉諧生好みのものだったので、これは追っかけてみようと思い、今日、あちこちで探してみた。
Virginには、ハイドンやドヴォルザークなど、いっぱい録音しているはずなのに、見つかったのはこれだけ。
プロコフィエフの第3楽章の異版をボーナスCDに収録した2枚組。
 
ドムスほか、フォーレ;P五重奏曲第1・2番(Hyperion)
中古音盤堂奥座敷合評会、次回のフォーレ;P五重奏曲第2番に向けた比較試聴盤探し、なかなか録音のない曲なので難しいのだが、ドムス盤の存在を教えてもらった。
そういえばあったなぁと思った頃には店頭から消えているのが常、やっと見つかったので購入。
ドムスはP四重奏編成なので、アンソニー・マーウッドというVn奏者が客演している。
 
ウェルナー・ヒンク(Vn)ジャスミンカ・スタンチュール(P)シューベルト;幻想曲&ブラームス;Vnソナタ第3番(オーマガトキ)
幻想曲には目がないので、とにかく買ってしまう。1997年のウィーン録音である。
ブックレットにヒンクが序文を寄せており、ベートーヴェン;クロイツェル・ソナタとこの2曲が、「ヴァイオリンとピアノのための偉大な作品」であるという。
どういう関係か、井阪紘カメラータ東京 氏がプロデューサー。
 
ジョルジュ・デルバレ(Org)トゥルヌミール;オルガン交響曲集(ADDA)
上記スウィトナー盤同様、ワゴン・セールの処分特価。
トゥルヌミールは浮月斎大人の御贔屓、デルバレのディスコグラフィも作っておられる。
いちどトゥルヌミールも聴いてみようと思い、買ってみた。
作曲者(1870〜1939)の没後50年記念の世界初録音とか。
 
トルルス・メルク(Vc)コダーイ;無伴奏Vcソナタほか(SIMAX)
メルクがVirgin以外に録音したものが見つかったので購入。録音は1986年なので、デビューからそう経たないうちの仕事ということになる。
この人のコダーイなら、きっと切れ味のいいチェロが聴けるだろうと期待。
カプリングはいずれも無伴奏の現代作品で、
ノルドヘイム;Clamavi(1980)
クラム;無伴奏Vcソナタ(1955)
リドホルム;Fantasia sopra laudi(1977)
 
アンデルス・エビィ(指揮)ミカエリ室内合唱団、プーランク;ミサ曲ト長調ほか(Proprius)
先日来、プーランクの合唱作品が気になっているのだが、名演との情報を教えて貰ったエビィ盤があったので購入。最近はPropriusを店頭で見るのは珍しくなった。
エビィとこの合唱団にはピツェッティ;レクイエムの名演があるので、このプーランクにも期待したい。
カプリングは
ヒンデミット;ミサ(1963)
ヴォーン・ウィリアムズ;ミサ曲ト短調
録音は1993〜94年。

3月24日(水): 

 

トーマス・ビーチャム(指揮)ロイヤル・フィル、シベリウス;交響曲第2・6番(DUTTON)
ビーチャムによるロイヤル・フィル結成は1946年9月、これらは、その直後から翌年にかけて録音されたものである。
この時のロイヤル・フィルはかなりの名手揃い、レジナルド・ケル(Cl)も参加していたし、ホルンはデニス・ブレイン以下、ほとんどフィルハーモニア管と同じメンバーだったという。
第6番は以前、EMIからもCD化されていたが、優秀な復刻技術を持つDUTTONから出たので、期待して再購入。
ところが、よく比べると、EMI盤の第6番はM.J.Duttonが復刻を担当している。音的にもあまり変わらない感じ。(T_T)
まぁ、第2番は初めて買う音源なので、そちらに期待か。BBC響とのライヴ(EMI)はイマイチだったが…。
 
岩城宏之(指揮)東京都響ほか、黛敏郎;涅槃交響曲ほか(DENON)
久しぶりの『涅槃』の録音、もちろん作曲者監修というので話題になった盤。録音的にもサラウンド効果を与えられた優秀録音という。
新譜のときには迷ったあげく見送ったが、中古格安で発見したので購入。
もっとも、斉諧生のお目当ては
奈良法相宗薬師寺聲明『薬師悔過』
だったりするのだが。
 
リディア・モルドコヴィッチ(Vn)ネーメ・ヤルヴィ(指揮)スコットランド・ナショナル管、ショスタコーヴィッチ;Vn協第1・2番(CHANDOS)
中古音盤堂奥座敷同人、工藤さんのページで、ショスタコーヴィッチ作品の壮大な聴き比べが進行中である。→ここを押して
まだまだ先は長そうだが、Vn協・Vc協は、ほぼ完成しているとのこと、満点(☆5つ)かそれに近い(☆4つ半)のディスクのうち、未架蔵のものを買い求めることにしたい。
当盤は「集中力と開放感に満ちた好演。」との評で☆4つ半。
こういう何でも録音してしまう人は避ることが多いのだが、そういうことなら聴いてみたいと購入。オイストラフの弟子だから、ショスタコーヴィッチは得意なのだろう。
 
トルルス・メルク(Vc)マリス・ヤンソンス(指揮)ロンドン・フィル、ショスタコーヴィッチ;Vc協第1・2番(Virgin)
これも↑と同じく、工藤さんの高点盤。
ノラス盤と似た傾向の演奏。こちらの方がやや洗練されている。」との短評、ノラス師匠似なら是非盤と購入。
メルクは1961年ノルウェー・ベルゲン生まれ、スウェーデン放送音楽院でフランス・ヘルメルソン(初期のBISに多く録音していた)に師事している。

3月23日(火): 

 出張帰りに大阪・日本橋〜心斎橋をうろつく。収穫多し。

広上淳一(指揮)日本フィル、モーツァルト;交響曲第41番&ベートーヴェン;交響曲第5番(日本フィル)
広上淳一の新譜、出るという情報は早くからファン・ページで得ており、日本フィルの公式ページ宛てに通信販売依頼のメールを出していたが、御多忙なのか、梨のつぶてだった。
もちろん日本フィルの演奏会場では売っているのだろうが、東京まで出かけるわけにもいかないし、京都近辺の演奏旅行があるまで待っているわけにもいかないし、焦っていた。
今日、立ち寄ったタワーレコード@心斎橋店に置いてあり、ようやく入手できて一安心。
「ジュピター」は1997年7月13日のサントリー・ホール、「運命」は同年6月29日の所沢ミューズアーク・ホールでのライヴ録音。
 
ラルフ・ヴォーン・ウィリアムズ(指揮)BBC響ほか、ヴォーン・ウィリアムズ;交響曲第4番ほか(DUTTON)
RVWの9曲の交響曲の中では、第4番が最も聴き応えがある曲ではないか。第二次世界大戦を前にした不安と闘争を音化したと言われる曲である。
この作曲者自演盤のことを知ったのは最近のことだ。たぶん藤野竣介氏あたりの文章だったと思う。
ボールト指揮による初演の2年半後、1937年10月に録音されたもの、時代の空気を写した名演ということなので、長く探していたが、ようやく発見できた。
バルビローリ(指揮)ハレ管、交響曲第5番をカプリング。こちらは1944年2月の録音。
 
ミハイル・ペチュコフ(P)ウラジミール・コジュハー(指揮)USSR響、ショスタコーヴィッチ;P協第1番ほか(CONSONANCE)
昨日も大いに聴き比べをした曲、これもさる方からお薦めを頂戴していた盤で、前に通販サイトにオーダーしていたのだが入荷しなかったもの。
偶々、店頭で発見したので購入。
演奏者名の表記には自信なし。ピアニストはPetukhov、指揮者はKozhukhar。オーケストラの正体は不明、トランペット奏者の名前もクレジットされていない。
他の演奏者によるシュニトケ;Pソナタ第1番・古い様式による組曲をカプリング。
 
