斉諧生由来記

斉諧生

 『荘子』内篇第一「逍遙遊」の冒頭に「斉諧(せいかい)は怪を(しる)すものなり」とある。

 ある人いわく、斉諧は人名なり、と。又ある人いわく、斉諧は斉の国の怪談集なり、と。

 ここにおいて、露伴先生のたまわく、斉は「ひとしく」にして諧は「でたらめ」、斉諧とは、一見、人名あるいは書名にして、裏に「みんなでたらめ」という戯言を蔵す、と。 余、年少の頃よりこの解を好み、進んで斉諧生と号す。

 長じて白川静博士の『字統』『字通』をひもとき、「斉」「諧」いずれも「ととのう」の字義を有し、「斉唱」「諧和」の熟語あるがごとく、音律の相和するさまをいうことを知る。 ここに至りて、かつて自ら図らずして斉諧生の号を撰びしことと、長じて音盤狂いとなりしこととの符合を悟れり。

 音盤狂いの顛末を世界的蜘蛛巣電網頁に公開するに際し、『斉諧生音盤志』の題号を掲げる由来これなり。


斉諧生自序へ戻る


トップページへ戻る

斉諧生へ御意見・御感想をお寄せください。