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2005年03月16日

ベルティーニの「大地の歌」(附.訃報)

ガリー・ベルティーニ(指揮) 東京都響 ほか
マーラー;大地の歌(fontec)
中古音盤店に立ち寄ると、ベルティーニ & 都響のマーラー・チクルスのうち未架蔵の「大地~」が棚にあったので、これ幸いと購入。
2003年11月29日、横浜みなとみらいホールでのライヴ録音。独唱はスーザン・プラッツ(M-S)、ヨルマ・シルヴァスティ(Ten)。
このシリーズで架蔵しているのは第4番・第6番、未架蔵は第7番・第8番
…と、今日の記事はここまでマーラー三連発なのだが、これはもしかしたら、帰りに立ち寄った音盤屋で、マーラーをこよなく愛する知人と久しぶりに出会った縁が引き寄せたのかもしれない(笑)。
(附記)
18日(金)になって、そのベルティーニの訃報が伝えられたので驚いた。
テル・アヴィヴで亡くなったというので、一瞬、自爆テロの巻き添えに遭ったのかという考えが頭をよぎったが、77歳だったというから、病没であろう。
 
晩年に音楽監督を務めた都響との実演を聴く機会を得なかったのは誠に残念。
唯一接したステージは、昭和63(1988)年4月、ケルン放送響を率いて大阪国際フェスティバルに来演したときのこと、曲目はマーラー;交響曲第9番であった。
たいへん期待して出かけたのだが、残念ながら、演奏の内容はあまり印象に残っていない。ごくごく真っ当に音楽が鳴っていた、普通の演奏だったという程度。
その3年前に同じホールで聴いたバーンスタイン(指揮) イスラエル・フィルの同曲の印象が強烈すぎたのか、まだまだ斉諧生が未熟だったのか…。
確かフェスティバルの開幕日で、フォーマルに装ったVIPが大勢いたとかファンファーレや両国国歌の奏楽があったとか、些末なことの記憶のみ鮮明である。
嗚呼、情けなや。
 
キャリアの長い人だが、録音には恵まれていないように思う。
ケルン放送響とのマーラー;交響曲全集が唯一まとまったものではなかろうか。
全曲の中には日本でのライヴも含まれていて我々には親しみ深く、もちろん演奏内容も熾烈な情熱と静謐感が両立した素晴らしいもの。
しかしながら、日本とドイツ以外ではろくに販売されていなかったようで、輸入盤では滅多に見かけない。先年、仏EMIが第1~5番のみを廉価セットで発売したが、後半は遂に出なかった。
同じEMIにテンシュテットの全集があったせいなのだろうか…?
この機会に(と言うのも少し変だが)、全集の再発と、都響とのマーラー・シリーズの残る曲目のリリース、そしてマーラー以外にもレパートリーが広かった彼の遺産が公表されることを、強く希望したい。

投稿者 seikaisei : 2005年03月16日 23:02

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コメント

今夜は「大地の歌」で葬送です。「聴けなかった指揮者リスト」が増えてしまいました_| ̄|○ 

投稿者 塾頭 : 2005年03月20日 22:32

塾頭様、こんにちは。
またまたサーバーの不調でご迷惑をおかけしました。重複分はこちらで削除いたしました。<(_ _)>
 
都響との名演、評判は耳にしておりましたのに、実演に接することができず、私も本当に残念です。
 
「聴けなかった指揮者リスト」、辛いものですね…。

投稿者 斉諧生 : 2005年03月20日 23:08

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