ジャン・フィリップ・コラール(P)パレナン四重奏団ほか、フォーレ;室内楽曲集第2巻(EMI)
中古音盤堂奥座敷合評会、次回はフォーレ;P五重奏曲第2番を取り上げることになっており、比較試聴盤をいろいろ探している。
これは前にバーゲンで購入していたのだが、見かけは正常だが実際には音が出ない(トレースできない)不良品だったので、代わりを捜していたところ、中古屋で格安品を発見、店頭で試聴・確認の上、購入。
なお、P四重奏曲第1番のみ、オーギュスタン・デュメイ(Vn)ブルーノ・パスキエ(Va)フレデリク・ロデオン(Vc)が参加。
 
宮沢明子(P)「マイクと楽器の対話」(日パイオニア、LP)
知る人ぞ知る「宇野盤」である。
宇野功芳*尊師*という人は、時々、それまでさんざん持ち上げてきた演奏家を突如として顧みなくなることがある。
宮沢明子もその好例で、一時はアルゲリッチより高く評価していたにもかかわらず、デジタル期に入ったあたりから全く言及されなくなった。
これはアナログ全盛期、1971年12月28日に菅野沖彦氏によって録音されたもの、タイトルどおり曲によってマイクロフォンを使い分けようという企画である。
*尊師*の著『モーツァルトとブルックナー』から収録曲とコメントをダイジェスト。
バッハ;フランス組曲第6番「曲想にしたがって気分や音色が絶妙に変る有様は天分の表われ以外の何者でもない。」
ショパン;夜想曲第1・20番「生きる哀しさがそくそくとして身に迫る。強弱にも音色にも心がにじみ出ている。」
バッハ;シシリアーノ(BWV1031より、2種類のテイクを収録)「淀みのない、きりりとした哀切感、静止感はまさに天才の造型といえよう。」
スカルラッティ;組曲(L.21)・ソナタ(L.483)「心の琴線にふれてくる名演」
モーツァルト;Pソナタ第8番「これは不出来だ。(略)表現が窮めつくされていない。」
無駄かなと思って立ち寄った小さな中古盤屋で思いがけず発見、狂喜して購入。

3月22日(祝): ヴァイオリニストの辻井淳さんからメールをいただいた。御自分のWebpageを開設されたそうだ。
 URLは→こちらを押して
 御自身のヴァイオリン小品集のCD(2枚ある)等の紹介が主なコンテンツで、サンプル・ファイルもダウンロードできるようだ。オーダーはメールで。
 小品集は2枚とも架蔵しているが、辻井さんの美音と癖のない音楽で有名小品の懐かしい味わいが楽しめるものだ。優秀録音。

 今日はいろいろと聴き比べ。

まず、ステンハンマル;交響曲第2番から。
トール・マン(指揮)ストックホルム・フィル(Swedish Society)
 
スティグ・ヴェステルベリ(指揮)ストックホルム・フィル(Caprice)
 
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)イェーテボリ響(BIS)
 
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)イェーテボリ響(DGG)
 
ペッター・スンドクヴィスト(指揮)スコットランド・ナショナル響(NAXOS)
 
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)ストックホルム・フィル(Virgin)
 
先週聴いたパーヴォ・ヤルヴィ盤を"NORDIC SOUND"さんが昨日付けの更新で取り上げておられ、あわせて思いつき臨時企画2、ステンハンマルを聴いてみませんか?のページを作っておられる。
ステンハンマルとあらば放っておけないと、上記ページに投稿すべく、あれこれ聴いてみたもの。
このページに御来訪の皆さん、ステンハンマルを好きな人も知らない人も、上記企画に御参加ください。
なお、斉諧生音盤志のステンハンマルのページも御紹介いただいた。この場を借りて御礼申し上げたい。
 
トール・マン
これは1958年録音、さすがに音的には辛いし、ストックホルム・フィルもあまり上手くない。
 
ヴェステルベリ
1978年録音で、音的には最新録音には聴き劣りするものの、まずまず不満はない。
演奏はたいそう熱っぽいもので、緩急の振幅も大きく、祖国の大作曲家への思い入れを感じさせる。展開部の迫力など凄いものだ。
音楽の書き方が少々薄い第2楽章も、濃い歌で聴かせてしまうし、楽章冒頭の響きから北欧の抒情がたちのぼる点では随一。
第3楽章では舞曲のリズムを強調しているのが面白く、雄大な序奏に始まる終楽章では、音楽の起伏を大きくとって、フーガも一気に聴かせてしまう。
やはり、この曲のスタンダード的な名盤である。ひょっとしたら最近手に入りにくくなっているのだろうか? そうだとしたら惜しまれる。
 
ネーメ・ヤルヴィ(BIS)
この曲を世に知らしめた盤。
第1楽章の冒頭から速いテンポで実にエネルギッシュ。"Allegro energico"の指定を活かしたということか。あるいはライヴ収録ということもあるのかもしれない。
スタジオ録音の新盤が出て、やや存在意義が薄れたと思う。
 
ネーメ・ヤルヴィ(DGG)
1993年の録音で、音的な不満は全くない。
BIS盤と異なって、第1楽章はゆったり始まる。全体に聴かせ上手な演奏で、コーダの立体的な迫力は息子を圧倒する。
第2楽章の弦合奏の美しさは随一で、第3・4楽章も過不足のない美演である。
 
スンドクヴィスト
指揮者の表現意欲は感じられるが、オーケストラがついていっていないというか、細部の弾きこみが不足しているような感じだ。
NAXOSの通弊だがセッションが2日間、こういう普段演奏されない曲では不十分なのかもしれない。
 
パーヴォ・ヤルヴィ
あらためて聴き直してみたが、これはこれで優れた演奏だ。
なにより第1楽章が美しい。マルカートで奏される第1主題の美しい響き! オーケストラも誠に上手く、先週も書いたとおり、木管の共感が光る。この楽章だけとればベストだろう。
親父殿の聴かせ上手には一歩を譲るものの、すっきりとした響きがステンハンマルの抒情にふさわしい。惜しむらくは、強奏時に弦合奏が粗い音を出すことがある点だ。
第2楽章・第3楽章は、やや落ちる。美しいことは美しく、実に素直だが、その分、曲の弱さを見せてしまう感じがある。第3楽章のトリオの繊細さは素晴らしいが。
その失点を第4楽章の序奏で一気に取り戻す。ゆったりしたテンポ、雄大なホルンの吹奏、誠にこれでなければならないと思わせる素晴らしい音楽だ。
フーガに入ると少し収まりが悪くなるが、間奏部(木管がゆったり鳴るところ)では大きく間を空けてテンポを落とし、ピアニッシモの美しい響きが素晴らしい。
ヴェステルベリ、ヤルヴィ(DGG)に次いでベスト・スリーに数えるべき演奏で、この曲の魅力を語るときに落とせない盤だ。
曲調からいって、このコンビには「管弦楽のためのセレナード」op.31の方が似合っていると思う。ぜひ録音してもらいたいものだ。
 
ついではショスタコーヴィッチ;P協第1番の聴き比べ。
マリヤ・グリンベルグ(P)ゲンナージィ・ロジェストヴェンスキー(指揮)モスクワ放送響(TRITON)
 
ギュンター・コーツ(P)ロルフ・クライネルト(指揮)ベルリン放送響(CORONA)
 
キャロル・ローゼンバーガー(P)ジェラルド・シュウォーツ(指揮)ロサンジェルス室内管(DELOS)
 
オレグ・ヴォルコフ(P)ヴァレリー・シナイスキー(指揮)モスクワ・フィル(BRIOSO)
 
イトカ・チェコヴァ(P)オスヴァルド・ザラベルガー(指揮)南西ドイツ放送響(ARTE NOVA)
 
