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2005年08月15日

一気通読『のだめカンタービレ』

二ノ宮知子『のだめカンタービレ』第1~12巻(講談社)
旅先で1、2時間つぶさねばならない空きが出来て、旅宿近隣のインターネット & コミック喫茶に足を踏み入れてみた(実はこれまでこの種の店に行ったことがない)。
なかなか清潔快適な環境で、しかも、ずっと気になっていた『のだめ』が既刊全部揃っていた。2時間弱では全12巻を読み切れず、夕食後に再度出直して、昨日の山崎著につづき、通読に成功。
一読して思ったのは、二ノ宮氏とさそうあきら氏の並行関係。
天才というより自然児と呼ぶべきピアニストが主人公である点では、さそう氏の『神童』に、臨時(特別)編成のオーケストラに集う一癖も二癖もある演奏家たちの生態(?)を描く点では『マエストロ』に、類似しているのだ。
もちろん作品世界はまったく異なり、それぞれの人物像の掘り下げや「音楽って何?」というテーマを追求する後者に対して、『のだめ』は(今のところ)ある種の青春小説であり、紙面に満載された作者のたぐいまれなギャグ感覚を楽しむべきものであるように思われる。
斉諧生にとっては『神童』は手元に置き続けたい作品であるが、『のだめ』は(今のところ)借りて目を通せば十分、という評価にとどまる。
もちろん、それゆえの親しみやすさや講談社というメジャーが手がけていることなどから、多くのファンと広がりを持ち、そのことがクラシック音楽受容の拡大につながるのであれば、非常に好ましい。むしろ、それを大いに期待したいといえよう。
作中でも、音大を卒業した登場人物たちのうち、オーケストラに就職したり演奏家として立つのは極めて少数で、レコード会社に就職したり、とりあえず居酒屋でバイトしたりする者も珍しくない様子なのだから…。

投稿者 seikaisei : 2005年08月15日 22:33

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コメント

こんにちは。 >『のだめ』は(今のところ)ある種の青春小説であり ええ、同感です。というか、むしろそこに止まるべきだったのに。指揮者コンクール以降の展開を見ても、作者が舞台裏的世界に拘泥するほど、元々よかった要素が失われていっているように思いました。『天才ファミリー』の方が好きだなぁ。

投稿者 ふげつ : 2005年08月23日 10:53

浮月斎さん、こんにちは!
 
> むしろそこに止まるべきだったのに。
なるほど、そうかもしれませんね。
SRオケの成功あたりで終結させておけば、
それで完結したかも…
 
あ、でもそれじゃ、「のだめ」がいっこうに
成長していないから、駄目かもしれません(汗)。
 
> 『天才ファミリー』の方が好きだなぁ。
おっと、またWant Listが伸びてしまいました(苦笑)。

投稿者 斉諧生 : 2005年08月23日 21:18

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