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2005年12月24日

学研(Platz)録音プロデューサーの随想集

皆川弘至『わが音楽巡礼』(一藝社)
クリスマス・イヴの家族サービスに神戸まで出かけ、その帰りに大阪・梅田の大型輸入盤取扱店に立ち寄る。
直接の目的は果たせなかったのだが、それでも何点かのCDをレジに持ってゆくと、その脇の書籍棚に並んでいたのが本書
見知らぬ名前の著者なので躊躇したが、帯に並べられた演奏家の中にアルヴィド・ヤンソンス清水高師など、通り一遍でない名前があったので「これは…」と買ってみた。
巻末の略歴によれば、皆川氏はクラシック音楽関係のジャーナリスト・プロデューサーで、雑誌・書籍の編集やレコードの録音に長く携わっていたとのこと。
本文をパラパラ見ると、学研(Platz)関係の音源の話題が多いので、それらの製作に当たっていた方のようだ。
収録された文章(長くても数頁まで)は、書き下ろしから1970年代初めに執筆されたものまで、日本人演奏家や来日演奏家、自身の録音活動に関する随想などを含む。
指揮者だけでもカラヤンバーンスタイン朝比奈隆山田一雄から、ロヴィツキプレヴィターリフリューベック・デ・ブルゴス小泉和裕まで、様々な人物が登場、読み進めるのが楽しみである。
(附記) 読了してみて気になった点が2つ。
(1)「世界の指揮界は、ムラヴィンスキーやクレンペラーを亡くし、カザルスを失った今、世代の交代期に入った感がある。」(63頁)
初出が1979年12月となっている文章だが、ムラヴィンスキーが長逝したのは1988年である。(クレンペラーとカザルスはともに1973年没)
(2)「私は1982年、音と楽譜による『ベリータ』と称するヴァイオリンの教則全集を企画した。」(185頁)で始まるヘンリク・シェリングに関する記事
それによると、シェリングの代表盤バッハ;無伴奏Vnソナタとパルティータは、この企画の一環として彼が発案し、ドイツ・グラモフォンに録音を依頼したという。
しかしながら、あの名盤は1967年の録音であり(例えば、びんわさんのディスコグラフィ参照)、1980年代のものではない。
先ごろCD化されたヘンデル;Vnソナタ集は1981年録音で、教材用のLPにのみ含まれていたものというから、あるいはそのことであろうか。
とはいえ「今でもレコード・アカデミー賞受賞の名盤としてカタログの中に燦然と光を放っている」と書いているから、上の記述は単なる曲名の記憶違いとは考えにくい。

投稿者 seikaisei : 2005年12月24日 23:37

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