グリンベルグ
この演奏は凄い。圧倒されてしまった。
1962年のモノラル録音で、ややきつめながら、音はしっかり録れているので鑑賞に不足はない。
第1楽章は速めのテンポで決然と始まる。かなりテンションが高い。
ベートーヴェンの「熱情」ソナタの引用と言われる主題の提示で、普通のピアニストだと左手が伴奏っぽくなるのだが、グリンベルグだと両方の声部が活きていて対位的な絡みの妙が、くっきりと浮かび上がる。
その後もビシビシと決まりまくる。タッチが明確かつ強靱、低回せずにグイグイ音楽を打ち出していく感じだ。
トランペットもロシアの金管の太い音だし、ロジェストヴェンスキーの指揮も独奏に負けず劣らずの強烈なもの。
第2楽章も弦の粘っこい歌で聴かせた後、ピウ・モッソになるあたりからの盛り上がりも凄い。終結近くチェロが歌い上げるところ、オーケストラも雄弁だが、ピアノが拮抗する音楽を出すのには圧倒される。
第3楽章は1分半ほどの短いものだが、ここでも音楽は極めて濃厚。ピアノ独奏に続いて入ってくるヴァイオリンのG線の轟々たる響き!
第4楽章はそれでなくても猛烈なアレグロだが、この両者の演奏は輪をかけている。冒頭のピアノの左手からして強烈だが、コーダの凄まじいこと! これこそ「本物」のプレストである。
とりわけ第460〜478小節(ピアノだけになるところ)、通常はテンポを落としたり動かしたりするのだが、グリンベルクは右顧左眄せず一気呵成に流れを弛めず駆け抜ける! ここは、本当に凄い。誠に目眩く表現である。
この演奏を聴いている限り、この曲には他のアプローチはあり得ないのではないかと思わせる説得力を持つ。いや〜、凄かった。
 
コーツ
弦合奏の充実した響きが素晴らしい。トランペットも、いかにもドイツ風の柔らかい響きで陶然とする。
ピアノ独奏が大人しく、トランペットと同等に、弦合奏に対しては助奏のようなバランスに聴こえ、斉諧生的には少々物足りない。
 
ローゼンバーガー
かなりゆっくりしたテンポ、ピアノは美しい響きだが、表現が可愛らしすぎ、この曲の持ち味を出し切っていない感じ。
シュウォーツの指揮は敏感なもので、弦合奏やトランペットも上手い。
 
ヴォルコフ
このピアノは面白い。一癖も二癖もある面白さだ。
第1楽章冒頭から何やら曲者っぽいが、主題提示ではグリンベルグ同様、左手が伴奏に堕しない雄弁さ。その後もアクセントの効かせ方など個性的だ。
第4楽章も、やや強引なまでのアゴーギグが面白く、中でもコーダの途中でピアノだけになるところ、大胆な減速が強烈。
指揮は頑張っているが、弦合奏の響きはやや貧相で美感を欠く。
 
チェコヴァ
やや左手にウェイトをかけた感じのピアノ独奏は、過不足のない出来。
弦合奏もドイツのオーケストラらしく、充実した響き。
個性味はないが優れた演奏だと感じられる。
 
アンドレイ・ボレイコ(指揮)ポズナニ・フィル、ヒナステラ;「エスタンシア」・「オリャンタイ」(LARGO)
2曲目の名称を昨日は「オランタイ」と書いたが、「オリャンタイ」又は「オジャンタイ」が正しいだろうとのこと。
さて、演奏の方はイマイチ。録音が、いかにもホールの宙吊りマイクで録りましたという感じで、音場が引っ込み、音色もくすんでしまっている。
リズムも重く、アクセントが入らないので、どうにもヒナステラの躍動感がない。ちょっとストラヴィンスキーみたいな感じになっている。
「エスタンシア」組曲最後の「マランボ」など、さすがに盛り上がるが、全体としては「音にしてみました」風である。
「オリャンタイ」は第1楽章でフルート独奏が出す主題が美しい。第2楽章のリズムも面白いし、第3楽章も美しく、また終結での爆発は強烈に胸に響く。
標題からするとヤナーチェク;「タラス・ブーリバ」に似た感じだが、それ以上に演奏されてもよさそうな曲だ。
優れた演奏による録音の登場を待ちたい。

3月21日(日): 小林緑編著『女性作曲家列伝』(平凡社)を読む。
 ざっと見たところ、青臭いフェミニズムがちらつくのは閉口だが、リリー・ブーランジェに一章を割いているとあっては買わざるべからず。
 もちろんネタ本は斉諧生も架蔵しているレオニー・ローゼンスティール著の評伝なのだが、ひょっとしたら、彼女に関して日本語で書かれたまとまった文章としては初めてのものではないか。
 なお、斉諧生が「空のひらけたところ」と仮訳した歌曲集"Clairieres dans le ciel"、ここでは「雲の切れ目」と訳されている。

 十字屋@三条店の決算処分バーゲンに行く。輸入盤の特価処分はあまり多くなく、中古盤が目立った。

ミヒャエル・ギーレン(指揮)南西ドイツ放送響、ショスタコーヴィッチ;交響曲第12番(ARTE NOVA)
ギーレンのショスタコーヴィッチとあらば、ぜひ聴いてみたく購入。
しかもカプリングが、集めるようにしているP協奏曲第1番。こちらはイトカ・チェコヴァ(P)オスヴァルド・ザラベルガー(指揮)
とはいえ第12番とは驚いた。ショスタコーヴィッチの15曲のうち、演奏頻度が低いことではワースト3に入る曲ではなかろうか。
 
アンドレイ・ボレイコ(指揮)ポズナニ・フィル、ヒナステラ;「エスタンシア」・「オランタイ」・「パナンビ」(LARGO)
指揮者はロシア、オーケストラはポーランドという異色のヒナステラ。没後10年を期して1993年にライヴ録音されたもの。
「エスタンシア」は組曲版、「パナンビ」は抜粋版(全曲の8割弱)。
初めて見るのは「3つの交響的楽章」の副題をもつ「オランタイ」、インカの伝説に材を取った作品で、1949年にエーリヒ・クライバーがブエノス・アイレスで初演したのだそうだ。
バーゲンで掘り出した中古盤。
 
マリヤ・グリンベルク(P)ゲンナージィ・ロジェストヴェンスキー(指揮)モスクワ放送響、ショスタコーヴィッチ;P協奏曲第1番ほか(TRITON)
上記のARTE NOVA盤同様、この曲は見つけたら買うようにしている。
このレーベルには注意が行き届かなくて見落としていたところ、中古音盤堂奥座敷同人、工藤さんから御教示いただいたもの。
カプリングは24の前奏曲とフーガop.87からの7曲(7・8・11・13〜15・17)。
演奏もたいへん素晴らしいそうだ。大いに期待している。
録音は協奏曲が1962年、その他が1954〜62年、いずれもモノラル録音。
 
パガニーニ・アンサンブル、パガニーニ;ギター四重奏曲&ボッケリーニ;ギター五重奏曲第4番ほか(THE NATIONAL TRUST)
パガニーニ・アンサンブルはジャン・ジャック・カントロフが率いている団体なので(チェロは藤原真理)、新譜で出たときにも気になったが、曲目がもう一つだったので買わずにいたところ、バーゲンで掘り出したので購入。
上記2曲の他、パガニーニ;ギター三重奏曲(G、Va、Vc)をカプリング。
なお、イギリスの「ナショナル・トラスト」については林望の著書に詳しいが、ライナーノートによると、録音場所となったベリントン・ホールも18世紀末に建てられ、現在はナショナル・トラストが保有する美しい建物だそうだ。
 
