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2004年10月07日

ブロッホ;弦楽四重奏曲集

グリラーQ
ブロッホ;弦楽四重奏曲第1~4番(DECCA)
以前読了したコリン・ハンプトン『チェリストの物語』(瀧川郁久訳、春秋社)は、この団体のメンバーによる著作。
20世紀音楽史を彩る作曲家、演奏家たちとの交流に多くの紙幅が割かれているが、中でも「私がめぐりあった人々の中で、いちばん偉大な人物」と特筆されているのがブロッホ。
ブロッホは、石像のような風貌で、岩から彫り出したような顔をしていた。いつも極度に興奮していて、怒鳴ったかと思うと、歌いだし、金切り声をあげる。背丈は五フィートしかなかったが、切り立った岩山のようで、そのくせとてもチャーミングだった。
弦楽四重奏曲第一番は、名作だと思う。私はこの曲を、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の論理的帰結と見ている。私の中でブロッホは、常にシューベルトやブラームスより上なのだ。
あまり馴染みのない作曲家だったが、これは是非聴いてみたいと考えていた。
先だって、"DECCA Original Masters" シリーズで出たばかりの2枚組が、中古格安(1枚分以下!)で並んでいたので思わず購入。
1954年6~7月、ロンドンで録音されたもの。この団体は第5番も録音しているはずなのだが、漏れているのはどうしてだろう?
なお、ハンプトンの著作には、このような描写もある。
ある晩談話室でブロッホが、第一番もやってみてくれないかと言いだした。(略)曲が終わると、彼は立ち上がって、がっくりした様子でこう言った。
『なんで、こういう音楽が書けなくなってしまったんだろう。』
それは悲痛な叫びだった。

投稿者 seikaisei : 2004年10月07日 21:55

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