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2005年11月28日

第6回「北方の鼓動」コンサートライヴ

テラ弦楽四重奏団 ほか
柴田南雄;弦楽四重奏曲第2番 ほか(北方音楽展委員会)
先に早坂文雄作品をお世話いただいた北方音楽展委員会さんの自主製作盤(CD-R2枚組)。
今年10月9日、北海道立釧路芸術館で開催された「第6回 北方の鼓動 レクチャーコンサート」のライヴ録音である。
同会の賛助会員(年会費2,000円)に頒布されるものであるところ、標記柴田作品が収録されているというので、会費をお支払いするということでお送り願ったもの。
柴田作品のほか、松平頼則;FlとPのソナチネ(1936年)、平尾貴四男;P五重奏曲「春麗」(1945年)、黛敏郎;オール・デ・ウーブル(1947年)などが収録されている。
(詳細は公式Webpage参照。)
 
柴田作品は、1947年、柴田師がまだ12音音楽を手がける前、諸井三郎の薫陶を受けて後期ロマン派の影響が色濃い時期の曲(作品5)。
自伝『わが音楽 わが人生』(岩波書店)には、この曲についての言及がなく、おそらく「西洋音楽史演習時代」の習作と考えておられたのだろう。
もっとも第1楽章冒頭の歌謡的な主題など実にロマンティックで美しく、第2主題の出し方など、ふとフランクかシベリウスあたりを連想した。
また第2楽章の抒情味も、若書きと片付けてしまうには惜しいものだし、終楽章の軽やかさは上機嫌なドヴォルザーク、とでも喩えようか。
演奏者は札幌を中心に活動しておられる団体とのことだが、譜面を音にしてみました、というに留まらない、熱のこもった打ち込みぶりが素晴らしい。
 
同時に頂戴した当日のパンフレットも20頁を超す分厚さで、作品紹介のみならず各作曲者の年譜や作品表まで付されている充実したもの。
企画や演奏の充実ぶりとも併せ、素晴らしい音楽の営みが行われている釧路の街が羨ましく思われる。

投稿者 seikaisei : 2005年11月28日 19:57

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