パスキエ・ピドゥー・ペネティエ・トリオ、チャイコフスキー;Pトリオ&ショスタコーヴィッチ;Pトリオ第2番(LYRINX)
フランスの演奏家によるチャイコフスキーとショスタコーヴィッチは珍しいだろう。
最初に店頭で見かけたときは見送ったのだが、これも中古音盤堂奥座敷同人、工藤さんからチャイコフスキーをお奨めいただいたので、購入してみた。
 
カトリーン・ショルツ(Vn)ゲラルド・ファウトゥ(P)ブラームス;Vnソナタ全集(VICTOR)
数年前の新譜で、珍しく宇野功芳*尊師*
「ドイツが久しぶりに生んだ『内面的な心のヴァイオリニスト』として将来を最も期待しうる逸材」
と褒めていた。当時は見送ったが、格安の中古盤を掘り出したもの。
 
加藤知子(Vn)江口玲(P)エルガー;Vnソナタほか(DENON)
昨年の新譜、エルガーのソナタの録音は、けっこう珍しい。
わりと好みが合う藤野竣介氏がライナーノートも書き、また、方々で褒めているので、機会があれば買おうと思っていた。
職場の親睦会から、親睦旅行の欠席者に一部返金があったのだが、丁寧なことに百貨店の商品券での支給。
そういうところで斉諧生が買うものはないので(^^;、CD売場を漁ったところ、当盤を見つけたので購入。
 
トゥルス・メルク(Vc)ラルス・フォクト(P)ショスタコーヴィッチ;Vcソナタ&プロコフィエフ;Vcソナタ(Virgin)
ショスタコーヴィッチの未架蔵盤を中古盤で購入。
ストラヴィンスキー;イタリア組曲をカプリング。
 
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)バイエルン放送響ほか、バッハ;ミサ曲ロ短調(Sony Classical)
先日、演奏活動からの引退を表明したジュリーニが晩年Sonyに行った録音のうち、神品と評する人(許光俊あたり)もいる演奏。
気になっていたが、大曲ゆえ手が出なかったところ、中古格安品を発見したので購入。
 
鈴木雅明(指揮)バッハ・コレギウム・ジャパン、バッハ;ヨハネ受難曲(BIS)
前にKINGから出たものがBISから出直しただけと思っていたのだが、先日BCJファンページを見ていたら、まったくの新録音であることがわかったので、急遽購入。
とにかくこの団体のバッハには付き合うのだ。
1749年第4稿による録音だそうな。詳しくは上記サイトで御覧ください。
 
ハリー・クリストファーズ(指揮)ザ・シックスティーン&BBCフィル、プーランク;夜課の7つの応唱ほか(COLLINS)
今年はプーランクの生誕100年ということもあってかアンリ・エルによる評伝が再刊された(『フランシス・プーランク』村田健司訳、春秋社)。
これを最近、通勤電車の中で繙いているのだが、そうなると彼の曲が聴きたくなってくる。
で、エルが「最後の大作、最後の傑作」と紹介しているのが、この「夜課の7つの応唱」。
それを中古盤で掘り出したので購入。ザ・シックスティーンのプーランクは『人間の顔』などが高評であった。
カプリングは、
ストラヴィンスキー;詩篇交響曲
ティペット;5つの黒人霊歌(「我らが時代の子」より)
アイヴズ;答えのない質問
 
ビル・エヴァンス・トリオ、「サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」(RIVERSIDE)
1961年6月25日のライヴ録音。この日の演奏が、これと「ワルツ・フォー・デビー」に収められ、ともにビル・エヴァンス絶頂の名盤として知られるものである。
CD屋の店頭ではそろそろ見かけなくなっているxrcd盤を某百貨店のCD売場で発見したので、上記商品券で購入。

3月18日(木): 当「音盤狂日録」の記事の誤りについて、さる方から御教示いただいたことがあり、謹んで訂正いたします。m(_ _)m

(1) "Revueltas"の日本語表記
3月6日(土)・3月14日(日)の記事で作曲家名"Revueltas"を「レヴエルタス」と表記していたが、スペイン語には"b"と"v"に発音の区別がないので、「レブエルタス」と表記すべきであること。
(2) "La Noche De Los Mayas"の日本語訳
3月14日(日)の記事で曲名"La Noche De Los Mayas"を「マヤ族の結婚式」と書いていたが、「マヤ族の夜」が正しいこと。

3月14日(日): 今秋、オスモ・ヴァンスカラハティ響と来日し、東京ではシベリウス;交響曲全曲演奏を行うという。
 詳細はクラシック井戸端会議の「井戸端会議室」に情報がある。
 本業は休暇を取ってでも、全日、聴きに行きたいところだ…。

 昨日までの買い物の記録を書くのに、結構時間をとられ、あまり聴けない日だった。
 う〜ん、いくぶん本末転倒の気味がある…。

ゲオルク・ティントナー(指揮)スコットランド国立管、ブルックナー;交響曲第4番(NAXOS)
近頃注目のティントナー、彼のブルックナーを聴くのはこれが初めて。
期待しながら聴き出したのだが、どうも「?」であった。
テンポは慌てず騒がず悠然たるもの、ぱっと聴いた感じは悪くない。
しかしながら、聴き進むにつれ、どうもリズムが緩いのが気になり始める(第1楽章71〜73小節、第2楽章85〜88小節、第4楽章389〜391小節)。
その上、音に力やコクがない。オーケストラのせいかとも思うし、トランペットの薄くて明るい音はイギリスの団体の通例だが、それだけではなさそうだ(第1楽章253〜270小節、第4楽章527小節〜終結)。
ブルックナー独特の、轟然とfffで金管が鳴り渡るような場面で、音の立ち上がりが決然とせず、フレーズの開始が鈍くなるのである(第1楽章517小節等)。縦の線が、やや危ないこともあるが、それが怪しいブルックナー指揮者はいくらでもいる。
次に来る音楽の性格を指揮者が認識していないのか、あるいはオーケストラにそれを叩き込むだけの力量がないのか、どちらかでは? という気がするのだが、どうだろうか。
また、そのあと音量がfffに達して音楽が盛り上がってきても、どうにもこうにも響きに威厳がない(第1楽章279〜288小節、第2楽章221〜227小節、第4楽章295〜320小節)。
これも憶測の域を出ないが、オケが指揮者を舐め切っているのではないかと思ってしまうような、気のないフォルティッシモが鳴っているのだ(第1楽章297〜330小節、同557小節〜終結、第4楽章71〜85小節、同237〜244小節)。
これは金管だけではなく、弦合奏も同様(第2楽章29〜30小節、同92小節〜、同233〜236小節、第4楽章109〜129小節、同245〜248小節)。
かろうじて、フルート独奏の音色がヴィブラートを排した斉諧生好みのもので、これは救いであった(第1楽章365〜377小節、第2楽章83〜85小節)。
良く言えば「優しいブルックナー」でありBGMや「ながら聴き」には好適と思われるが、正対して聴くと、どうにも苛立たせられる鈍さだった。
まあ、斉諧生はブルックナーとシベリウスには点がスコブル辛くなるので、少々割り引いて、お考えください。
 
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)ストックホルム・フィルほか、ステンハンマル;交響曲第2番ほか(Virgin)
とにかくオーケストラの共感が、すごい。節回しの一つ一つが美しく、説得力がある。とりわけ素晴らしいのは第4楽章冒頭のホルン!
息子ヤルヴィはリズムの歯切れが良く、軽やかに振っているが、もう少し弦合奏を磨き上げられないと、親父殿を超えられないだろう。
op.4の2つの歌曲は管弦楽伴奏版、オーボエの物悲しげな旋律が、曲趣を盛り上げる。アンネ・ゾフィー・フォン・オッターは2度目の録音、歌唱も深みを増している。
 
エサ・ペッカ・サロネン(指揮)ロサンジェルス・フィルほか、レヴエルタス;「センセマヤ」・「マヤ族の結婚式」ほか(Sony Classical)
いや、もうリズムの饗宴である。曲も曲、指揮も指揮。
これを聴いて興奮しない人は珍しいのでは?
妙な連想だが、伊福部昭の音楽を想起した。
なお、「マヤ族の結婚式」は、偶々エンリケ・バティス&メキシコ・シティ・フィル盤(ASV)が手許にあったので聴き比べてみたが、バティスは良く言えば土俗的、悪く言えば悪趣味(打楽器を前面に出した録音ともども…)。

 上記のパーヴォ・ヤルヴィ盤のデータをステンハンマル「作品表とディスコグラフィ」に追加。


3月13日(土): 『グレン・グールド書簡集』(みすず書房)を購入。斉諧生は(今のところ)グールドの讃仰者ではないが、グールド本は、けっこう持っている。
 税抜6,800円という大層な値段だが、同じ版元から出た著作集同様、基本資料として手許に置かないわけにはいかない。
 止めようかな、と考えなかったわけではないが、決心したのは、マルタ・カザルス(カザルス夫人)宛て書簡が収められているのを索引から発見したため。

索引を完備した本は売れやすいのですよ。>音楽之友社 御中

 前に「名匠列伝」中、カザルスの小伝に、こう書いた。

なお、この年(1973年)、マールボロにグレン・グールドがやって来る。カナダ・CBC放送の番組(「カザルス−ラジオのための肖像」)製作のためであるが、残念ながら、手許の資料にはエピソードが見当たらない(もし、この2人が顔を合わせてバッハを語ったなら・・・)。

このミッシング・リンク(大袈裟だな)を示唆する資料が、この書簡集にあったのである。
 上記のマルタ・カザルス宛て1973年6月14日付け書簡から判明するのは、

  ・グールドは1972年夏にマールボロを訪れた。
    (1973年と思っていたが、誤りのようだ)
  ・もちろん、カザルスのインタビューを録音した。
  ・フェリックス・ガリミール(Vn)ら音楽祭参加者にもインタビューした。
  ・1時間番組のうち12分を音楽祭でのリハーサルに割く予定。
  ・参加者のコメントは取れているが、リハーサルそのものの録音を挿入したい。
  ・ついては、音楽祭のアルヒーフからダビングさせてほしい。

という内容である。
 俄然、この番組が聴きたくなってきた。『北の理念』同様、CBCからCD化してくれないものだろうか…。

 週前半のの反動、まだまだ続く。LPは通販業者から届いたもの。

アルヴィド・ヤンソンス(指揮)レニングラード・フィル、ベルリオーズ;幻想交響曲(Leningrad Masters)
今やすっかり「マリスの父親」になってしまったが、LP末期には「アルヴィド・ヤンソンスの息子が指揮者をしているらしい」だったものだ。
ワゴン・セールをしていた店で見つけたもの。1,000円を切る値付けだったので買ってみた。
ジャケットには"Historical Recording 1988"とあるが、これは間違いだろう。彼は1984年に没している。
ソ連でのライヴ録音にしては悪くない音がしているので、そんなに古いものではないと思う。
 
ルノー・カプソン(Vn)ジェローム・デュクロ(P)シューベルト;VnとPのための「グラン・デュオ」&幻想曲ほか(Virgin)
大好きな「幻想曲」の新譜ゆえ、とりあえず購入。
演奏者の紹介がライナーノートにないのだが、ジャケット写真を見る限りでは、なかなかの美青年である。
 
ルネ・コロ(Ten)オトマール・スイトナー(指揮)ベルリン・シュターツカペレ、ワーグナー;名場面集(Berlin Classics)
どこのWebpageだったか失念してしまったのだが、以前、推奨されているのを読んだので、気になっていたもの。
スイトナーが元気で表現意欲が横溢していた頃の是非盤として書いておられたと記憶している。録音は1972年。
今日、ふと寄ったCD屋の新譜の棚にあったので購入したもの。
 
リチャード・ヒコックス(指揮)ロンドン響ほか、デュリュフレ;レクイエムほか(DECCA)
好きな曲なので、見つけたら買うようにしているのだが、この音源の存在には気づいていなかった。1982年のデジタル録音である。
新譜ではなく、バジェットプライスでの再発が棚に眠っていたもの、シメシメと購入。
演奏者は
フェリシティ・パーマー(M-S)
ジョン・シャーリー・カーク(Br)
ウェストミンスター・カテドラル少年合唱団
ロンドン響・同合唱団
という顔ぶれ。
カプリングは、
ネヴィル・マリナー(指揮)ASMF、フォーレ;パヴァーヌ
ヘスス・ロペス・コボス(指揮)スイス・ロマンド管ほか、プーランク;グロリア
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)スペイン放送響ほか、「スペインの音楽」(西Philips、LP6枚組)
先般、「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」の原稿執筆のためにマルケヴィッチを聴いていたとき、気がついたことの一つは、
  1960年代の録音ではスペイン放送響とのものが面白い
ということだ。独特の土くさい音色が愉しいこともあるが、やはり創立間もないオーケストラの意気込みが、マルケヴィッチの音楽に一所懸命に応えた結果だろう。
そんな折り、通販業者のカタログにこれが掲載されたので、ただちにオーダーしたもの。
LP6枚組の主要部分は、既にCD化されている(432 823-2、432 824-2、432 826-2、432 829-2)。たしかバルセロナ五輪の頃、Philipsからまとまってスペインの音楽のセットが出たときだ。ただ、すべてがCD化されたわけではない。
以下に主な収録曲を示す。太字がCD未収録分である。
<LP1>スペイン管弦楽曲集1
ファリャ;『恋は魔術師』
シャブリエ;狂詩曲『スペイン』
ラヴェル;ボレロ
<LP2>スペイン管弦楽曲集2
ファリャ;7つのスペイン民謡組曲(管弦楽伴奏版)
アルベニス;『カタロニア』
E・ハルフテル;ファンファーレ
グラナドス;スペイン舞曲、『ゴエイスカス』間奏曲
<LP3>スペイン宗教声楽曲集1
モンポウ;Los Improperios
ヴィクトリア(ファリャ校訂);アヴェ・マリア他
フェレール;哀歌
<LP4>スペイン宗教声楽曲集2
E・ハルフテル;雅歌
ラモネダ;Veni Creator
ヴィクトリア;マニフィカト
エスプラ;詩篇第129番
<LP5>サルスエラ名曲集1
<LP6>サルスエラ名曲集2
  (煩瑣なので内訳を省略するが、LP2枚分をCD1枚分にダイジェストしている。)
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)モンテ・カルロ歌劇場管、チャイコフスキー;組曲「胡桃割人形」・序曲「1812年」(仏Concert Hall、LP)
マルケヴィッチの未架蔵音源がカタログに載っていたのでオーダーしたもの。
1977年6月の録音とあるので、スタジオ録音としては最後期のものだ。
 
ポール・トルトゥリエ(Vc)ヤン・パスカル・トルトゥリエ(Vn)ルイ・フレモー(指揮)ほか、ラロ;Vc協・スペイン交響曲(英EMI、LP)
トルトゥリエのLPを少しづつ集めている。比較的よく見かける盤だが、少し安かったのでオーダーしたもの。
今は指揮者として活躍中の息子トルトゥリエがVn独奏を勤めている。見ようによっては「親馬鹿ディスク」だが、カプリングとしては面白いともいえよう。
なお、オケはバーミンガム市響
クォドラフォニック・エンコード盤なのが残念。
 
ピエール・アモイヤル(Vn)フレデリック・ロデオン(Vc)アン・ケフェレック(P)メンデルスゾーン;P三重奏曲第1・2番(仏ERATO、LP)
LPで集めているアモイヤルの未架蔵音源がカタログに載っていたのでオーダーしたもの。
1977年頃の録音の模様。
 
ピエール・フルニエ(Vc)ルドルフ・フィルクスニー(P)ブラームス;Vcソナタ第1・2番(独DGG、LP)
フルニエのブラームスというと、DECCAのモノラル録音でバックハウスと共演したものが有名だが、これはステレオでの再録音。
なぜか、国内盤LPでもあまり見たことがなく、CD化もされていないのではないか。
ピアノがフィルクスニーというのも良さそうだし、オーダーしたもの。
再発盤なのだが、やけに高かった。(T_T)
 
デヴィッド・マンロウ(指揮)ロンドン古楽コンソート、「宮廷の愛」(英EMI、LP3枚組)
マンロウのLPも少しづつ集めている。不景気のせいか、少し安くなっていたのでオーダーしたもの。
アンサンブルにはクリストファー・ホグウッドの名前も見える。

3月12日(金): 

 週前半の反動、続く。

ラファエル・クーベリック(指揮)バイエルン放送響、モーツァルト;交響曲第40・41番(Orfeo)
クーベリックのライヴが出ていたので、3点とも購入。
モーツァルトは1985年5月10日のヘルクレス・ザールでのライヴ録音。
クーベリックのモーツァルトというと、同時期のスタジオ録音でCBSに入れた後期六大交響曲集があったが、あれは鈍くて詰まらなかった。LP末期に大々的に宣伝されて登場したが、すぐ話題から消えてしまったと記憶する。
しかし噂では、この演奏は素晴らしいという。大いに期待したい。
もっとも2曲では半端な感じである。…と思ったら、ライナーノートに第38番「プラハ」は発売済みとある。
あれれ、架蔵していたかな? どうも自信がない。これは探さないと…。
 
ラファエル・クーベリック(指揮)バイエルン放送響、ベルリオーズ;幻想交響曲・序曲「海賊」(Orfeo)
交響曲は1981年9月25日、序曲は1962年11月23日のヘルクレス・ザールでのライヴ録音。
クーベリックのフランス音楽は珍しいだろう。
 
クラウディオ・アラウ(P)ラファエル・クーベリック(指揮)バイエルン放送響ほか、ブラームス;P協第1番&アルト・ラプソディ(Orfeo)
てっきり交響曲第1番と思って買ったのだが、とんだ勘違い。(^^;
協奏曲は1964年4月24日、「アルト〜」は1962年10月18日のヘルクレス・ザールでのライヴ録音。後者の独唱はグレイス・ホフマン。
 
セーゲル・ファンデルステーネ(Ten)レーフェンテ・ケンデ(P)リリー・ブーランジェ;歌曲集「空のひらけたところ」(Rene Gailly)
昨日のステンハンマル同様、全録音蒐集を心願とするリリー・ブーランジェを見つけたので購入。
この曲だけなので収録時間が35分弱、ちょっと贅沢だが、とにかく買うのだ。
フランシス・ジャムの詞による曲集の表題、原題は"Clairieres dans le ciel"
業者の付けた帯には「天の空間」とあるが、そりゃ、天を仰げば空間はあるだろう、もう少し違う言葉の方がよいような気がする。
そこで斉諧生の仮訳は「空のひらけたところ」。もっともフランス語はカラキシ駄目なので、自信は全くない。
 
シクステン・エールリンク(指揮)ストックホルム放送響、シベリウス;交響曲第1番(米Mercury、LP)
 
シクステン・エールリンク(指揮)ストックホルム放送響、シベリウス;「レミンカイネン」組曲(米Capitol、LP)
エールリンクのシベリウスを2枚購入。
交響曲の方は、LP初期に企画された全集の1枚。コリンズのDECCA盤と並んで有名な録音である。
既に3番以降は架蔵しているが、なぜか有名(=たくさん売れた)筈の1・2番がレアで、これまで見たことがなかった。
やっと発見したので購入。2番もあったそうだが、先客が買っていったとか。(T_T)
組曲の方は、存在すら知らなかった録音。この少し前に録音したカミラ・ヴィックスとのVn協は有名だが。
 
ところで、交響曲全集は前にFINLANDIAからCD化の予告があったが、どうなったのだろう?

3月11日(木): 月曜から水曜まで、本業が極限的に忙しく、一度もCD屋に行けなかった。実に長く感じる3日間であった。

 ↑の反動で、一気に買ってしまった…。

ピエール・モントゥー(指揮)シカゴ響ほか、フランク;交響曲&ストラヴィンスキー;「ペトルーシュカ」(BMG)
大名盤の"LIVING STEREO"シリーズでの再マスタリング、買わざるべからず。
フランクはシカゴ響との1961年、ペトルーシュカはボストン響との1959年録音である。
このシリーズでレイボヴィッツ;"The Power of Orchestra"ギブソンのシベリウス;交響曲第5番なんかも出してほしいものだ。
 
キリル・コンドラシン(指揮)モスクワ・フィルほか、マーラー;交響曲選集(BMG)
発売情報を見たときから買おうかどうしようか迷っていたところ、店頭に出たときには自制。もし分売されたら3番と9番だけ買おうという魂胆だった。
ところが、今日、某中古屋の店頭で「新品」の表示付きの格安品(定価の7掛けくらい)を発見、一瞬の後、レジへ出していた。(^^;;;
 
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)ストックホルム・フィルほか、ステンハンマル;交響曲第2番ほか(Virgin)
ステンハンマルは全録音収集を目的にしているので、とにかく購入。久々の大曲録音である。
しかし息子ヤルヴィは親父のレパートリーを追っかけているように見える。この曲も親父ヤルヴィはBISとDGGに録音しているのだ。
普通は、父親の影を避けようとするだろうが、そういう妙な衒いのないところ、ひょっとすると大人物なのかも(^^;;;
しかも、フィルアップの1曲目は親父殿が世界初録音した"Reverenza"(「管弦楽のためのセレナード」の破棄された楽章)だから、念が入っている。
フィルアップ2曲目はop.4の2つの歌曲の管弦楽伴奏版の世界初録音。独唱はアンネ・ゾフィー・フォン・オッター。彼女はピアノ伴奏版を録音しており(MUSICA SVECIAE)、2枚目のCDということになる。
フィルアップ3曲目は序曲「高みへ!」
 
デヴィッド・シフリン(Cl)エマーソンQ、モーツァルト;Cl五重奏曲&ブラームス;Cl五重奏曲(DGG)
シフリンのクラリネットはDelosから出たモーツァルトで好きになり、同レーベルから出たCDは、ほとんど架蔵している。
どうやらDGGへ移籍したのか、エマーソンとのコンビで両曲を再録音したので、購入。
 
レン五重奏団、グリーグ;組曲「ホルベアの時代から」ほか(BAYER)
アルバムタイトルが、"No Strings Attached"。金管五重奏による弦楽合奏曲集という趣向である。
グリーグは好きで集めている曲なので、金管アレンジも一興と購入したもの。
その他、
 バッハ;アリア
 アルビノーニ;ソナタ「サン・マルコ」
 バーバー;アダージョ
等を収録。
初耳の団体だが、メンバーは南西ドイツ放送響等の奏者の様子。
なお、ジャケット写真では大真面目に弦楽器を構えているので御注意ください。(^^;
 
ジョルジュ・エネスコ(Vn)バッハ;無伴奏Vnのためのソナタとパルティータ(全曲)(CONTINENTAL)
エネスコの伝説的名演、これまでにも何度かCD化されてきた音源。斉諧生も日本フォノグラムから「ノー・ノイズ」システムで復刻されたものを架蔵している。
それによれば、マスターテープ行方不明のためオリジナルLPから復刻したとある。
しかしながら、今回の復刻は極めて優秀とのこと、前から購入を検討していた。
同じ会社からLPにも復刻されており、できればそちらが欲しかったが、値段が4倍ほども違う。しかも、今日はタワーのポイントが貯まったのが利用できるので、実質1,200円程度。買わざるべからず。
一聴したところ、フォノグラム盤とは比較にならないくらい、音が生々しい。演奏の印象も一変しそうだ。買い替えをお薦めしたい。
 
レオンティーン・プライス(Sop)ウィリアム・ウォーフィールド(Br)スキッチ・ヘンダーソン(指揮)ほか、ガーシュウィン;歌劇「ポーギーとベス」(抜粋)(BMG)
BMGから"High Performance"というシリーズが出始めたようだ。"LIVING STEREO"との違いがよく分からないが…
さてこれは当時RCA系の花形ソプラノであったプライスを起用した1963年の録音。
既にCD化されており架蔵もしているが、再マスタリングされたので購入してみたくなったもの。
オーケストラは「RCAヴィクター管」、こういう録音用オーケストラは最近見かけなくなった。
 
イアン・パートリッジ(Ten)リチャード・バーネット(Fp)シューベルト;歌曲集「冬の旅」(AMON RA)
中古音盤堂奥座敷合評会で取り上げた『冬の旅』中古音盤堂奥座敷合評会、課題盤のプレガルディエン盤(TELDEC)ではシュタイアーのフォルテピアノに議論が集中したが、同じくテノールとフォルテピアノによる録音を、中古屋で見つけたので購入。
ここでの使用楽器は1820年頃のグラーフ製、バーネットの個人コレクションのものだそうだ。
余談だが、ジャケットデザインがhyperionレーベルそっくりなのが微笑ましい。

3月7日(日): 「クラシック井戸端会議選定:名演奏家の名盤はこれだ!」が本格公開された。
 皆さんの力作揃いゆえ、ぜひ御覧いただきたい。
 斉諧生の執筆では、

ポール・パレー(指揮)
パブロ・カザルス(指揮)
ルネ・レイボヴィッツ(指揮)
カール・フォン・ガラグリ(指揮)
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)
宇野功芳(指揮)
和波孝禧(Vn)
アルト・ノラス(Vc)

が掲載されている。

 通販業者からLPが届く。

ブジェチスラフ・ノヴォトニー(Vn)バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータ(全曲)(チェコSUPRAPHON、LP)
かねてnm-tメニューイン&ミルシテインのページさんからお薦めいただいていた盤。以前から探していたがようやく入手できた。
nm-tさんのHPにはB.ノヴォトニーの項も設けておられ、それによれば、
「自分であみ出した特殊な奏法で弾かれていて、ソナタのフーガなど2人で弾いているように聞こえる(特に第2番)。音色は全盛期のフランチェスカッティの音色をやや清楚にした感じで非常に美しい。」
とのこと。
前段の「特殊な奏法」というのは、バッハのオリジナルの譜面(4つの音を同時に鳴らすなど、そのままでは演奏不能)から、実際の演奏譜に移す方法が、伝統的な方法と全く異なるノヴォトニー独自のものであることを指す。
これについては、ライナーノートにノヴォトニー自身のコメントが譜例付きで掲載されている。
なかなか楽しみ。しかし「無伴奏Vn」も、何セット未聴のものが溜まったことやら…(^^;;;

 溜まった家事の片付けに加え、先週の本業の無理が祟ってか少々お疲れ、あまり聴けない1日だった。

和波孝禧(Vn)北川暁子(P)シューベルト;幻想曲(日コロムビア、LP)
音色なりボウイングなりに未だしの部分もあるが、端正かつフレッシュな音楽作りで、全曲を気持ちよく聴き通すことができた。
神さびた境地は求め得ないものの、十分、名演の資格があると思う。CD復刻なり、再録音なりを期待したい。

3月6日(土): この1週間、本業が忙しく、ろくにCD屋廻りもできなかった。
 今日も午前中は出勤、昼から大阪へ。タワーレコード@梅田でサロ様城の城主Anjaさん、もーりぃさん、あっしゅさん、WAIWAIさんMakolinさんと会同。
 というのも…

 関西シティフィル第29回定期演奏会(指揮:ズラタン・スルジッチ)@シンフォニー・ホールを聴く。
 アマチュア・オーケストラの演奏会なのだが、今回の定期も指揮する新・常任指揮者スルジッチ氏というのが、もーりぃさんが所属するオーケストラの指揮者でもあり、かねてその熱演がサロ様城で評価高く、一度聴いてみたかったもの。
 まして当夜の曲目は…

ハチャトゥリアン;「仮面舞踏会」よりワルツ
チャイコフスキー;Vn協(独奏;大谷玲子)
ブルックナー;交響曲第7番
アマ・オケのブルックナー、その意気や壮なるかな、聴かざるべからず、である。
 
さて、まず驚いたのが、会場で貰ったプログラムに
…偉大な指揮者ロヴロ・フォン・マタチッチ氏生誕100周年を記念して…
とあったこと。
マエストロ・スルジッチは、生年不詳ながら、クロアチアの出身、ザグレブでヴァイオリンを学び、指揮者として立つ前にはザグレブ・フィルでヴァイオリンを演奏していたと言われる。
その頃のことか、あるいは指揮者としてか、とにかく
「私はロヴロ・フォン・マタチッチ氏と長年にわたって十分親しくさせていただき、彼との対談、数々のリハーサル、演奏会を通じて多くのことを学びました。」(プログラムより)
という。
 
果たして、第1楽章の冒頭、第1主題が昂揚したところでトランペットが高らかに響き、マタチッチの影響を偲ばせた。
マタチッチ&チェコ・フィル盤(Supraphon)によく似た表現が聴かれる。
全体に金管を抑えず、ここぞと言うところでは全開させるのが好ましい。
 
何より瞠目したのは、第1楽章終結で、急がず慌てず、堂々のテンポを維持して、金管の豪壮な和音を構築したこと。
これの出来る指揮者が、どれほど貴重か、ブルックナー・ファンは御存知であろう。
 
第2楽章でも、テンポがだれたり、リズムがもたれたりすることがなく、
第3楽章の力感も十分。
 
第4楽章の練習番号T(ティンパニが弱音のトレモロで入ってくるところ)の直前、弦合奏のピツィカートを最強奏させる効果も目覚ましく、細部の工夫にも
この指揮者は、きっとブルックナーが『わかっている』人に違いない
と思わせるものがあった。
 
関西シティ・フィルも、アマチュア・オケながらワーグナー・チューバ4本とロータリー式トランペット5本を揃える意気込みが素晴らしい。
さすがに技術的な限界はあったが(第4楽章は息切れ状態)…
例えば、第2楽章の練習番号Yの直前(ワーグナー・チューバの美しい弱音の四重奏の上にホルン2本がフォルテで重なってくる)でのホルンの英雄的な吹奏は見事であった。
 
また、ティンパニを1組増強し、1・2・4楽章のクライマックスを壮麗に構築したことも光っていた。
 
1曲目・2曲目も上出来。Vn独奏も、まず模範的なチャイコフスキー。
一般的には省略されがちな第3楽章の繰り返しを励行していたのは見識か。
 
マタチッチの衣鉢を継ぐマエストロ・スルジッチのブルックナーには大いに注目したい。
彼が手塩にかけている大阪教育大オーケストラが編成上の都合でブルックナーを演奏する見通しがないのが残念だが…。
朝比奈、ムントを擁する大阪フィル、京都市響は無理にしても、例えば関西フィルあたりがスルジッチを招いてブルックナーを演奏してくれることを切望するものである。
 
なお、アマチュア団体なので、演奏会出没録には不掲載。

 

ゲオルク・ティントナー(指揮)スコットランド国立管、ブルックナー;交響曲第4番(NAXOS)
近頃注目のブルックナー指揮者、ティントナーの4番が出ていたので購入。
今回は初稿ではなく、ハース版(この曲はハース版とノヴァーク版の違いは大きくない)。
余談だが、オーケストラの英文表記は"Royal Scottish National Orchestra"、この日本語表記が「スコティッシュ・ナショナル管」とは、これ如何に? なぜ「スコットランド国立管」としないのか、奇怪千万。
 
エサ・ペッカ・サロネン(指揮)ロサンジェルス・フィルほか、レヴエルタス;「センセマヤ」ほか(Sony Classical)
サロネンのディスコグラフィも、ラトルに似て、奇想天外な発展の仕方をしている。今回は、メキシコのレヴエルタス(1899〜1940)を録音。
しかし北欧指揮者の南米音楽好き、興味深い現象である。
 
ナタン・ミルシテイン(Vn)ジョン・バルビローリ(指揮)ニューヨーク・フィルほか、ブルッフ;Vn協第1番ほか(Pearl)
PearlからブルッフのSP時代の名演奏家の録音が復刻されていたので購入。
上記(1942年録音)の他、
ヤシャ・ハイフェッツ(Vn)ウィリアム・スタインバーグ(指揮)RCAビクター響、スコットランド幻想曲(1947年録音)
パブロ・カザルス(Vc)ランドン・ロナルド(指揮)ロンドン響、コル・ニドライ(1936年録音)
を収録。
 
エサ・ペッカ・サロネン(指揮)スウェーデン放送響ほか、ニールセン;Cl協・Fl協ほか(Sony Classical)
Anjaさん@サロ様城主にお目にかかったからには、サロネンの未架蔵盤を1点なりとも買わざるべからず。(^^;;;
2曲の管楽協奏曲は有名だが、歌劇「サウルとダヴィデ」第2幕への前奏曲「フェロー諸島への幻想の旅」「フューン島の春」といった珍しい曲も収めている。
独奏者の経歴等は不詳。あるいはオーケストラの首席奏者か。
 
マルクス・シュテンツ(指揮)アンサンブル・モデルン、ヒンデミット;室内音楽第1〜7番(BMG)
この曲集は、ヒンデミットが先鋭だったドイツ時代、1920年代の作曲で、新古典主義の確立を告げるものとされ、なかなか聴き応えのある曲ばかり。
かねて好きな曲だったところ、井戸端でアンサンブル・モデルンを取り上げておられる野々村さん@奥座敷同人からお薦めをいただいたので、購入。
第1番が合奏協奏曲、以下は独奏楽器の協奏曲的な形態で、
第2番=ピアノ、第3番=チェロ、第4番=ヴァイオリン、第5番=ヴィオラ、第6番=ヴィオラ・ダモーレ、第7番=オルガン
というラインナップ。
指揮者は初耳の人だが、ドイツの若い人で、ロンドン・シンフォニエッタの首席も勤めたことがあるとか。
 
ハンスイェルク・シェレンベルガー(Ob)ゾルタン・ペシュコ(指揮)フランツ・リスト室内管ほか、イベール;Obと弦楽合奏のための協奏交響曲ほか(CAMPANELLA)
昨秋のベルリン・フィル来日時には不調を伝えられた首席Ob奏者シェレンベルガーだが、個人レーベルを創立し、自分やベルリン・フィルの首席連中の録音をリリースし始めたらしい。
この人の音は圧倒的に美しく、かねて集めているので、まとめて3枚を購入。
この盤には上記の他、
マルタン;ObとHpと弦楽合奏のための3つの舞曲
ルトスワフスキ;ObとHpの二重協奏曲
を収録。ハープはマルギット・アンナ・ジュス
なお、録音は1996年4月、ブダペシュト。
 
ハンスイェルク・シェレンベルガー(Ob)ロルフ・ケーネン(P)シューマン;Ob作品集ほか(CAMPANELLA)
有名な「3つのロマンスop.94」「幻想小曲集op.73」「アダージョとアレグロop.70」の他、歌曲からの編曲やクララ・シューマンの作品も収めている。
録音は、1995年6月、ベルリン。
 
ハンスイェルク・シェレンベルガー(Ob)ロルフ・ケーネン(P)ほか、ブリテン;Ob作品集ほか(CAMPANELLA)
ライナー・クスマウル(Vn)、ヴォルフラム・クリスト(Va)、ゲオルク・ファウスト(Vc)といったベルリン・フィルの首席連中やウィーン・フィルのヴォルフガング・シュルツ(Fl)との共演盤。
録音は1997年6月、ベルリン。
 
イーゴリ・マルケヴィッチ(指揮)チェコ・フィルほか、ケルビーニ;レクイエムほか(DGG)
ORIGINALSシリーズのリリースが再開され、マルケヴィッチが1点出ていたので購入。
初CD化のケルビーニに加え、ラムルー管とのモーツァルト;戴冠式ミサを収録。
この調子で、マルケヴィッチのDGGへの録音を全部復刻してもらいたいものだが、どうだろう。戴冠式ミサも、ベルリン・フィルとのモノラル録音があるのだが…。

3月1日(月): 斉諧生も参加した中古音盤堂奥座敷合評会、『冬の旅』@クリストフ・プレガルディエン(TELDEC)のログが公開されました。どうぞ御覧ください。

 

コリン・デイヴィス(指揮)ロンドン響、シベリウス;交響詩集(BMG)
2回目の交響曲全集の補遺みたいな録音が発売された。シベリウスとあらば買わざるべからず。
収録曲は、
「カレリア」組曲
「大洋女神」
「フィンランディア」
「悲しきワルツ」
「タピオラ」
「夜の騎行と日の出」
と、あまり変わり映えのしないもの。「悲しきワルツ」を外して1曲目に「カレリア」序曲を持ってきたら…と思うのはマニアすぎるか。(^^;
このあたりの曲は、LP時代なら交響曲のフィルアップに好適で、よく録音されたものだが、CD時代では交響曲だけを詰め込むカプリングが一般的になってしまい、却って録音機会が減ってしまった感あり。
余談だが、似たような目にあっているのがブラームスの管弦楽曲だ。LP時代には<1番で1枚、2番大学祝典序曲3番ハイドン変奏曲4番悲劇的序曲で4枚組の全集>というのが決まりだったが…
 
ボロディンQ、ショスタコーヴィッチ;弦楽四重奏曲第3・7・8番(Virgin)
この3曲の中では、特に第8番が、室内交響曲op.110aに編曲されていることもあって、聴きたい曲。
 (3番も同じくルドルフ・バルシャイが弦楽合奏と木管用に編曲している。)
ショスタコーヴィッチには定評があるボロディンQ、メロディア原盤のアナログ録音で全集があり、既にCD化されている。(一部架蔵済み)
これはデジタルでの再録音。メンバーは全集盤と同一、第1Vnはミハイル・コペルマンである。
昔、これを買っても買ってもジャケットもレーベルもショスタコーヴィッチなのに、出てくる音はモーツァルト;『魔笛』の2枚目、ということが続いたことがあった。(もちろん交換又は返金してもらったが)
それで嫌気がさして、放っておいたのだが、今日、ふと棚に見つけたので、もう直っているだろうと思い、購入したもの。
先ほど確認したが、ちゃんとショスタコーヴィッチだった。(^^)

平成10年5月5日(祝): 「作曲世家」に近代スウェーデンの作曲家ステンハンマルを掲載。

平成10年2月8日(日): 「逸匠列伝」にルネ・レイボヴィッツを掲載。

平成9年11月24日(休): 「名匠列伝」に、アンゲルブレシュトを追加。

平成9年9月15日(祝): 「畸匠列伝」に、マルケヴィッチを掲載。

平成9年8月24日(日): 「名匠列伝」にカザルスを追加。

平成9年8月8日(金): 『斉諧生音盤志』を公開。


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